インフィニオンがメモリ生産能力拡大に向けてウィンボンドおよびモセルバイテリックと提携

2002/03/11 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、台湾の新竹に本社を置くウィンボンド・エレクトロニクスおよびモセルバイテリックの両社との提携交渉が成功裏に終了したと発表しました。メモリ市場での地位強化に向けて、 インフィニオンはこのほどウィンボンドとの間で拘束力を持たない合意に関する覚書(MoUs)に調印し、モセルバイテリックとの間で提携に調印しました。これらのステップによりインフィニオンは、D RAMの総生産能力を月間20,000ウエハ以上、拡大することが可能になりました。

ウィンボンドとの合意に関する覚書に基づき、インフィニオンはウィンボンドに対しその先進的なDRAMトレンチ技術ライセンスを提供し、2 003年初からそのトレンチ技術を用いて製造される標準DRAM製品に対する独占的なアクセス権を獲得します。一方、モセルバイテリックとの合意に基づき、インフィニオンは同社との合弁企業、プロモス・テ クノロジーズ社による生産に対する取り分を2002年3月1日付けで38パーセントから48パーセントに拡大しました。

インフィニオンテクノロジーズの社長兼最高経営責任者(CEO)ウルリッヒ・シューマッハは、「インフィニオンは、台湾のパートナー企業との関係をさらに強化するという戦略を推進しています。今 回の提携は市場の回復に向けた体制確立のための重要なステップとなります。再編が進んでいるDRAM業界で、先進技術とコスト競争力を活かしながら、製造能力をインフィニオンへシフトすることは、イ ンフィニオンの世界市場での地位をさらに強化する道を開きます」と、述べました。

ウィンボンドは、インフィニオンからの技術移転により、インフィニオンだけに販売する標準DRAM製品を製造するとともに、インフィニオンのDRAM技術を活用し、新しい設計資産に基づく製品を開発、 販売することが可能になります。一方インフィニオンは、当該DRAM技術を使用してウィンボンドが設計、販売する製品に関し、ライセンス料とロイヤリティを受け取ることになります。ウィンボンドは、イ ンフィニオンの0.11μm技術に基づき、新竹のDRAM設備を更新し、チップあたりのコスト面での優位性をさらに高めます。インフィニオンは、ウ ィンボンドにおける生産品目として当初は256MビットDDRメモリを予定していますが、将来的に512Mビット製品に転換するポテンシャルを期待しています。

1996年に、インフィニオン(当時はシーメンス・セミコンダクターズ)とモセルバイテリックは台湾の新竹にDRAM製造のための合弁会社、プロモスを設立しました。以来、イ ンフィニオンはプロモスとの間で、300mm技術やさまざまな世代の製造プロセス技術などに関するいくつかの技術移転契約を結んでいます。プ ロモスは1999年5月から株式をTAISDAQ証券取引所に上場しています。

ドレスデン工場におけるインフィニオンの300mmウエハ製造ラインの操業開始に続いて、プロモスも300mm技術の導入のための準備を進めています。プロモスは現在、昨 秋インフィニオンから技術導入した最先端0.14μm技術による生産の認定を受けました。同社の主要製品は、シンクロナス型(SDRAM)およびダブルデータレート型(DDR)の 128Mビットおよび256MビットDRAMで、主にサーバやその他のコンピュータ機器に使用されています。

ウィンボンドについて
ウィンボンド・エレクトロニクス社(Winbond Electronics Corporation)は1987年に設立され、本社を新竹のサイエンスベースト・イ ンダストリアルパークに置いています。同社は自社ブランド製品を製造する台湾で最大の半導体メーカに成長しており、現在では広い範囲のPCおよび周辺機器用IC、民生電子機器用IC、マルチメディアIC、メ モリICなどを提供しています。ウィンボンドは電話ダイヤラ、PC I/Oコントローラ、スピーチシンセサイザ、MPEG デコーダなどの市場でリーダーとしての地位を築いています。現 在4つのウエハ工場を稼働しており、同社は1.0μmから0.175μmまでのプロセス技術を持っています。ウィンボンドは世界に約4,000名の従業員を有し、台湾の新竹、中国の上海、カ リフォルニア州サンノゼ、テキサス州オースチンにデザインセンターを展開しています。ウィンボンドに関する情報は次のURLをご参照ください:
http://www.winbond.com

モセルバイテリックについて
モセルバイテリック(Mosel Vitelic)は、メインメモリ用DRAM、バッファメモリ用DRAM、スペシャリティメモリ用DRAM、SRAM、フラッシュメモリの設計、製造、販 売を行なっている企業です。こうした製品はサーバ、ワークステーション、デスクトップPC、ノートPC、PC周辺機器、2D/3Dグラフィックスアクセラレータ、ディスクドライブ、CD-ROMドライブ、テ レコミュニケーション機器、デジタルビデオ、ネットワーキング周辺機器など、多数のアプリケーションに採用されています。モセルバイテリックは台湾証券取引所に上場されています。モ セルバイテリックについての情報は次のURLをご参照ください:
http://www.moselvitelic.com



インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFMP200203.058e