インフィニオンとアクテルが0.13μmフラッシュFPGAの開発で提携

2002/08/08 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズと米アクテル社は、0.13μmプロセス技術による生産に対応したフラッシュFPGA(フィールド・プログマブル・ゲート・アレイ)ソ リューションの開発で提携したと発表しました。アクテルのフラッシュ技術をベースとした「ProASIC」FPGAファミリと、インフィニオンのプロセス技術および生産ノウハウを結集して、現 行および新規のASIC代替市場におけるフラッシュFPGA技術の用途拡大をはかります。対象となる市場として、スマートカード、自動車、工業制御、移動通信などがあげられます。

両社は1997年にフラッシュ型メモリのプロセス開発および製造に関して提携していますが、今回の契約はその関係を拡大するものです。新契約に基づき、アクテルは、高 性能フラッシュFPGA製品をインフィニオンの0.13μmエンベデット・フラッシュ生産プロセス技術で生産するために所定の製造キャパシティを使用することができます。また、インフィニオンは、チ ップカードICなどのアプリケーションの次世代製品に、アクテルのフラッシュ技術をベースとしたFPGAアーキテクチャを活用できるようになります。

アクテルのエスマット・ハムディ上席副社長(技術および執行担当)は、「昨年は年間を通じて、当社のフラッシュ・ベース FPGA製品であるProASICとProASIC Plusの採用が急増しました。今回の契約により、アクテルのフラッシュ・アーキテクチャとインフィニオンのワールドクラスのフラッシュ生産プロセス技術が強力に結びつき、次 世代ASIC代替アプリケーションの開発をめざす顧客のニーズを満たすことのできる、先進的なリプログラマブル・ソリューションが生まれるでしょう。さらに、当社の顧客は大幅に微細化したフラッシュ・ベ ースのソリューションを利用できるようになります。フラッシュ・ベース FPGAは人気が高く、採用が増加の一途にありますが、これによって顧客のニーズに持続的に応えていくことができます」と、語りました。

インフィニオンのヘルマン・オイル(セキュリティ&チップカードICグループ最高経営責任者)は、「チップカード市場におけるインフィニオンの先導的地位は、顧 客企業に対して技術革新と費用効果の面で業界最先端を提供できる実力を基盤としています。両社の技術ロードマップの目標は非常に相乗的なので、定 評あるFPGAサプライヤであるアクテルとの提携拡大に興奮をおぼえます。スマートカードICをテコ入れする不揮発性のフラッシュ・ベースFPGAは、ス マートカードのセキュリティ保護に新しい道を切り拓くことになるでしょう。この技術を使えば、どのカードにもユニークなチップを内蔵することが可能になります」と、語りました。

チップカードへの適用においては、プロセス技術を0.13μmへ微細化することにより、対称および非対称セキュリティ・アルゴリズムの処理速度を50%アップできます。また、プ ロセス技術の微細化によって、チップサイズを、今日の標準的なチップカードICの面積の約3分の1に小型化できます。さらに、フラッシュ・プログラミング機能を付加することで、こ れまで成しえなかったセキュリティ・レベルを実現できるようになります。

アクテルのProASIC ソリューションについて
アクテルの「ProASIC」ファミリは、「ProASIC 500K」と「ProASIC Plus」の両ソリューションで構成され、シ ステムゲート数7万5,000から100万のサイズをカバーしています。ASICライクな微細構造アーキテクチャと不揮発性フラッシュ型メモリを組み合わせた「ProASIC」は、強 力なASIC代替ソリューションを提供します。このデバイスは電源投入後に即時動作し、ASICの場合のような別途のコンフィギュレーション・メモリは不要です。さらに、アクテルの「ProASIC」デバイスは、 SRAMベースFPGAおよび在来のASICソリューションをともに凌ぐ設計セキュリティ・レベルを提供します。「ProASIC」のアーキテクチャおよび設計手法は、既 存のFPGAおよびASICツールのフローをサポートしているので、市場投入までの期間を短縮できます。また、設計者は、FPGAとASICの両ソリューション間の移行をたやすく行えます。

インフィニオンのエンベデット・フラッシュ技術について
インフィニオンが開発した0.13μmエンデベット・フラッシュ技術は、同社のフラッシュ生産プロセス技術開発の第3世代に相当します。インフィニオンがフラッシュの事業に着手したのは1994年で、 当時、自動車アプリケーション専用に、構造幅0.7μmのエンデベット・フラッシュ生産プロセス技術を開発しました。2000年には、自社の0.25μmエンベデッド・フ ラッシュ技術を適用した製品の生産を開始しました。インフィニオンはさらに、EEPROMの開発と生産に関しても10年を超える経験を蓄積しています。

アクテルについて
アクテル(Actel Corporation)は革新的なプログラマブル・ロジック・ソリューションのサプライヤです。アンチヒューズとフラッシュ技術をベースとしたFPGA、高性能IPコア、ソ フトウェアの開発ツールおよびデザインサービスを、高速通信、ASICのリプレースメント、耐放射線機器などの市場をターゲットに提供しています。アクテルは1985年に設立され、米 国カリフォルニア州サニーベールに本社を置いています。全世界の従業員数は約500人です。アクテルは、ナスダック市場に上場しています。
ウェブサイト:
http://www.actel.com

備考:
ProASIC、ProASIC Plusおよびアクテルの社名とロゴはアクテル・コーポレーションの登録商標です。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFCC200208.128e