インフィニオンとマクロニクスがROM版マルチメディアカードの共同開発で提携

2000/02/24 | マーケットニュース

マクロニクスインターナショナルコーポレーション(本社:台湾・新竹)とインフィニオンテクノロジーズ(本社:ドイツ・ミュンヘン)は、ROM版マルチメディアカード(MultiMediaCard (TM))の共同開発および生産に関する協定を結びました。2000年の第1四半期末に両社は世界初の、ワンチップで記憶容量32Mバイトを持つROM版マルチメディアカードの供給を開始する予定です。両社は、S DMI(Secure Digital Music Initiative)のセキュリティ規定に適合した著作権保護機能を持つセキュアROMを供給します。マ クロニクスとインフィニオンのパートナーシップにより、不揮発性メモリ分野におけるそれぞれの強みが結束されます。マクロニクスは、情報処理、通信、民生市場向け高密度不揮発性メモリの先導的プロバイダです。イ ンフィニオンは、世界最小の革新的な個体記憶ソリューションであるマルチメディアカードを共同開発しました。

記憶容量32MバイトのROM版マルチメディアカードは、広範囲の新世代アプリケーションに適合します。音楽プレーヤーやストーリーテラー(Story Teller)の音楽媒体として使用した場合、 録音時間は、マイクロソフト社の圧縮技術Audio 4.0では最大60分、MP-3圧縮では30分になります。ROMベースのマルチメディアカードは、録音済みで販売されているコンパクトディスク(CD)と 同様の役割を果たし、半導体化されたことによって高い記憶密度と小型化を実現します。電子ブックとして使用した場合、32Mバイトのマルチメディアカードは英文書籍で約20,000ページ分を保持します。辞書、電 話帳、市街地図、旅行案内、ホテル案内などに理想的です。今後、2000年中に64MバイトROM版、2001年に128MバイトROM版の供給が計画されています。

マクロニクスの呉敏求(Miin Wu)社長は「今回の協定により、32Mバイトをきっかけとして、世界最高密度のROM版マルチメディアカードの出荷へ向けて、マ クロニクスの先端不揮発性メモリソリューションと、インフィニオンのシステムノウハウが結束されることになりました。高密度不揮発性メモリは、インターネットからのダウンロードや、携 帯記憶媒体を利用する産業にとって不可欠です。32MバイトROM版マルチメディアカードは、今日注目を集めているMP-3のような携帯音楽産業を勢いづけると確信します。さらに、R OM版マルチメディアカードは現在、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、電子ブック、電子辞書、旅行案内、ストーリーテラー(Story Teller)などに広く採用が進んでいます。マクロニクスは、高 密度マスクROMの最大手サプライヤとして、こうしたアプリケーションに大きな期待を寄せています。当社はマスクROMの包括的な製品ファミリを、先進8インチ工場において、2000年には0.18μm技術、2 001年には0.15μm技術を適用して生産する予定です。ROM版マルチメディアカードは、ユニークな符号化機能、競争力のある価格、抜群の携帯性などにより、消費者向け携帯マルチメディア世界を実現する上で、 決め手のひとつとなるにちがいありません」と、話しました。

インフィニオンのユルゲン・ハンマーシュミット(同社マルチメディアカード部門のゼネラルマネージャ兼バイスプレシデント)は「携帯性は次世代のキャッチフレーズです。将来のメモリデバイスは、多 くの要求を満足しなければなりません。可能な限り小型で頑丈なこと。さらに、携帯電話、携帯情報端末、音楽プレーヤなど多くのミニチュア電子装置の、相互間のギャップを埋める役割を課されています。イ ンフィニオンは、マルチメディアカードこそが、そうした先進の記憶媒体であると確信します。著作権保護機能の装備は、デジタル世界の著作権侵害行為に対抗するための、半導体メーカーにとっての義務です」と、話 しました。

マルチメディアカードは、きわめて頑丈、軽量、低消費電力、高速、経済的な記憶媒体なので、携帯用途に最適です。シリアルインターフェイスがチップに集積化されているので、イ ンストールがきわめて容易です。マルチメディアカードは、音楽プレーヤー(いわゆるソリッドステートプレーヤー)、携帯ビデオゲーム、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドPC、携帯電話、ラ ップトップなどへの普及が期待されます。

MultiMediaCard (TM)はInfineon Technologies AGの登録商標です。

マクロニクスについて
マクロニクス(Macronix International Corporation Ltd)は、1989年12月の設立以来、最 先端技術を必要とする不揮発性メモリのカスタム指向およびアプリケーション指向の先導的プロバイダとして活動してきました。マクロニクスは、日本、米国、欧州、ア ジア太平洋地域において著名な国際企業を顧客としています。同社は台湾株式市場に上場され(code:2337)、また、台湾企業としてはじめて米国ナスダックに上場されました(code:MXICY)。マ クロニクスは、不揮発性メモリの世界的な先導サプライヤとして著名です。マクロニクスは1999年に167億台湾ドル(NT$16.7 billion)の売り上げを達成しました(監査前)。同社は、フラッシュ、 EPROM、マスクROMの分野でトータルソリューションを供給しています。さらに同社は、音響、映像、ネットワーキングなどの分野へ提供できる豊富なノウハウを持っています。こうした不揮発性メモリ、音響、映 像、ネットワーキングなどの要素は、ポストPC時代のマルチメディアアプリケーションにおけるマクロニクスのシステム・オン・チップ(SOC=System-on-a-Chip)ソ リューションを実現するビルディングブロックとなります。
http://www.macronix.com

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFCC200002031