インフィニオンテクノロジーズが10Gbps光通信向けSiGeチップセットを発表

2000/05/22 | マーケットニュース

インフィニオンテクノロジーズは、伝送速度10GbpsのSONET/SDH光通信システムOC-192/STM-64 向けに、S iGeチップセットを発表しました。消費電力は業界最低値を達成しています。

10Gbps光ファイバ通信ICの市場は、インターネットトラフィックの急増に起因する帯域幅需要の増大にともない、半導体産業のなかで最も急成長している分野のひとつです。イ ンフィニオンの新チップセットは、この成長市場へ向けて、通信機器メーカーが、高度に統合された、高性能で、低消費電力のモジュールやシステムを、競争力のあるコストで提供することを可能にします。

全デバイスは、インフィニオンの先進SiGeプロセス技術「B7HF」(遮断周波数75GHz以上)を適用して設計および生産されています。SiGeプロセス「B7HF」は、インフィニオンの「 B6HF」バイポーラプロセスを基盤としています。「B6HF」プロセスは今日、セルラ電話の大市場やその他のカスタム用途に広く適用されています。

チップセットには、レーザダイオードドライバ、マルチプレクサとデマルチプレクサ、シリアルCDR(Clock & Data Recovery)デバイス、ト ランスインピーダンスアンプなどが含まれます。これらのデバイスの総消費電力は、現在市場に出ている競合製品の半分に抑えられています。全デバイスはデータ速度9.95Gbpsないし10.7Gbpsまで動作し、 FEC(Foward Error Correction)を適用した用途に好適です。通信機器メーカーは、多様な用途や要求条件に対して、単一のチップセットソリューションを利用することが可能となります。

インフィニオンのマルク・ゲバート(高速通信IC事業部門のバイスプレシデント兼ゼネラルマネージャ)は「 今日のGaAs-ICやバイポーラ技術の第1世代をインフィニオンのSiGeチップセットソリューションへ置き換えることにより、テレコムおよびデータコム機器メーカーは、高性能の光ファイバ通信システムを、高 度に競争力のあるコスト構造で構築することができます」と、話しました。

OC-192/STM-64向けの新しいSONET/SDHチップセットは、個別にも、また、トータルショリューションとしても、購入できます。

レーザダイオードドライバ(LDD)
LDD(形名:FOA21002A1)は、単線または差動伝送回線に対して50Ω整合された電界吸収型変調器またはレーザダイオードを駆動するように設計され、高い集積度を提供します。L DDは-5V単一電源で動作し、消費電力は僅か1.7Wです。このデバイスはベアチップとして供給されます。

16:1マルチプレクサ+クロック乗算ユニット(MUX+CMU)
マルチプレクサ(形名:FOA41001B1)は、OIF(Optical Internetworking Forum)物理層部会の勧告OFI99.102に準拠しています。622Mbps側で、 外部部品なしで差動LVDSインターフェイスを提供します。マルチプレクサには、OC-192に対するBellcoreの要求に適合する低雑音LC-VCOと、疑似8ビットFIFOが内蔵されています。また、位 相雑音の低いPLLが内蔵され、これには外部フィルタ部品が不要です。3.3Vまたは5V単一電源で動作し、消費電力は僅か約1Wです。BGA-96RFパッケージに収納されています。

1:16デマルチプレクサ+クロック&データ回復(DeMux+CDR)
デマルチプレクサ(形名:FOA51001B1)も、OIF物理層部会の勧告OFI99.102に準拠しています。622Mbps側で、外部部品なしで差動LVDSインターフェイスを提供します。デ マルチプレクサには、CDR全体が内蔵され、その高い入力感度がシステムの余裕度を高めます。トランスインピーダンスアンプをこのデマルチプレクサに直結できるので、ラ インカード設計の際にリミッタアンプを省くことができます。また、マルチプレクサと同様に、位相雑音の低いPLLが内蔵され、これには外部フィルタ部品が不要です。3.3Vまたは5V単一電源で動作し、消 費電力は僅か約1Wです。BGA-96RFパッケージに収納されています。

1:1シリアルクロック&データ回復(CDR)
CDR(形名:FOA31002A1)は、データの再生と再タイミング、再タイミングクロック位相の自動調整、そして、入力信号しきい値の調整に適用できます。B ellcoreおよびITUのジッタ仕様の要求に適合します。消費電力は僅か1~1.5Wです。このデバイスはベアチップとして供給されます。

トランスインピーダンスアンプ(TIA)
TIA(形名:FOA11002A)は、+5V単一電源によりデータ速度10,7Gbpsまで動作します。APDへも、PINフォトダイオードへも接続できます。ト ランスインピーダンスが高いので、ほとんどの受信器用途で後段アンプを省けます。ダイナミックレンジが19dBと高いので、多様なシステム構成が可能です。消費電力は僅か170mWです。こ のデバイスはベアチップとして供給されます。

Information Number

INFCOM200005.071