インフィニオンが移動通信プラットフォームにソニム社のボイス・メッセージング技術を導入
独インフィニオンテクノロジーズは、同社の総合無線システムソリューションの構成要素である「APOXI」プラットフォーム(フレームワークおよび開発環境)に、米ソニムテクノロジーズの「Instant Communications Platform」の採用を決めたと発表しました。ソニムの「Instant Communications Platform」は、通信事業者が無線データ・ネットワーク上で、P ush-To-Talkなどのほぼリアルタイムな即時ボイス・メッセージング・サービスを展開することを初めて可能にするものです。
Push-To-Talkは、無線ユーザが無線機器のボタン操作によって、1人ないし複数の相手と交信できる新しい通信手段です。Push-To-Talk対応型の無線機器を使えば、ユーザは、I CQやヤフーのようなテキスト即時メッセージング・サービスと同様、アドレス帳で相手になれる連絡先や友人仲間を調べることができます。これに基づいてユーザは、単にボタンを押すだけで、無 線トーキーやチャットルームのような方式でPush-To-Talk対話をスタートできます。さらに、ダイレクト・メッセージング・サービスを利用すれば、ユ ーザは無線機器の連絡先リストから1人ないし複数の相手を選んで、任意の長さの音声メッセージを作り、ボタンを押してそれを相手に送信できます。ユーザがダイレクト・メッセージングの受け手となる場合は、新 しい音声メッセージの着信合図があり、すぐにそのメッセージを拾えます。
インフィニオンのカール・ランゲ(カスタマイズド・ワイヤレス・ソリューション事業ユニット担当副社長兼ゼネラルマネージャ)は、「 当社のAPOXIフレームワークにソニムのソリューションを付与することは、魅力的なソリューションを顧客企業に提供する当社の戦略上、新しい重要な一里塚となります。イ ンフィニオンが提供する無線設計メニューをもとに、無線通信機器メーカーや移動通信事業者は、その種の“キラー・アプリケーション”を迅速に市場投入できる大きな利点が得られ、他社との差別化をはかり、新 たな収入源を生み出せます。極めて重要な点は、このソリューションの最初のプロバイダとして、インフィニオンが競争の激しいGPRSソリューション市場で明白なアドバンテージを確保できることです」と、語 りました。
また、ソニムテクノロジーズのジョン・バーンズ最高経営責任者(CEO)兼社長は、「インフィニオンテクノロジーズのような市場リーダーと提携できて大変うれしく思っています。インフィニオンは、顧 客企業が高価値アプリケーションを作り出せるようにするための、思考のリーダーの立場を実証してきました。無線業界は新しいサービスが成功するための鍵は相互運用性の確保にあると認識しており、イ ンフィニオンのようなリーダー的ベンダとの協力は、ソニムのInstant Communicationsソリューションが広く受け入れられるための基礎となります」と、述べました。
インフィニオンとソニムは、「APOXI」とソニムの共同ソリューションを、ブランド機器メーカーとオリジナル機器メーカー(ODM)を対象とするインフィニオンの広範な顧客基盤向けに、マ ーケティングを共同展開します。ソニムの「Instant Communication Client」は、インフィニオンの「APOXI」プラットフォーム上で利用できると同時に、イ ンフィニオンの豊富なチップセットのサポートを受けられます。
ソニムのボブ・プラシュケ・マーケティング担当取締役副社長は、「ソニムのInstant Communication Clientにとって、APOXIはすばらしい開発フレームワークです。A POXIを利用して、当社はチップセットのコア機能をより一層引き出し、それにより、卓越したサービスの質を確保するとともに、消費電力を最小限に抑えることが可能になります」と、説明しました。
ソニムの「Instant Communications Platform」を利用すれば、無線通信事業者は、802.11方式、GPRS方式、3G方式の各ネットワークに対し、高 価値トラフィックの創出を目指して、IP/SIPプロトコルの威力をフルに発揮させるボイスおよびテキスト・アプリケーションを配信できるようになります。このプラットフォームはまた、I P対応の新しいCODEC技術をてこ入れします。新しいCODEC技術は、回線交換ネットワークで使用されるネットワーク資源のほんの一部分を活用するソリューションを可能にするものです。
「APOXI」は、移動通信アプリケーションの開発を迅速化・高度化するとともに、無線通信機器における新興アプリケーションの特殊な要求に対応することをめざして開発された、オ ブジェクト指向のフレームワークおよび開発環境です。「APOXI」フレームワークは、無線通信機器向けに幅広いアプリケーションに対応した総合ソリューションを提供するインフィニオンの戦略の一翼を担うもので、 クラス最高のプロトコル・スタックおよび高性能チップセットを補完します。「APOXI」は、インフィニオンの100%出資子会社コムネオンによって開発されました。
ソニムテクノロジーズについて
ソニムテクノロジーズ(Sonim Technologies)は、GPRS方式、3G方式、802.11方式の無線データ・ネットワークに最適化されたIPベース「Instant Communications」ソリューションのリーディングプロバイダです。公開世界標準に準拠したソニムのプラットフォームは、Push-To-Talkのような魅力的なメッセージングング・サ ービスの広範な提供を可能にします。無線通信事業者は、これらのソリューションを活用することにより、既存のデータ・ネットワーク・インフラを使用して、新しい収益源を創出することができます。ソ ニムはカリフォルニア州サンマテオに本社を置き、イタリア、英国、インドにセールス&エンジニアリング拠点を設けています。
ウェブサイト
http://www.sonimtech.com
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
Information Number
INFWS200210.008e