インフィニオンが移動通信プラットフォームの次世代アーキテクチャを発表
独インフィニオンテクノロジーズは、ワイヤレス・マルチメディア通信機器の普及促進を目的とした開発プラットフォームの、次世代アーキテクチャを発表しました。この統合アーキテクチャは2G、2.5G、3 G製品開発の基礎になる通信技術を提供します。更に、移動通信アプリケーションのスケーラブルなサポートと、標準アプリケーション・ソフトウェア・インターフェイスを提供し、移 動通信端末の柔軟なカスタム化開発を可能にします。
この次世代プラットフォーム・アーキテクチャは、ハードウェアとソフトウェア、そしてアクセス技術とアプリケーションをカバーした、システムレベルの統一型プラットフォームです。特 定市場セグメントや特定顧客のニーズに照準を合わせた製品を迅速に市場に投入できるように、標準ソフトウェア・インターフェイスとAPI(アプリケーション・プログラマーズ・インターフェイス)を備え、ス ケーラブルなモジュラー構成になっています。
次世代プラットフォームは、GSM/GPRS/EGPRS/UMTSベースバンド機能をサポートし、スケーラブルなアプリケーション向けパフォーマンスを実現する、CPUコア「ARMェ926」を ベースとした演算エンジンを組み込んでいます。その他のハードウェア構成要素として、エアー・インターフェース・ユニットとパワー・マネジメント・ブロック等があります。ソフトウェア・アーキテクチャは、プ ロトコルスタック、システムサービス、OS、標準アプリケーション・ソフトウェア・インターフェイスで構成され、モジュラーでスケーラブルな構成になっています。顧 客企業向けシステム開発プラットフォームが2002年第4四半期から提供される予定です。
インフィニオンテクノロジーズのウルリッヒ・ハマン(無線ソリューション・グループ最高責任者)は、「移動通信プラットフォームの次世代アーキテクチャは、顧客企業に対して、ま すます多様化する市場セグメントに柔軟に対処できる手段を提供します。このアーキテクチャが持つスケーラビリティと安定性は、個別特化型の通信製品を開発するための基礎となるもので、市 場投入までの時間を加速します」と、説明しました。
移動通信市場におけるGPRSと3Gの導入によって、移動通信通信業界に重大な変革がもたらされます。GPRSと、特にそれに続く3Gは、基本タイプの端末から高性能マルチメディア端末に至るまで、多 種多様な端末を登場させる契機となり、その結果、セグメントの細分化やユーザ市場の多様化が起こると考えられます。
市場セグメントの細分化に伴って、既に地位を確立した既存企業においても、新規参入企業においても、アプリケーションおよび機器の設計にとって継続的な土台となるべき、柔 軟なスケーラビリティを持った統一型プラットフォームを求める声が強まることは確かです。アプリケーションはいったん作成されれば、従来機器や将来開発機器との互換性が不可欠となり、しかも、ア プリケーションの下位にあるモデム技術や特定デバイスに左右されない独立性が強く求められます。端末やアプリケーションの多彩な発展を可能にするために、これはきわめて重大な条件といえます。
次世代プラットフォームの構想は、インフィニオンの現行3Gプログラムから得た経験を踏まえたものです。インフィニオンは今回、カンヌの3GSM世界会議の場で、3 Gエンジン用プロセッサの実演を行いました。なお、インフィニオンの3G無線ICは現在、日本においてW-CDMA(FOMA)方式端末製品に供給されています。また、高 集積UMTSトランシーバICのサンプル出荷がすでに開始されています。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
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INFWS200202.043e