インフィニオンテクノロジーズがスイッチング電源パワーICの第2世代を発表

2001/06/19 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、スイッチング電源用マルチチップ・パワーICの第2世代「CoolSET-F2」ファミリをドイツで開催された「 PCIM 2001」(ニュルンベルク、2001年6月19‐21日)で発表しました。「CoolSET-F2」も、「CoolSET」の第1世代ファミリ製品と同様、インフィニオンテクノロジーズが開発した「 CoolMOS」技術によるパワーMOSFETを1個と、固定周波数パルス幅変調(PWM)方式の制御IC を1個、8ピンデュアル・インライン・プラスチック(DIP-8)パッケージに集積しています。ただし、 使用ピンは6本です。第2世代では、保護機能の強化と、待機時の低電力化を図りました。

「CoolSET-F2」ファミリは、軽量性と費用効率が重視される電源向けに設計したもので、最適化された効率と高い信頼性を提供します。応用分野としては、携 帯電話などの携帯機器用バッテリ充電器、オルガナイザやデジタルカメラのACアダプタ、プリンタやファックス、DVDプレーヤ、セットトップ・ボックスの電源、さらに、パ ソコンや洗濯機などに用いられる補助電源があります。

「CoolSET-F2」製品を採用することで、構成が単純で高信頼なスイッチング電源を設計できます。「CoolSET-F2」ファミリにより、出力10 Wクラスから47 Wクラス( 入力商用電源電圧範囲85 ~265 V)ないし60 Wクラス(同190 ~265 V)までの、総合的な保護機能を備えたスイッチング電源が実現できます。

「CoolMOS」パワーMOSFETのオン抵抗値は業界最小になっており、低消費電力で基板占有面積の小さい、最高効率の高性能スイッチング電源を実現可能です。発熱が少ないため、ス イッチング電源の設計には通常用いられるヒートシンクは不要で、放熱は回路基板上の銅配線部分の面積だけで十分です。

インフィニオンのラインハルト・プロス(自動車&産業グループ のヘッド)は「通常のパワーMOSFET技術によるデバイスと比較して、CoolMOS技術によるデバイスは、単 位面積あたりのオン抵抗を1/5に下げました。インフィニオンの目標は、今後とも、ヒートシンクを必要としないような、インテリジェント電力管理および電源ソリューションを提供していくことです」と語りました。

「CoolSET-F2」ファミリの製品として、ドレイン-ソース降伏電圧が650 Vの系列と800 Vの系列があります。出力電流系列は1 ~3 Aをカバーします。1 次側の電圧範囲は85~265 Vです。「CoolSET-F2」製品を採用することにより、パワーパックやACアダプタの効率(特に待機時の効率)に関する欧州共同体(EU)の 新しい電源ガイドラインに対応した製品を、短期間で市場投入することができます。

監視、保護、および節電対策
「CoolSET-F2」ファミリには、総合的な監視、保護、節電対策を盛り込んでいます。オーバシュート最小化機能を備えた電流モード制御、内部センサーによってMOSFET温度を検出し、空 乏層温度が限界になった場合にトリガ回路で遮断する温度遮断、さらに、不正確なトリガ電圧レベルによって「CoolMOS」出力段が破壊するのを防ぐ不足電圧ロックアウト機能(UVL)などを搭載しています。

外部シャント(分路)を設けられるようになっているので、設計面で大きな柔軟性があり、スイッチング電源の主要部品の仕様を正確に決められます。それにより、トランスおよび出力ダイオードの最適化( 小型化)をはかり、また、パワー半導体への負荷を低減することができます。また、ユーザが決めたソフトスタート機能により、スタートアップや自動再スタート時にはスムーズな電源投入ができ、ス イッチング電源の主要部品(MOSFET、出力ダイオードなど)の寿命が長くなります。「CoolMOS」出力段へのトリガ信号のパルス・デューティ比の拡張もできます。この機能は、不連続電流モード(DCM)で も連続電流モード(CCM)でも、適時用いることができます。「リーディング・エッジ・ブランキング」という機能も搭載しており、通常の場合はもちろん、たとえば出力側ショ-ト後の自動再スタートにおいても、「 CoolSET-F2」への安全な電源投入を保証しています。保護機能としてさらに、過電流保護(OCP)、開ループ保護(OCP)、過電圧保護(OVP)があり、すべて自動再スタートにも対応しています。集 積化により、より少ない外付け部品で、よりコンパクトなスイッチング電源設計、そして全システムの低コスト化が実現されます。

第2世代の「CoolSET-2」ではさらに、いわゆる「無負荷状態」すなわち出力0Wの待機時電力を、300 mW未満(出力40 W構成の場合)に低減しました。これは、出 力負荷が減るのにつれて、次第に周波数を下げることで達成されました。バースト・モードを使用すると、待機時電力をさらに低減できます。この省電力化コンセプト(周波数低減とバースト・モードの使用)は、追 加の接続ピンや外部配線なしに実現されました。

「CoolSET-F2」には、評価パッケージが用意されています。このパッケージには、応用資料、サンプル、データシート、デモボード、デモボード説明書、ExcelベースのPC計算ソフトウエア、 およびPSpiceモデルが含まれています。

「CoolSET-F2」ファミリの製品として、「ICE2A165」、「ICE2A265」、「ICE2A365」、「ICE2A280」の4タイプをサンプル出荷中です。例えば「 ICE2A365」は、1次側電圧85 ~265 V、最大出力47 Wの製品です。

インフィニオンについて


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INFAI200106.090e

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  • Infineon Technologies' new CoolSET F2 family: Power MOSFET and PWM Control IC on a single chip for easy and efficient SPS design up to 60 W.
    Infineon Technologies' new CoolSET F2 family: Power MOSFET and PWM Control IC on a single chip for easy and efficient SPS design up to 60 W.
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