インフィニオンテクノロジーズが短距離無線システム向けのInGaPパワーアンプを発表

2000/11/02 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは本日、Bluetooth、HomeRF、各種の無線LAN(IEEE802.11標準など)に適した、小 型で高効率のパワーアンプを発表しました。このパワーアンプは、4段階の出力電力を設定可能です。これによりBluetoothアプリケションでは100mの長距離(クラス1)から短距離(クラス2、クラス3)ま での伝送が支援されます。

このアンプは、TSSOP-10パッケージ(型名:CGB240)またはフリップチップ(型名:T628)の外形で供給されます。前者は、寸 法が制約されない設置型のBluetooth装置などに適します。後者は、Bluetoothモジュール、モデム、その他の寸法が制限された装置に適します。

これらのチップは、InAsP-HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)プロセス技術を適用して生産されます。この技術の適用により、高周波性能とPAE( Power Added Efficiency)が向上し、結果として電池寿命の延長がはかられます。

4段階の出力電力(23dBm、17dBm、12dBm、7dBm)は、アナログ電圧制御によって設定されます。パワーアンプは、4段階の出力電力のすべてにおいて、そ れぞれ最高水準の性能を達成しています。CGB240は、2400MHzにおいて50%というすぐれたPAE値を示しています。クラス3モード(距離10m)、供給電圧3.2V、入 力電力3dBmにおける消費電力は15mA以下に抑えられます。

インフィニオンのエヴァルト・ペッテンパウル(GaAs事業部門ゼネラルマネージャ兼バイスプレシデント)は、「当社のInGaP-HBTプロセスは十分に確立されており、B luetoothのような成長市場に対応できる高い歩留まりを達成しています。今回のパワーアンプはBluetoothクラス1向けとして業界最高水準の高周波性能を達成しています。この事実は、当 社の技術力を再確認させるものであり、先進的な通信用高周波半導体のプロバイダとしての市場での地位を強化するものです」と、話しました。

パワーアンプの特長としてさらに、高調波抑圧が高いこと(パッケージ型で30dBc、フリップチップ型で40dBc)と、供給電圧による出力電力変動が低いことがあげられます。

これらのパワーアンプは、他のGaAs製品と同様に、ミュンヘンにあるインフィニオンの6インチGaAs工場で生産されます。この工場は、2000年9月に生産を開始しました。

Information Number

INFWS200011.008