インフィニオンテクノロジーズがGPRS/EDGE携帯電話用ベースバンドICを発表

2001/02/20 | マーケットニュース

インフィニオンテクノロジーズは本日、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)対 応の携帯電話用として世界初の、シングルチップベースバンドIC「S-GOLD」を発表しました。このデバイスは、移動通信の第2世代から第3世代への進化を代表します。EDGE Class 12モデム、広 帯域AMR(Adaptive Multirate)ボイスコーデックに適した高忠実度ステレオボイスバンド、マルチメディアアプリケーション用のMP3などの先進機能を備えています。

インフィニオンテクノロジーズのギュンター・ワインベルガー(無線通信事業部シニアバイスプレシデント兼ゼネラルマネージャ)は、「S-GOLDは、データ能力が非常に限定された従来の音声電話から、 データとマルチメディアに対応した無線ターミナルへの移行の重要な一歩を提供します。このデバイスは、無線デバイスサプライヤとしてのインフィニオンの、業界に対する支援体制と、先 導的な地位をさらに強化するものです。このベースバンドソリューションを、当社の無線チップSMARTiと組み合わせることにより、部品点数を業界最小に抑えることができます」と、語りました。

IMS社(Index Management Service, July 2000)の予測では、世界の携帯電話加入者は2006年末までに約18億人になります。この加入者の50%以上は、2 .5Gないし3G技術と、モバイルマルティメディアサービス(カスタム化された情報娯楽、マルチメディアメッセージ、モバイルインターネット/イントラネットアクセス、モバイルコマースなど)を 利用すると考えられています。

「S-GOLD」は、GSM900/1800/1900MHz用の3バンドデバイスです。柔軟な3バンド対応であるため、エンドユーザに対して、世界のどのGSMネットワークへも、ア クセスを提供できます。このデバイスは、Class 12のEDGE/GPRSデータモデムを備え、GSMおよびEDGE変調信号の受信と送信を可能にします。業 界最高の集積度を持つこのシングルチップベースバンドICには、アナログ機能とデジタル機能(ミクストシグナル設計)、オンチップのSRAM、イ ンフィニオンの無線チップへのシームレスなインターフェイスなどが集積化されています。広範な接続インターフェイスを選択することにより、複雑なデータシステムやマルチメディアシステムを実現できます。

インフィニオンの無線チップ「SMARTi」と組み合わせることにより、完結したシステムアプローチが達成されます。この結果、携帯電話の高性能化、小型化、省電力化、低コスト化がはかれます。イ ンフィニオンはさらに、早期のコード開発とシステム評価を可能にするため、先進的なソフトウェアシミュレーションプラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、「S-GOLD」の高性能モデルです。 サードパーティが供給する標準のソフトウェアデバッガや各種ツールにリンクされています。製品化時間に対する今日の厳しい要求に対応して、シリコンに先行して製品開発を行うことを可能にします。

「S-GOLD」は、インフィニオンの32ビット統合プロセッサ「TriCore」のアーキテクチャをベースとしています。先進的な銅配線0.18μm-CMOSプロセス(実効0.13μm)で 生産されます。LFBGAパッケージの製品を2001年中頃に供給開始の予定です。

Information Number

INFWS200102.047