インフィニオンテクノロジーズが携帯機器向けに低電力の新型DRAMを発表

2001/02/12 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは本日、高成長する携帯機器市場向けに、新型のDRAM製品系列を発表しました。この「モバイルRAM」ファミリは、電池駆動の携帯機器用途で必要な3つの重要な特性( 低消費電力が非常に低い、形状が小型、ビット単価が安い)を併せ持っています。

「モバイルRAM」は、チップサイズパッケージBGA(Ball Grid Array)に実装された低電力のSDRAMです。最初に供給されるのは、記憶容量128Mビットの製品です。構 成は8M×16で、バス幅16ビットおよび32ビットの環境で使用できます。この製品は、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、パームサイズコンピュータなど、携帯機器の要求に適合します。

「モバイルRAM」の消費電力は、動作条件およびシステム設計に応じて、最大80%まで低減されます。消費電力の低減は、動作電圧およびI/O電圧の低減と、組 込みの各種パワーマネジメント機能によって達成されています。

標準のSDRAMが3.3Vで動作するのに対し、「モバイルRAM」では、メモリアレイが2.5V、I/O部分が1.8V(または2.5V)で動作します。パワーマネジメント機能には、自 己リフレッシュ速度の温度補償機能や、自己リフレッシュをDRAMの一部だけに限定するオプショナルな部分アレイ選択機能が含まれています。この2つの機能は、活 性モードおよび待機モードにおけるデバイス消費電力の低減に大きく寄与します。

「モバイルRAM」の形状は、チップサイズパッケージ(CSP)の採用により、標準TSOPパッケージに実装されたDRAMと比較して、3分の1以下に小型化されています。イ ンフィニオンはDRAMチップ寸法に関しても高い競争力を持っているので、CSPパッケージの128Mビットデバイスとして業界最小の製品が供給可能となりました。128ビットデバイスの場合、配線面積( Footprint)は8mm×9mmです。「モバイルRAM」に使用されているFBGA(Fine-pitch BGA)は、インフィニオンが所有するワイヤボンディング技術BOC( Board-on-Chip)をベースとしています。この技術は、リードフレーム用ボンディング技術の廉価性と、CSPの省スペース性を兼備しています。

インフィニオンは、業界のパートナーたちと共同で、「モバイルRAM」の低電力機能および54ボールFBGAパッケージのJEDEC標準化を働きかけています。JEDECで標準化されたなら、互 換性を持った多くのデバイスが供給されると期待されます。「モバイルRAM」は、代替供給源ができることによって、広範囲に大量使用されることが期待されます。

インフィニオンテクノロジーズのハインリッヒ・フロリアン(メモリ製品事業部・製品マーケティング部長)は、「今回の128Mビットデバイスは、モバイルRAMのロードマップにおける最初の製品です。 まもなく256Mビット製品が加わります。モバイルRAMは、需要の高まっている情報通信市場へ向けたインフィニオンの対応の一例にすぎません」と、語りました。インフィニオンは、モバイルRAMに加えて、エ ンベデッドDRAMソリューションも提供しています。さらに、強誘電体メモリ(FeRAM)や磁性メモリ(MRAM)のような不揮発性メモリ技術の開発も進めています。

「モバイルRAM」の最大のターゲットである携帯情報端末(PDA)の市場は、2000年には約1,000万台の規模でした。データクエスト社の予測では、年率約46%で成長し、2 004年には3,400万台に達します。現在のハイエンドPDAには64MバイトまでのDRAMが装備されています。しかし、ソフトウェアはますます洗練され、多 数のアプリケーションが速いペースで供給されているので、システムあたりのメモリ容量は、業界平均を上回る増大が望まれています。

「モバイルRAM」の最初のサンプル(容量128Mバイト、構成8M×16)は、2000年の第2四半期に供給開始の予定です。本年末に量産開始の見込みです。

インフィニオンのその他のDRAMデバイスおよびDRAMモジュールについての情報は次のURLをご参照ください:
http://www.infineon.com/products/memory


Information Number

INFMP200102.040