インフィニオンが業界最高密度の1U低背型レジスタ付き1GBメモリモジュールを発表
独インフィニオンテクノロジーズは、1Gバイトのレジスタ付きDDR333-SDRAM-DIMM(デュアル・インライン・メモリ・モジュール)の評価用サンプルの出荷を開始したと発表しました。新 型DIMMは、非常にコンパクトなFBGA(微細ピッチ・ボール・グリッド・アレイ)パッケージに格納された36個の256Mビット・メモリチップを使用しています。コ ンピュータサーバやワークステーション用として業界最高の密度を持つメモリモジュールです。FBGAパッケージは、現在広く用いられているTSOP-II(薄型スモール・アウトライン・パッケージ、第2世代)な いしスタック型TSOP-IIよりも優れたコンパクト・ソリューションで、ボードスペースは約60%低減されます。
企業の情報処理や通信用途にラックマウント型ないしブレード型サーバの人気が高まっており、それが低背型DIMM(外形1U、高さ1.2インチ)の需要を押し上げています。こうした超高密度・高 性能サーバにとっては、小型で低消費電力の高密度メモリが非常に重要です。インフィニオンはDIMMソリューションの製品化にあたりJEDEC(米国電子部品標準化団体)標 準に準拠したFBGAパッケージを採用しています。
インフィニオンのハラルド・エガース(メモリ製品グループ上席副社長兼ゼネラルマネージャ)は、「この新しい高速・高密度DDR333-DIMMは特に、速度、密 度および信頼性を最重視する有力コンピュータ企業の要望を満たすために開発されました。モジュールに対する当初の顧客からの反響およびシステムレベル試験の結果は非常によく、こ の先進デザインが市場標準として確立されることを目指してJEDECへの導入を進めています」と、語りました。
コンパクトな高密度メモリ・システムへ向けた低背化(1U)の要求を満たすうえで、FBGAパッケージの採用は、レジスタ付き1GバイトDDR333-DIMMを実現する唯一の手段です。こ のタイプのパッケージは、ここ数年、グラフィックスメモリ・アプリケーションに採用され、大きな成功を収めています。汎用DRAMでも高速化と広帯域化が進んでいるだけに、F BGAパッケージのデバイスをベースにしたインフィニオンのサーバ用DIMMの開発は、FBGA技術を高速メモリ用パッケージとして定着させるための新たなステップとなります。
メモリデバイスのFBGAへの格納により、所要ボードスペースはTSOPパッケージに比べて約60%低減されます(TSOPの262平方mmに対し96平方mm)。加えて、パ ッケージ自体に起因するデータ・ピンの電気的寄生成分は約50%低減されます。すなわち、誘導負荷で3.00nH(TSOPは5.73nH)、容量負荷で0.32pF(同0.79pF)、抵抗負荷で0.12Ω( 同0.23Ω)に抑えられます。寄生成分の絶対値が下がるだけでなく、トレランスをより高水準に維持できます。
こうした電気特性の良さが信号の完全性を向上させ、DDR-333 システム(333MHz)で要求されるタイミング余裕度への対応が容易になります。寄生成分の低減はまた、低 電力での高速信号伝送を可能にします。その結果、消費電力とメモリシステムによる発熱が低減されます。
新しい184ピンのレジスタ付き1GバイトDDR333低背型DIMMは、2つのメモリバンクを持ち、全体構成は128Mバイト×72です。電源電圧は2.5V、信号電圧は1.25Vです。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
Information Number
INFMP200206.112e
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Infineon Technologies presents 1GByte DDR333 Registred Reduced Height Memory Based on FBGA Chip PackagesPress Picture
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