インフィニオンテクノロジーズがシングルチップMDSLトランシー「MuBIC2」を発表

2000/02/22 | マーケットニュース

インフィニオンテクノロジーズは、MDSLトランシーバデバイス「MuBIC2」を発表しました。このデバイスは、ア ナログ電話線を介したデジタルデータの対称速度伝送に適用され、テレコムに適合した144kbpsから1040kbpsの範囲のデータ速度に柔軟に対応します。「MuBIC2」には、回 線インターフェイスからフレーマまでの全機能とマイクロコントローラが集積化されています。さらに、無線ローカルループ用途に対応した遅延測定などの機能も備えています。CMOS技術で生産され、1 00端子TQFPパッケージに収納されています。消費電力は、伝送速度784kbps時に400mW以下と、非常に低く抑えられています。

MDSL(マルチレートデジタル加入者線Multi-Rate Digital Subscriber Line)は、SDSL(対称デジタル加入者線Symmetric DSL)のサブセットです。 64kbpsの倍数を基本とした速度での対称伝送(上りと下りが同速)を支援します。例えば、複数のISDN信号を束ねて伝送するのに適します。具体的な用途として、ISDN加入者アクセス、デ ジタルループキャリア、PCMシステム、フラクショナルT1/E1サービス、無線ローカルループ(FWA)などがあげられます。

「MuBIC」は、伝送にTC-PAM(格子符号パルス振幅変調Trellis Coded Pulse Amplitude Modulation)を採用しています。この変調方式は、国 際電気通信連合(ITU)や欧州電気通信標準化協会(ETSI)のSDSL標準化案に適合し、伝送性能および他の伝送技術(ADSL、HDSL、HDSL2など)とのスペクトル的な共存性にすぐれています。

「MuBIC2」は、インフィニオンMDSLトランシーバの第2世代デバイスです。1998年10月に発表された第1世代デバイスと同様、アドトラン社(ADTRAN, Inc.)と の緊密な共同作業によって開発されました。「アドトランの市場をリードするDSL技術とインフィニオンのミクストシグナルIC技術とが結びつくことによって、テ レコミュニケーション標準に忠実な半導体ソリューションが生み出されています」と、アドトラン社のキャリアネットワーク部門ゼネラルマネージャのトム・スタントンは話しました。アドトラン社は、同 社の住宅向けADSL製品ラインを補完する、小規模事業所向けの製品ライン「TR-SDSL」にこのデバイスを適用します。

シングルチップMDSLトランシーバ「MuBIC2」は、現在すでに量産されています。開発ツールとして「SMART22522」が用意されています。

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INFCOM200002035