サイプレスがインフィニオンおよびマイクロンと「CellularRAM」の共同開発で合意

2002/09/16 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、米サイプレスセミコンダクタ社が、インフィニオンおよびマイクロンテクノロジーズ両社との間で、携帯電話向けの低消費電力PSRAM(擬似スタティックRAM)の 新しいマルチ世代ファミリである「CellularRAM」メモリの仕様開発で協力する共同開発契約を締結したと発表しました。

「CellularRAM」メモリは、将来の2.5Gおよび3G 携帯電話の設計に向けて高まるメモリの容量と帯域幅の需要に応える設計となっています。「CellularRAM」は、現 行ソリューションよりも低いビット単価を可能にするほか、SRAMピンとの互換性、外部リフレッシュ不要な動作、低消費電力設計などを特長とし、現 在の携帯電話の設計で用いられている非同期型の低消費電力SRAMをそのまま置き換えることができます。

今回の共同開発の目的は、「CellularRAM」の共同開発仕様を基にして、ピンおよび機能の互換性を持つマルチソース製品を顧客企業に提供することにあります。各企業は、自 らの設計およびプロセス技術を用いて、その製品を設計・製造できるようになります。

サイプレスのマリオ・マルチネス(メモリ製品事業部戦略ディレクタ)は、「当社は、CellularRAMの仕様開発の一員として、メモリ業界のリーダーであるインフィニオン、マ イクロン両社の共同開発に正式に参加できることを非常に嬉しく思います。CellularRAMメモリは、無線携帯機器の設計者にとって、標準SRAMインターフェイスを用いながら、D RAMセルの持つあらゆる利点(費用効果の改善、高密度、低消費電力など)を活かせるメリットを持っています」と、語りました。

マイクロンのマリオ・ファジオ(ワイヤレス製品戦略マーケティング・ディレクタ)は、「CellularRAMメモリは、次 世代無線アプリケーション用の高性能メモリを設計するための費用効果の高いソリューションを設計者に提供します。携帯電話用メモリの市場で大きな存在感を持つサイプレスの参加は、C ellularRAMの共同開発とマーケティングの一層の強化につながります」と、語りました。

インフィニオンのエルンスト・シュトラッサ(グラフィックス用および専用DRAMマーケティング・ディレクタ)は、「共同開発契約にサイプレスが加わったことに興奮をおぼえます。こ れで業界向けの第三のソースが生まれることになり、加えて、この度の協力が、2.5Gおよび3G 携帯機器用の卓越したソリューションを求める次世代無線機器を手がけるすべての顧客企業にとって、有 益となるものと確信します」と、語りました。

「CellularRAM」メモリは、1トランジスタ(1T)型のDRAMセルをベースとしているので、伝 統的なSRAMや6T型SRAMセルに対して技術とDRAMセルサイズ縮小の面で大きな優位性を持っています。「CellularRAM」製品は最大クロック速度108MHzで動作し、初期レーテンシが60ns、 最大バンド幅216Mバイト/秒(1.6Gbps)を達成します。また、「Intel W18」および 「Micron Flash Burst」と 互換性を持つプロトコルを数種のI/O電圧オプションでエミュレートするための、バースト・リード/ライト・モード機能も備えています。

インフィニオンとマイクロンは、今後12カ月以内にいくつかの「CellularRAM」デバイスを製品化する計画です。その第一弾となる32Mビット版(構成2M×16ビット)が 2002年末に投入され、その後まもなく16Mビット版(1M×16ビット)と64 Mビット版(4M×16ビット)が相次いで供給される予定です。その次の世代となる128Mビット版は、2 003年下半期にサンプル出荷を開始することを目標にしています。

サイプレスについて
サイプレスセミコンダクタ社(Cypress Semiconductor Corporation)は、パーソナル、ネットワークアクセス、エンタープライズ、メトロスイッチ、 コア通信システムなどのアプリケーションに対する高性能ソリューションによって、「Connecting from Last Mile to First Mile」( 地球上のあらゆるものをネットワークで結ぶ)を推進しています。「Cypress Connects」は、Bluetooth、USB、Fibre Channel、SONET/SDH、Gigabit Ethernet、DWDMをはじめとする、幅広いワイヤレス、ワイヤライン、デジタル、光伝送の工業規格をサポートしています。サイプレスは、高帯域幅メモリ、タイミング技術ソリューション、プログラマブル・マ イクロコントローラの広範な製品ラインに加えて、そのプロセスレベルおよびシステムレベルの専門技術を活かして業界最先端の物理層デバイス、フレーマ、ネットワーク検索エンジンなどの開発も行っています。

ウェブサイト:
http://www.cypress.com

マイクロンについて

マイクロンテクノロジーとその子会社は、DRAM、超高速SRAM、フラッシュメモリなどの半導体部品やメモリ・モジュールを製造販売しています。

ウェブサイト:
http://www.micron.com 

備考:
「CellularRAM」は、米国においてはマイクロンテクノロジー、米国以外の国ではインフィニオンテクノロジーズの商標です。「Cypress」とCypressロゴは、サ イプレスセミコンダクタ社の登録商標であり、「Connectivity from Last Mile to First Mile」と「Cypress Connects」は同社の商標です。そ の他の商標はすべて、それぞれの所有企業に属します。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFMP200209.139e