インフィニオンが中国のSMICとメモリチップのファウンドリ契約を締結

2002/12/09 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、中国のSMIC(中芯国際集成電路製造公司、本社:上海)との間で標準メモリチップ(DRAM)の生産提携契約を締結したと発表しました。契約条件に基づき、イ ンフィニオンは同社の0.14μm DRAMトレンチ技術をSMICに供与しますが、0.11μm技術の供与もオプションとして盛り込まれています。それに対しSMICは、こ れらの技術を使った製品をインフィニオン専用に生産します。

SMICは、上海にある既存の200mm工場にインフィニオンの0.14μm生産技術を導入します。製品の認定時期は2003年半ばを予定しており、S MICは256MビットDDRメモリチップの生産を開始します。DRAM市場の発展に合わせて、SMICは将来、より大容量のメモリを生産する計画です。SMICの工場が立ち上がれば、この提携を通じて、イ ンフィニオンの月間ウェハ投入量は2005年までに約2万枚増強されることになります。

この提携により、DRAM市場で世界第3位の半導体メーカーであるインフィニオンの立場は一段と強化され、成長する中国市場で先導的プロバイダとしての地位を確立します。市場調査会社ガートナー・デ ータクエストの予測によれば、中国の半導体市場は単独で、2002年の160 億米ドルから2006年には310 億米ドルの規模に成長するとみられています。

インフィニオンのハラルド・エッガース(メモリ製品グループ最高経営責任者(CEO)兼ゼネラルマネージャ)は、「今回、中国の半導体メーカーの技術リーダーと生産提携関係に入ることは、当 社の戦略プログラム「Agenda 5-to-1」を系統的に推進するものです。当社は、有望な中国市場で存在感を強めるとともに、アジア太平洋地域全般で主導的な市場地位を目指します。同時に、S MICとの提携は、自社で生産施設への投資を行わずにDRAM事業を発展させることを可能にします」と、語りました。

また、SMICのリチャード・チャン(Dr. Richard Chang)社長兼最高経営責任者(CEO)は、「当社は、インフィニオンがSMICを中国のファウンドリ・パ ートナーに選んだことを非常に嬉しく思います。半導体業界が生産のアウトソーシングに向かうすう勢にあるだけに、SMICの専用品質のファウンドリサービスは、W IN-WINビジネスと財務上の問題解決をもたらします」と、述べました。

SMICの生産能力が加われば、ドレステン(ドイツ)とリッチモンド(米国バージニア州)にあるインフィニオン工場、ウィンボンドが運営する台湾工場、さらに最近発表された南亜(台湾)と の合弁生産施設などで構成される、国際的な同社のDRAMチップ工場群の生産増強につながります。インフィニオンの各メモリ工場をグローバルに統合することにより、世界のどの拠点でも高 度で均質な品質基準が確保されるとともに、ノウハウや経験の定常的な交換が実現されます。

SMICについて

SMIC(中芯国際集成電路製造公司、Semiconductor Manufacturing International Corporation)は、中 国で最初の先進ICファウンドリ専業メーカーで、0.25μmおよびそれより下位のプロセス技術を用いて、8インチ・ウェハによるチップの量産を達成しています。同社は顧客企業に、設計サービス、マスク製造、ウ ェハ・ファブリケーション、検査業務など、フルレンジのサービスを提供しています。
ウェブサイト:
http://www.smics.com

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFXX200212.026e