インフィニオンテクノロジーズが2002年1~3月の四半期業績を発表
世界の先導半導体メーカーである独インフィニオンテクノロジーズが2002年3月31日に終了した2002会計年度第2四半期(2002年1~3月)の業績について、売上高が前四半期比34パーセント増、前 年同四半期比16パーセント減の13億9,000万ユーロになったと発表しました。前四半期比で増収となったのは特にメモリ製品などの市場環境が改善した結果です。また、伝 統的な通信インフラ用ICやセキュリティ&チップカード用IC、自動車用パワーICの需要増が貢献しました。
第2四半期の損益は1億800万ユーロの純欠損で、前四半期の3億3,100万ユーロの赤字から改善しましたが、前年同四半期の2,300万ユーロの純利益に比べて悪化しました。こ れに伴い1株当たり損益は前四半期の0.48ユーロの損失から0.16ユーロの損失へと改善しました(前年同四半期は0.04ユーロの利益)。
インフィニオンテクノロジーズのウルリッヒ・シューマッハ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「第2四半期の業績は、全 事業グループでの全般的な需要改善とメモリ製品価格の力強い上昇に支えられました。自動車や通信市場で引き続き強い価格圧力があったにもかかわらず、純欠損の大幅縮小とコスト・ポジションの改善を達成しました」と 、語りました。
第2四半期の粗利益率はプラス21パーセントと前四半期のマイナス9パーセントから大きく改善しましたが、前年同四半期のプラス28パーセントには及びませんでした。R &D支出は前四半期と前年同四半期からほぼ横ばいの2億6,400万ユーロで、売上総額に対するR&D比率は19パーセントでした。
地域別売上高をみると、欧州以外の地域での売上高が総売上高の55パーセントを占めています。3月31日現在の総従業員数は世界全体で2万9,900人、う ち約5,100人が研究開発関係に従事しています。
第2四半期の製品グループ別売上高
第2四半期の事業グループ別売上高は、有線通信グループが9,600万ユーロと前四半期比16パーセント増、前年同四半期比では58パーセント減となりました。ア ジアでの伝統的なアクセス製品の著しい需要回復に加え、光通信用ICの需要増が寄与しました。
無線通信グループの売上高は2億800万ユーロでした。携帯電話機の需要安定を反映し、季節的な力強さをみせた前四半期を1パーセント上回りましたが、前 年同四半期比では21パーセントの減少となりました。
セキュリティ&チップカードICグループの売上高は9,000万ユーロと前四半期比10パーセント増、前年同四半期比では53パーセント減となりました。前四半期比の増加は主にセキュリティ・コ ントローラの需要改善によるものです。
自動車&産業グループの売上高は2億9,900万ユーロで前四半期比9パーセント増となりましたが、前年同四半期に比べると3パーセント減でした。前四半期比では連続の増収です。こ れは自動車用パワーICの需要が引き続きおう盛なこととマザーボード事業の伸びを反映したものです。
メモリ製品グループの売上高は5億8,500万ユーロで前四半期比105パーセントの大幅増となり、前四半期比で連続の伸びを記録し、前年同四半期に比べても13パーセントの増加をみせました。こ れは価格の大幅な改善とメモリ製品の力強い需要持続を反映したものです。
なお第2四半期の戦略的ハイライトとして、台湾のウィンボンド社との覚書調印とモセルバイテリック社との契約があげられます。こ れによりインフィニオンのDRAM総生産能力は月産2万ウエハ以上拡大することが可能になりました。
2002会計年度の見通し
向こう6カ月間の市場見通しは依然として幾分不透明で、欧米を中心とする世界景気の回復がどの程度、またどれほど長く続くかにかかっています。全般的に需要に前向きの気配がみられますが、イ ンフィニオンの大半の事業グループでは当面、強い価格圧力を伴った激しい競争環境が続くものと思われます。
メモリ市場では、力強い需要持続と在庫水準の正常化を伴った集約化の進展により、DRAM価格の顕著な回復がみられました。今後のDRAM価格の持続的改善には、特 に法人のPC更新需要やインフラ投資、一台あたりのメガビット需要のさらなる増加など、需要の下支え材料が不可欠です。DRAMメーカーの集約化はまだ続くと思われます。
携帯電話市場では最近の緩やかな回復が今後も続くとみられ、主に次世代GSM/GPRSの導入によって、携帯電話機の世界市場は2002年には緩慢ながら成長すると、インフィニオンは予想しています。
セキュリティ&チップカードICでは、在庫水準の正常化に伴う需要増が見込まれます。長期的にはアクセス管理、バンキング、信用サービス、保健、公共輸送などでの先進的なセキュリティ・ソ リューションの導入がけん引役となるでしょう。
一方、通信インフラ市場では厳しさが続くと予想されますが、規制緩和やDSLの普及(特に欧州とアジア)により、ブロードバンド・ア クセス市場は2002年には緩やかな成長をみせるものと期待されます。
自動車および産業グループでは、カーエレクトロニクスの進展という好材料はあるものの、2002年には欧州の自動車生産減速で成長力が鈍ると思われます。半面、テレマティックスや情報娯楽、自 動車の便利さや安全性の向上への強い需要といったプラス傾向が指摘されます。
備考
上記は、発表原文からの抜粋日本語訳です。財務諸表を含むプレスリリースの全文(英語版PDFファイル)は次のURLからダウンロードしていただけます:
http://www.infineon.com/news/press/204_072e.htm
Information Number
INFXX200204.072e