インフィニオンとアギアが高速無線LANソリューションの開発で提携

2002/10/15 | マーケットニュース

アギア・システムズと独インフィニオンテクノロジーズは、次世代無線ネットワーキング・ソリューションを提供するため、8 02.11標準に基づく高性能チップを共同開発することで広範な提携を結んだと発表しました。この技術は、現行の無線ネットワークの20倍の帯域幅を提供し、最 大54Mbpsのデータ速度で業務用ソリューションや、マルチメディア娯楽およびホーム・アプリケーションをサポートします。アギアとインフィニオンの提携内容には、IP(設計資産)の ライセンス供与と相互供給の協定が含まれています。次世代無線LAN製品の販売は、両社がそれぞれ独立に行います。

このソリューションは、通信機器およびコンピュータ機器メーカーをターゲットとしており、企業および家庭のユーザに電子メールやインターネットへの柔軟なアクセスを提供するために、高 いデータ速度を持った無線LANシステムへのニーズが高まっている状況に対応します。アギアとインフィニオンは、それぞれの強みを生かしたソリューションの開発により、無線LANの普及を推進します。

工業アナリスト会社IDCによると、無線LANチップ市場全体の規模は2001年の3億3,100万米ドルから2006年までに12億米ドルへと、年 率30パーセント近い成長をとげると予想されています。現行のアプリケーションは802.11b技術(11Mbps)によってサポートされていますが、新しいサービスの登場とエンドユーザ数の増加に伴って、企 業ネットワークが必要とする帯域幅は大幅に増大しています。市場は、2.4 GHzと5.2 GHzの両方の周波数で動作する、802.11a、bおよびg技術を融合したマルチモード・ソ リューションへと移行する傾向を強めています。IDCによれば、マルチモード・ソリューションは2006年までに無線LANチップ市場全体の57パーセントを占めるようになると予測されています。

IDCの工業アナリスト、ケン・フラー氏は、「今回の提携は、無線技術のリーダーである両社が、802.11 無線LAN市場の拡大と進化を加速させるために共同で取り組むという決意を表明したものです。結局のところ、定評のあるチップ・ベンダでも、完結したソリューションを市場へ投入するには、リ ソース面での協業を必要とするということでしょう」と、述べました。

協定に基づいて、アギアとインフィニオンは、リファレンス・デザインを共同開発し、供給およびサポートする予定です。これには、ネットワーク機器、民生用電子機器、P Cなどのメーカーが無線ネットワーキング対応能力を持った最終製品を提供するために必要な、すべてのデバイスが含まれます。

インフィニオンの無線通信グループ最高経営責任者ウルリッヒ・ハマンは、「インフィニオンとアギアは、無線LAN業界で申し分ない主導権を確立するために、クラス最高のRF技術とシステム・レ ベルのノウハウを結集して、先進的な無線LANソリューションを共同で構築します」と、語りました。

アギア・システムズのクライアント・システムズ・グループ取締役副社長ロン・ブラックは、「われわれが共同開発するリファレンス・デザインによってメーカーは、今 日の802.11b製品と同等ないしそれ以下のコストで、高速無線ソリューションを提供できるようになります。システムコストを低減させつつ性能向上をはかることは、高 速無線ネットワーキングの市場発展を加速させるためのキーポイントです」と、語りました。

ソリューション共同開発のために、アギアは、ソフトウェア・ドライバ付きのマルチモード・メディア・アクセス・コントローラ(MAC)を提供します。一方、インフィニオンは先進的なデュアル・バ ンド無線技術と広帯域パワーアンプチップを提供します。アギアとインフィニオンは、双方のIPと経験を組み合わせて、リファレンス・デザイン用のPHY(物理層)デバイスを共同開発します。協定に基づいて、イ ンフィニオンとアギアは、共同で使用する特許と技術のライセンス交換を行います。アギアとインフィニオンは、高い競争力のあるソリューションだけでなく、ソ ーシングに関するセキュリティと柔軟性も市場に提供します。両社は2003年第2四半期までに顧客企業へのサンプル出荷を開始する予定です。

アギア・システムズについて
アギア・システムズは、ネットワーク情報へのアクセスやネットワーク情報の移動・記憶を行う最先端の集積回路(IC)ソリューションの最大手プロバイダです。アギアのICソリューションは、各 種の通信機器やコンピュータにおいて幅広く用いられています。アギアは、リードチャネル、プリアンプやシステムLSIソリューション(SoC)を用いたハードディスク・ド ライブ向けの記憶装置ソリューション分野における業界リーダーです。また、無線LANアプリケーション用Wi-Fiソリューションの分野で、業界第2位を占めています。さらに、ネ ットワーク機器プロバイダに対しては、有線通信、ネットワーク・スイッチング、アクセス、ATM、SONET/SDHソリューションの最大手サプライヤであるほか、通信用の特定用途向け集積回路(ASIC)分 野においては業界第2位のサプライヤです。

アギア・システムズについて詳しくは、
http://www.agere.co.jp/をご覧ください。


アギアのセーフハーバーステートメント
このリリースには、発表日時点でアギア・システムズが入手している情報を基にした、将来を見越したリスクや不確実性を伴う記述が含まれていることがあります。アギア・システムズの実績は、リ スクや不確実性により、かかる将来を見越した記述により示されまたは暗示される結果と著しく異なることがあります。

これらのリスクや不確実性には、当社製品およびサービスに対するお客様の需要、コストや経費の管理、人員削減や他の再編・統合活動の時宜を得た完了、価格や製品における競争、技術の変化への対応、新 製品開発への依存度、主要取引先やサプライヤへの依存、生産能力の余力、コンポーネントや資材、一般的な業界や市場の状況と成長率、利率や為替レートの変動を含む一般的な国内および国際経済状況が含まれますが、こ れらに限定されるものではありません。

これらの情報、その他リスクや不確実性に関するより詳細な内容についてはアギア・システムズの2001年度(2001年9月30日に終了)年次報告書(Form 10-K)およびForm 10-Q( 2002年6月30日に終了)の報告書をご参照ください。アギア・システムズは、いかなる新しい情報、出来事、そ の他の要因があろうとも将来への見通しに関する記述の変更または更新を行う義務や意向を有するものではありません。

インフィニオンのディスクレーマー
当リリースには、インフィニオンの今後のビジネスに関する展望的見解が含まれています。そうした展望的見解に該当するものには、世界の半導体市場(特にメモリ製品市場)の動向、イ ンフィニオンの成長性、研究開発提携や研究開発活動のメリット、生産能力の拡大と刷新のための当社の今後の投資水準、当社工場での新技術の導入、当社生産プロセスのより微細な構造への転換、そ うした転換や他のイニシアティブ(率先行動)に伴う経費削減、業界標準に基づく当社の技術開発の成功、当社が自社技術に基づいて商業性のある製品を提供できる能力、当 社の経費削減と成長の目標を達成できる能力などがあります。そうした展望的見解は多くの不確実な要因によって左右されますが、そうした要因には、半導体全般、とりわけ当社製品の需要および価格動向をはじめ、当 社自身ないし他社との提携による開発努力の成功、当社生産施設における新しい生産プロセス導入の成功、競合他社の行動、拡張計画を遂行するための資金調達、および当文中で述べられたその他の要因があげられます。し たがって、当社における実際の結果は、当文中で記載された内容とは実質的に異なることがありえます。

「Infineon」および「Infineon Technologies」の意匠はともにInfineon Technologies AGの登録商標およびサービスマークです。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFWS200210.004e