インフィニオンが0.11μm技術をDRAM量産に導入256MビットDRAM 生産で30%のコスト低減

2003/04/29 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、先進的な0.11μmプロセス技術をDRAM量産に導入したと発表しました。新しい0.11μm技術で生産される高密度256MビットDRAMは、す でにインテル社の認定試験をパスし、戦略パートナーへの供給が開始されています。新プロセス技術は構造幅の著しい微細化をもたらし、その結果、チップサイズの縮小とチップ製造単価の低下につながります。チ ップ製造単価は、同社の現行の量産プロセス技術に比べて約30パーセント低減されます。微細化により、ウェハ1枚あたりのチップ製造個数は、同社がこれまで用いてきた0.14μm DRAMプロセス技術より、5 0パーセント以上も増加します。

インフィニオンのアンドレアス・フォン・チッツェビッツ(取締役兼最高執行責任者COO)は、「新しい0.11μm技術の導入は、当社のこの方面の技術リーダーシップを改めて裏付けるものです。当 社の256MビットDRAMの最新シュリンク版は、業界最小の256Mビットデバイスです。これは、超高密度0.11μmプロセスと当社の設計資産であるトレンチ・セル技術を組み合わせて、生み出されました。そ の結果、同じ構造寸法の競合技術と比べて、生産するチップのサイズを10パーセント近く縮小できます」と、語りました。

新しいプロセス技術はドレスデンにある同社の200mmウェハ工場で開発されたもので、このたび、200mmと300mmのプロセス・ライン上で、その技術を使った高密度・高 速メモリの量産を立ち上げる体制が整いました。新プロセス技術は、ドレスデン工場での立ち上げと並行して、インフィニオンのDRAMチップ国際工場群(ファブ・クラスタ)を構成する他の工場にも移転されます。こ れには、リッチモンド工場(米国バージニア州)、台湾の南亜科技との合弁会社「イノテラ・メモリーズ(Inotera Memories)」およびDRAMファウンドリ・パートナーの各工場が含まれます。

インフィニオンは新しい0.11μm技術を導入するため、先進的な193nm(ナノメートル)リソグラフィ技術を量産工程に採用しましたが、これはDRAMメーカーとして初めてです。構 造寸法のさらに小さい将来世代のプロセス技術にも同じリソグラフィ技術を用いることが計画されており、このため経験面でのメリットが得られます。新 しい0.11μm技術を用いて生産される最初の製品は256MビットDDRで、これはPCやサーバに用いられます。より微細なプロセス技術への移行は、 DDR2やグラフィックRAMなどの高速メモリの生産に理想的だと言えます。

加えて、構造寸法が小型化すれば、記憶密度をチップあたり最大1Gビットにまで高めることが可能です。このプロセス技術で生産されるすべてのDRAMデバイスは、鉛 やハロゲンを含有しない素材を使用した、環境にフレンドリーな技術をベースとした製品となります。

インフィニオンは最近、300mmウェハを用いたDRAMチップ生産が200mmウェハに対して「コスト分岐点」に到達したと発表しましたが、今回の発表と相まって、同 社はDRAM生産における生産性とコスト面のリーダーとしての地位を一段と強めることになります。

「300mm技術のパイオニアとして、当社は半導体製品の量産で新しい世界標準を樹立しました。そして今、この新しい技術への長期的な投資による生産効率面でのメリットを享受しようとしています」と、 フォン・チッツェビッツは述べました。

直径300mmのシリコンウェハを用いたメモリチップ量産を開始してちょうど1年目にあたる2002年12月以後、インフィニオンは、2 00mmウェハ使用時よりも低いチップあたりコストでメモリチップを生産できるようになっています。このコスト分岐点突破で、同社は300mmウェハ使用のメリットをフルに発揮できるようになりました。すなわち、 工場が最大生産能力に達した段階で、同じメモリチップ生産量で比べた場合、生産性が一層向上し、コスト低減の程度は最大30パーセントに達します。

インフィニオンのDRAM製品ラインナップに関する情報は、下記URLをご参照ください:
http://www.infineon.com/memory

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFMP200304.066

Press Photos

  • Infineon is using its advanced 0.11-micron process technology for volume  manufacturing for DRAMs. Samples of high-density 256Mbit DRAMs manufactured  in the new 0.11-micron process have already been successfully validated at  Intel and also delivered to strategic partners. The new process results in  significantly smaller structures, thus allowing a reduction in the chip size  and a production cost advantage per chip of around 30 percent compared to  the current volume process technology used by Infineon. The smaller  structures compared to the company's previous 0.14-micron DRAM process,  allow Infineon to manufacture greater than 50 percent more chips per wafer.
    Infineon is using its advanced 0.11-micron process technology for volume manufacturing for DRAMs. Samples of high-density 256Mbit DRAMs manufactured in the new 0.11-micron process have already been successfully validated at Intel and also delivered to strategic partners. The new process results in significantly smaller structures, thus allowing a reduction in the chip size and a production cost advantage per chip of around 30 percent compared to the current volume process technology used by Infineon. The smaller structures compared to the company's previous 0.14-micron DRAM process, allow Infineon to manufacture greater than 50 percent more chips per wafer.
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