インフィニオンテクノロジーズが2002年10~12月の四半期業績を発表

2003/01/20 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズが2002年12月31日に終了した2003会計年度第1四半期業績(2002年10~12月)を発表し、売 上高が対前四半期比で10パーセント増の15億2,000万ユーロとなり、対前年同期比では47パーセントの増加をみせたと発表しました。売上増は特に、メモリ製品や携帯電話用半導体の需要増と自動車&産 業グループが引き続き力強さを保ったことが要因です。また、インフィニオンが2002年9月に買収したエリクソン・マイクロエレクトロニクスの四半期売上高が初めて連結に完全に組み込まれたことも影響しています。

インフィニオンテクノロジーズのウルリッヒ・シュマッハ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「技術およびコスト面のリーダーシップへの集中が、市場シェアの一層の拡大につながりました。メ モリ製品グループでは価格と製品構成の改善およびメモリチップの大幅なコスト低減が寄与して、前四半期および前年同期と比べてともに売上増を示し、損益の改善も達成しました」と、語りました。

第1四半期のEBIT(利息・税引き前損益)は3,100万ユーロの欠損で、前四半期の2億9,200万ユーロの欠損(特別支出1億1,900万ユーロを含む)お よび前年同期の5億6,400万ユーロの欠損と比べて、大きく改善しました。この改善は主に、メモリ製品の一段のコスト低減と、より高マージンの製品へのシフトが寄与したものです。最 終損益は4,000万ユーロの純欠損で、前四半期の5億600万ユーロの純欠損から著しく改善しました。ただし、前四半期の数字には、繰 り延べ税評価引当金を計上するための非キャッシュチャージ2億7,500万ユーロが含まれています。1株当たり(基本および希釈)欠損額は0.06ユーロで、前四半期の0.72ユーロ、前 年同期の0.48ユーロより改善しました。

研究開発費は前四半期の2億9,200万ユーロを下回る2億6,500万ユーロで、売上総額に対する研究開発費の比率は17パーセントでした。研究開発費が減少したのは、前 四半期には買収に関連した研究開発費3,700万ユーロが含まれていたのが主因です。

地域別売上高をみると、欧州以外の地域での売上高が総売上高の54パーセントを占め、その比率は前四半期の53パーセントから上昇しました。これは、ア ジアおよび日本市場への浸透が進んだことを反映しています。12月31日現在の総従業員数は世界全体で3万900人、うち約5,400人が研究開発関係に従事しています。

第1四半期の製品グループ別売上高
インフィニオンは、2002年11月1日付けで、無線通信とセキュリティ&チップカードICの両事業グループを新事業グループ「セキュア・モバイル・ソリューションズ(SMS)」 へ統合しました。この統合により、セキュリティとモバイルの融合が進む市場のすう勢への対応が強化されます。この統合はまた、最近発表された「Agenda 5-to-1」戦 略に基づいて統合ソリューションの提供に精力を集中する、当社の姿勢を物語ります。両事業グループの統合は、以下の解説に反映されており、新しい報告方式により、前四半期および前年同期との比較においてはすべて、 それに合わせた調整がなされています。

第1四半期の事業グループ別業績では、自動車&産業グループの売上高が3億3,400万ユーロと過去最高に達し、対前四半期比4パーセント増、対前年同期比では22パーセントの伸びをみせました。こ れは特に、パワーマネジメント&サプライおよび自動車用パワーアプリケーション分野の販売増に支えられたものです。当社は、32ビット「TriCore」マイクロコントローラ技術の拡販により、次 世代エンジン管理システム市場で一段と勢力を伸ばすとともに、アジアを中心に、パワーマネジメント&サプライ市場でもシェアを拡大しています。加えて、センサ事業の再編が奏功し、磁気センサと圧力センサを軸に、こ の分野の売上が増加しました。

有線通信グループの売上高は1億600万ユーロで、対前四半期比では1パーセントの小幅増、対前年同期比では28パーセントの伸びでした。対前四半期比の伸びは主に、アジア市場でのEthernet over VDSLアクセス技術の販売増進によるものです。困難な市場環境が続くなかで、当社は、次世代高速VDSLブロードバンド・アクセス技術の先導ベンダとして、アジアでの市場地位を一段と強めています。一 方、世界の通信事業者のインフラ投資削減が有線通信製品にとってマイナス材料であり、特に光ファイバおよび光ネットワーキングの需要回復の足どりを鈍らせています。インフィニオンは、光通信市場向けに10G XPAKトランシーバを投入した最初のベンダであり、2003会計年度第3四半期以降に、それらの製品の売上高を実際に計上できる見通しです。

