インフィニオンテクノロジーズが暗号保護機能を備えたIDタグICを発表
半導体セキュリティ製品の世界的なリーダーである独インフィニオンテクノロジーズは本日、シカゴで開催中の展示会「Frontline Solutions Expo」で、セ キュリティ機能を強化したRFID(無線認識)製品を発表しました。新バージョンの投入で、インフィニオンとパートナー企業は、偽 造や不正アクセスに対して強力な保護機能を持つIDシステムを実現することが可能となります。
インフィニオンのIDタグIC「my-d」の新バージョンは、暗号機能を採用したのが特徴です。これを使えば、「スマートラベル」へ機密情報を記憶して保護できます。また、生 産中の製品にセキュリティをかけた情報を組み込むことも可能です。このセキュリティ機能を、個人ID分野では、カード所有者のアクセス権を認証する手段として使用できます。また、プリベイド分野では、現 金残高を安全に記憶する手段として使用できます。
インフィニオンのIDタグIC「my-d」は、周波数13.56MHzで動作し、近傍型カードおよびスマートラベル応用の世界標準(ISO/IEC15693)に準拠しています。競 合製品を上回る大きなメモリ容量と、セキュア・セクタ(セキュリティ保護されたメモリ領域)を備えた「my-d」は、IDシステムの機能強化と応用柔軟性に寄与します。「my-d」の セキュリティ強化バージョンは、64ビット鍵と秘密鍵ペアを用いた相互認証アルゴリズムなど、先進的なセキュリティ機能を備えており、権限を持たない者がセキュア・メモリ・セ クタにアクセスできないように保護します。
インフィニオンは、0.25μmプロセス技術を用いて高度なセキュリティ機能を持つRFIDチップを製造している唯一のメーカーです。このプロセスにより、現 在市販されている他の13.56MHzチップと同等の面積で、最大データ容量が5~40倍にあたる10Kビットのチップを製造することができます。「my-d」の動作距離は、ラ ベルと無線トランスポンダの配置に応じて、読取および書込機能に対しては最大70cm、ゲート型システムでは最大120cmになります。
高成長の市場
スマートラベルが産業界全般に広く受け入れられていることが、IDタグIC市場の急成長を支えている大きな要因です。スマートラベルでは、無線チップとアンテナは、製品カートンか、ま たは製品自体に直接に貼付されます。紙の薄さのこのデバイスは、据え置き型もしくは携帯型のスキャナでプログラミングされます。数千項目から数百万項目もの大量情報の識別・追跡・管 理を迅速かつ正確に行うことが必要な業種にとって、スマートラベルはコスト効率の高いソリューションであることが実証されています。スマートラベルはRFID技術の利点を活かすことで、単 純なバーコードIDを大きく上回る機能を提供します。個々のスマートラベルはユニークに識別され、製品についてより多くの情報を記憶させることが可能です。さらに、無線スキャナによる読取と書込が可能なので、正 確な位置合せをすることなく、情報の転送と自動更新を行えます。
2000年には、RFID技術の世界市場は、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを含めた売上レベルで、約8億9,800万米ドルに成長しました。主な用途は、物 流システムにおける物品の管理や経路追跡と、セキュリティです。ベンチャーデベロップメント社(www.vdc-corp.com)が2001年5月に出版した調査によると、上 記総額のうち無線チップの売上は7,630万米ドルでした。2005年まで、全体の売上は年率24%で成長し、その中でICの売上は年率34%で成長すると予測されています。
暗号機能によるセキュリティ強化版チップを加えて、インフィニオンは現在、多様な市場要求に応えるために、「my-d」ファミリに4種類のIDタグICを用意しています。「プレインメモリモード」のICと、 「セキュリティ強化モード」のICは両方とも、最大データ容量が10Kビットと2.5Kビットの製品があります。セキュリティ強化バージョンについては、インフィニオンは、スキャナ装置メーカに、セキュア・メ モリ領域のプログラミングとキーロックを可能にするセキュア・アクセス・モジュールも供給しています。セキュリティ強化バージョンでは、記 憶データのうちセキュリティ保護された部分とオープンにアクセスできる部分を組み合わせて配置して、プロバイダとエンドユーザの双方に対してシステムの柔軟性を高めることも可能です。
暗号機能を備えた「my-d」セキュリティ強化バージョンは現在、サンプル出荷中です。2.5Kビット版の場合、最小受注数量での単価は33米ドル(33セント)です。同プレインモード・バ ージョンの最小受注数量での単価は30米ドル(30セント)です。「my-d」はウエハもしくは各種サイズのインレイの形で出荷されます。カ ードやタグに使用されるチップモジュールは2002年第1四半期から出荷を開始する予定です。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
Information Number
INFCC200111.010e
Press Photos
-
Infineon Technologies Brings Heightened Security to Automatic Identification and Access Card Markets, Delivers Cryptographic Protection in Contactless ID Chips.Press Picture
JPG | 1.51 mb | 1535 x 1063 px