インフィニオンテクノロジーズがATMトラフィック管理ICの新製品を発表

2000/12/07 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは本日、ATMトラフィック管理ICの新製品として、「ABMP(ATM Buffer Manager Premium) 」(型名:PXB4330 V2.1)を発表しました。このデバイスは、速度適応サービスと、IP over ATMを支援します。マルチサービスラインカード、マルチプレクサ、A TMスイッチなどのネットワーク機器に適用されます。

「ABMP」には、ECR(Enhanced Rate Control)ユニットが装備されています。ネットワーク事業者は、このユニットにより、データ回線のVBR(Variable Bit Rate)やABR(Available Bit Rate)を活用して、ネットワーク帯域幅の利用効率を高めることができます。「ABMP」には、基本的なATMバッファ管理機能に加えて、VC-Merge( Virtual Channel)機能、ABR-Explicit-Rate機能、ABR-Virtual-Source/Destination機能などが集積化されています。装置メーカーは従来、バ ッファ管理ICに加えてカスタムチップやゲートアレイを使用していましたが、「ABMP」を適用することにより、複雑さ、コスト、開発時間の低減をはかることができます。

インフィニオンテクノロジーズのクリスティアン・シェルプ(有線通信事業部バイスプレシデント兼WAN部門ゼネラルマネージャ)は、「テレコムシステムやデータコムシステムを購入する企業は、ポ ートの高密度化、省電力化、小型化など、将来を見据えた特長を持つスイッチング装置を望んでいます。インフィニオンは、こうした要求に対応するため、装置メーカーと緊密な共同作業を行っています。今 回のデバイスは、チップレベルでの統合によってシステム性能の向上をはかるという当社の目標を達成した一例です」と、話しました。

「ABMP」は、ATMスイッチやマルチプレクサに対して、包括的なトラフィック管理機能とシェーピング機能を提供することを目指して設計されました。WFQ(Weighted Fair Queuing)機能により、遅延に敏感なトラフィックに対するサービス品質を確保し、同時に、公平性の要求に対応しながら、所与の帯域幅を最大限に利用することが可能となります。さらに、マ ルチレイヤTCP/IP性能最適化スケジューリングやAAL-5を支援するための機能も集積化されています。

「ABMP」は、ATMフォーラムとITU-Tの双方の標準を支援します(ATMF Traffic Management Specification 4.1、UTOPIA Level 1 Specification Version 2.01、UTOPIA Level 2 Specification Version 1、ITU-T Recommendation I.371, Traffic Control and Congestion Control in B-ISDNなど)。

「ABMP」(PXB4330 V2.1)は、P-BGA-456パッケージに収納されています。電源電圧3.3V(I/O)および1.8V(コア)で動作し、消費電力は約2Wです。このデバイスは、 ラインカードやスイッチを構成する多数のICのひとつです。実際のボードにはさらに、プロセッサ、メモリ、物理レイヤチップなどが搭載されます。

Information Number

INFCOM200012.021