インフィニオンのEthernet over VDSLチップセットを韓国のテルソン社が採用

2002/07/02 | マーケットニュース

先進通信システム用ICの先導プロバイダである独インフィニオンテクノロジーズは、有線および無線通信技術のグローバル・プロバイダである韓国テルソン・インフォメーション・アンド・コ ミュニケーション社が、同社のIP VDSLスイッチ「XV3000」(DSLAM)および「XV1000」(モデム)に、インフィニオンのQAM 方式Ethernet over VDSLチップセット「 Octal-10BaseS」の採用を決めたと発表しました。テルソン社のVDSLプラットフォームは、韓国の全国的なMTU/MDU(集合店舗/集合住宅)計画の一環として利用される予定です。

テルソン社のチ・イル・キム(Chi-Il-Kim)社長兼最高経営責任者(CEO)は、「韓国の通信事業者の厳格な要求に応えられる強力なソリューションを開発するために、当 社は非常に過酷な条件下でも十分に機能する、フィールド試験で立証済みの安定した技術を必要としていました。チップ・ソリューションにはさらに、高いポート密度を提供し、ビ デオや双方向ゲームなどの多様なリアルタイム・オンラインサービスと、単純な在来の通話サービスをサポートすることが求められました。VDSLおよびEthernet over VDSL技術で4年以上におよぶ経験を蓄積しているインフィニオンだけが、当社の要求をすべて満たすことができました」と、説明しました。

インフィニオンの高集積「Octal-10BaseS」は、8ポートEthernet over VDSLチップセットです。「Octal-10BaseS」は、高 密度EthernetスイッチやIP-DSLAM(DSLアクセス多重装置)などのビルや構内のブロードバンド通信システムにEthernetの伝送距離を延ばすために用いられます。先進的な「 Octal-10BaseS」技術は、最大距離1,500mの1対の銅線上で対称モード全二重10MbpsのEthernetサービスを可能にし、CAT-5ケーブルを使用した場合に比べて低コストで済みます。イ ンフィニオンの「10BaseS」技術を採用したシステムでは、サービス・プロバイダは自社のIPサービスを、E thernetサービスを要求してもこれまでその要望がかなえられなかった顧客に適用できるようになります。

インフィニオン・コリアのチェ・ジョン・ウォク(カントリ・マネージャ)は、「テルソン社とインフィニオンは、性能、コ ストおよび市場到達時間に関して最高のソリューションを提供するために緊密に連携しています。インフィニオンのチップセットの持ち味であるプラグ・アンド・プレイの特長を活かせば、複雑な設計が簡素化され、そ の結果設計時間が短縮し、総システムコストの低減につながります。インフィニオンのQAM方式Ethernet over VDSL技術10BaseSがすでに何十万回線もの設置実績があり、世 界の主要なシステム・プロバイダが選ぶ技術になっているのは不思議ではありません」と、述べました。

「10BaseS」について
「10BaseS」は、高集積で低消費電力のQAM(直交振幅変調)方式Ethernet over VDSL技術です。対称モードでは、Ethernetのスループットは全二重10Mbpsで、伝 送距離は1,500mです。回線速度は伝送距離に応じて、最高15.6 Mbpsまで設定できます。非対称で最高25Mbpsまでをサポートする特殊な使い方も可能です。「10BaseS」は Ethernetフレームをトランスペアレントに転送する能力を持ち、PHY(物理層)ないしMAC(メディア・アクセス・コントローラ)の機能をカバーするプラグ・アンド・プレイ技術です。他 のEthernetソリューションとは異なり、「10BaseS」ではコストのかかるCat-5ケーブルが不要です。既設の電話線を利用して、同じツイストペア線上で在来電話サービス(POTS)ま たはデジタル電話サービス(ISDN)を同時にサポートします。

8ポート版「Octal 10BaseS」は、CPU、クロック、AGC(自動利得制御)、メモリなどを搭載した高集積システム・ビルディング・ブロックです。R MIIおよびSMIIインターフェイスに直結できるので、設計の複雑さ、コスト、および市場到達時間などが低減されます。スイッチやDSLAMにおいて、標準Ethernet PHYチップと置き換えることにより、そのまま利用できます。1ポート版「10BaseS」チップセットも同じインターフェイスを備えています。1ポート版は、顧客構内装置(モデム)においてEthernet PHYデバイスをスタンドアロン制御するためのMACコントローラとしても使用できます。

テルソン社について
1985年創業の韓国のテルソン社(Telson Information & Communication, Co. Ltd、本社:ソウル)は、CDMA、VDSLやネットワーク・デ バイス向けITソリューションのリーディング・プロバイダです。テルソンはVDSL市場を先導し、韓国と香港での落札後、世界で初めてVDSL商用化を実現した実績があります。年 商7,700万米ドルの目標を掲げており、価格と性能面でベストのソリューションを提供してリーダーシップを維持しています。テルソンは韓国ゴールデン・タワー賞(名誉ある大統領賞)を受賞した企業です。
ウェブサイト: http://www.telsonic.co.kr

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFCOM200206.111e