新設のセキュア・モバイル・ソリューションズ・グループでは、第1四半期の売上高が4億1,200万ユーロとなり、対前四半期比で11パーセント増、対 前年同期比では44パーセントの増加をみせました。増収は特に、クリスマス期の携帯電話の活発な販売によるものです。また、この数字には、2002年9月に買収したエリクソン・マ イクロエレクトロニクスの四半期売上高が完全算入されています。

当社は、マルチメディア対応ベースバンドIC「S-GOLD」、無線IC「SMARTi DC+」およびパワーマネジメント用ICを統合した総合EDGEプラットフォームの導入により、次 世代移動通信ソリューション市場での地位を一段と強化しています。また、高速無線ネットワーキング・ソリューション(WLAN、IEEE 802.11a/b/g)に関して、IP(設計資産)の クロスライセンスおよび相互供給を含む、アギア・システムズとの包括提携を発表しました。また、パリでの展示会「Cartes 2002」で、非接触チップカード用のマイクロコントローラ2点が、S ESAMES賞の「ベスト・テクノロジカル・イノベーション」を受賞しましたが、そのうち1点はインフィニオンの自主開発品、もう1点はソニーと共同開発したものです。さらに、インフィニオンは「トラステッド・コ ンピューティング・プラットフォーム・アライアンス(TCPA)」向けのサプライヤとしての地位も強めており、その設計が有力なOEMメーカー1社に採用されました。

メモリ製品グループの売上高は5億4,200万ユーロで、対前四半期比で24パーセント増と力強い伸びを示し、前年同期に比べると89パーセントの大幅増をみせました。特に需要改善が寄与しました。ウ ィンボンドとの契約など、最近スタートした生産能力面での提携が販売に好影響を及ぼしています。

当社は300mm生産における世界的リーダーシップを一層強固にしました。ドレスデンの300mm施設では200mm生産に対するコスト分岐点に到達し、その結果、300mm 量産が200mmウェハ使用時よりもコスト効率で優位に立ちました。300mm生産では現在、週あたりウェハ投入量が5,000枚以上に達しており、同時に、0.14μm技術への転換が大きく進展しています。イ ンフィニオンはまた、中国のSMIC(中芯国際集成電路製造)と契約を結び、生産提携ネットワークを一段と広げました。SMICとの契約では、インフィニオンが0.14μmトレンチ技術をSMICに供与する一方、 SMICはその技術を使って、インフィニオン向け専用の DRAM生産を行います。SMICの施設が立ち上がれば、その提携を通じて、インフィニオンの総生産能力は月間ウェハ投入量にして、2 005年までに約2万枚増強されます。インフィニオンはまた、すべての主要顧客企業から、0.14μm技術を用いた512MビットDDRデバイスの認定も獲得しました。

一方、インフィニオンは台湾の新竹を本拠とする合弁会社、プロモスからの撤退を決めました。合弁相手のモセルバイテリックが重大な違反を繰り返したのが理由です。2003年1月1日を以て、イ ンフィニオンはプロモスからの製品調達を中止しました。この撤退は、インフィニオンのDRAM市場における主導的地位に影響しないと思われます。インフィニオンが別の台湾パートナーとも提携していることと、当 社自身のコスト効率および生産性の向上がその根拠です。

2003暦年上半期の見通し
「前向きの市場傾向を示す徴候がうかがえるものの、市場全般の持続的改善を云々するのはまだ早計です。当社は慎重ながらも、先行きを楽観視しており、大 半の分野では需要の安定が一段と進むと予想しています。しかし、当社は2003暦年上半期には、有線通信とセキュア・モバイル・ソリューションズの分野で価格圧力がなお続くため、困 難な市場環境はまだ続くだろうとみています」と、シューマッハは述べました。

備考
上記は、発表原文からの抜粋日本語訳です。財務諸表を含むプレスリリースの全文(英語版PDFファイル)は次のURLからダウンロードしていただけます:

http://www.infineon.com/news/press/301_037e.htm

Information Number

INFXX200301.037e

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