インフィニオンテクノロジーズがコンピュータテレフォニ対応の交換ICファミリを発表
独インフィニオンテクノロジーズは本日、交換IC(デジタル方式スイッチングマトリクスIC)の新しい製品系列として「SWITI」ファミリを発表しました。「SWITI」ファミリは、コ ンピュータテレフォニの新しい標準インターフェイスH.100/H.110と、従来のPCMインターフェイスの双方を支援します。
交換ICは、あらゆるテレコミュニケーションシステムにおいて、機器相互間に情報接続を設定するという重要な役割を担っています。「SWITI」ファミリは、H .100/H.110インターフェイスを備えたCTI(Computer Telephony Integration)システムに最適です。さらに、電話用の構内交換機(PBX)や局用交換機、携帯電話基地局、 その他の交換システムにも適用できます。
一般にコンピュータテレフォニバス(CTバス)として知られているH.100/H.110は、ECTF (Enterprise Computer Telephony Forum)に よって規定された、PCIバスないしCompactPCI バス上のCTIモジュールに対するインターオペラビリティの仕様です。この仕様は、テレコミュニケーションシステムのための完備した、高信頼で、標 準化されたバックプレーンアーキテクチャを提供し、ルータ、リモートアクセス、VoDSL(Voice over DSL)、DSLAM(DSL Access Module)、VoIP(Voice over Internet Protocol)などのシステムに広く採用されています。
インフィニオンテクノロジーズのクリスティアン・ヴォルフ(アクセス第一事業部門バイスプレシデント兼ゼネラルマネージャ)は、「通信市場における音声システムとデータシステムの統合は、膨 大な成長を推進してきました。コンピュータをベースとしたテレコミュニケーション機器にとって困難な課題のひとつは、タイムスロット指向のデータ流とパケット指向のデータ流を共に、摩擦なく処理することです。S WITI交換ICファミリは、PCMインターフェイスとH.100/H.110インターフェイスの双方を支援し、音声世界とデータ世界を高い信頼性をもって結合します」と、話しました。
「SWITI」ファミリが提供する共通アーキテクチャにより、電話用およびコンピュータテレフォニ用の交換機やルータなど、多 様なシステムを単一の共通ソフトウェアドライバを使用して実現することが可能となります。この結果、市場到達時間を早めることができます。システムの回線容量は、接続数が異なるICバリエーションからの選択や、複 数のICを並列接続により、最適化できます。また、システムの機能は、スイッチング遅延のプログラミングなどにより最適化できます。さらに、同じ交換ICに多元的なデータ速度を支援させることも可能です。こ のICファミリは、H.100/H110の支援を目的として設計されていますが、コンピュータテレフォニの過去の標準(MVIP、H-MVIP、SCbus)との互換性も保持しています。
「SWITI」ファミリは、多元的な交換モードを支援するので、広範囲のテレコミュニケーションシステムに適用できます。例えば、一定遅延モードにプログラミングすることにより、デ ータ交換が確実になります。これに対し、最短遅延モードは、音声交換やその他のリアルタイム回線交換に対する遅延を最適化します。サブチャネル交換モードは、圧 縮された音声の2ビット交換を必要とする携帯電話基地局のような用途で、所与の帯域幅の最適利用を可能にします。さらに、マイクロプロセッサインターフェイスを介した、全 タイムスロットへの読み出しおよび書き込みアクセスが支援されます。
「SWITI」ファミリには、PCMインターフェイスを支援する3種類のIC(MTSI = Memory Time Slot Interchanger)と、H .100/H.110インターフェイスを装備した3種類のIC(HTSI = H.100/H.110 Time Slot Interchanger)が用意されています。データ接続数512、1024、2 048のバリエーションが提供され、各I/O線の伝送速度は独立に2/4/8/16Mbpsに設定できます。
「MTSI」系列は、P-MQFP-100パッケージに収納され、16本のPCMハイウェイを提供します。「HTSI」系列は、P-BGA-217パッケージに収納され、3 2本の双方向回線を備えたH.100/H.110インターフェイスを提供します。「HTSI」系列の32本の回線は、32本のPCMハイウェイとして構成(コンフィギャ)することも可能です。
「SWITI」ファミリには、評価ボード「SMART24471」が用意されています。このキットには、包括的なソフトウェア、使用が容易なレジスタ設定ツール、E 1/T1およびH.100ハードウェアインターフェイス、アナログ電話への接続が含まれています。
「SWITI」交換ICは、0.35ミクロン技術を適用して生産され、供給電圧3.3Vで動作します。I/Oインターフェイスは、電圧5Vが許容されます。サンプルは現在供給可能です。量 産開始は2000年の第4四半期に予定されています。
詳しい情報は次のURLをご参照ください: http://www.infineon.com/switi
Information Number
INFCOM200008.087