インフィニオンが携帯機器向けの256Mビット版「モバイルRAM」を量産開始
独インフィニオンテクノロジーズは、低消費電力DRAMファミリを拡充し、256Mビット版「モバイルRAM」(Mobile-RAM)の量産を開始したと発表しました。このメモリデバイスは、 チップサイズのFBGA(微細ピッチ・ボール・グリッド・アレイ)およびTSOP(薄型スモール・アウトライン・パッケージ)に格納して供給されます。
インフィニオンの「モバイルRAM」は、標準SDRAMや単純な低電圧動作の低電力DRAMと比べて、実装面積が50%小さく、消費電力も低く抑えられているので、携帯電子機器用として理想的です。ス タンバイ時の消費電力は、在来のDRAMの半分以下です。今回の量産開始で、「モバイルRAM」は128Mビット版と256Mビット版がそろいました。これらのデバイスは、PDA(携帯情報端末)、ス マートフォン、ウェブパッド、テジタルカメラなどのメインメモリ用として設計されています。
在来のSDRAMが3.3Vで動作するのに対し、「モバイルRAM」はコア電圧が2.5V、I/O部分が1.8V(または2.5V)です。さらにパワーマネジメントとして、TCSR( 温度補償セルフリフレッシュ)とPASR(パーシャル・アレイ・セルフリフレッシュ)の機能も備えるため、さらに著しい節電効果が得られます。PASRは、セルフリフレッシュ動作を、デ ータを含んだメモリ領域だけに限定する機能です。TCSRは、デバイスの温度に合わせてリフレッシュ速度を調整する機能で、温度が低いほどリフレッシュ速度を遅くして節電効果を高めます。
「モバイルRAM」は、8mm×12mmのFBGAチップ・サイズ・パッケージ(CSP)を使用した場合、標準TSOPパッケージのDRAMと比べて、実装面積は半分以下におさまります。「 モバイルRAM」用のFBGAは、インフィニオンが所有するワイヤボンディング技術BOC(Board-on-Chip)をベースとしています。BOCは、リードフレーム用ボンディング技術の経済性と、C SPの省スペース性を兼備しています。
インフィニオンのエルンスト・シュトラッサー(グラフィックス用および専用DRAMマーケティング・ディレクタ)は、「この新しい256Mビット・デ バイスは当社モバイルRAMロードマップの第2弾にあたる製品です。ロードマップではまもなく512Mビット世代も投入される計画になっています。モバイルRAMは、情 報通信システム市場における専用DRAMの需要増大に対応した製品提供を目指す当社の戦略に沿った代表製品のひとつです」と、語りました。
インフィニオンは最近、「CellularRAM」に関する米マイクロンテクノロジー社との共同開発計画を発表しました。この専用DRAMは、イ ンフィニオンのワイヤレス向けメモリ製品ラインナップを補完するものです。「CellularRAM」は次世代携帯電話用のSRAMにとって代わることを目標としており、大きな記憶容量、広い帯域幅、優 れた電力効率、魅力的なビットあたりコストを提供します。
「モバイルRAM」の最大のターゲット市場であるPDAの世界市場規模は、市場調査会社のインターナショナル・データによれば、2002年は約1,600万台で、年間約36%で成長し、2 005年に5,300万台に達する見通しです。
インフィニオンは、携帯機器メーカーへの256Mビット「モバイルRAM」の供給を2002年の第2四半期に開始しました。「モバイルRAM」の詳細については以下のURLをご参照ください:
http://www.infineon.com/mobile-ram
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
Information Number
INFMP200208.130 e
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Infineon Technologies Announces Volume Production of 256Mbit Mobile-RAMPress Picture
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