効率的な家庭のエネルギーバランスを家電がサポート

終日作動している冷蔵庫が立てる音は、誰もが聞いたことがあると思います。この音は日々の生活の中で耳障りなだけでなく、エネルギー効率の低さを示す兆候でもあります。こうした音が発生する理由は極めて単純。家庭用電化製品のほとんどが、洗濯機のドラムを回転させたり、冷蔵庫の空気や気体を圧縮したり、中に入れた野菜を冷却したりなど、さまざまな機能を果たすためにモータを使っているためです。これまでは、こうしたモータは単にスイッチが入ったり切れたりして断続的に動いているか、終日作動したままになっているかだったので、結果的に膨大な電力消費と損失、そして騒音が生まれていました。インバータ化によってモータを制御することは、電力の意識的な利用を実現するための効果的かつ効率的ソリューションです。

世界のほとんどの地域において、今日のライフスタイルが膨大なエネルギー需要を生み出しています。エアコンや冷蔵庫などの家庭用電化製品が必要以上に多くの二酸化炭素の排出をもたらしました。メーカー各社は数年前から、モータに取り込まれる電力を制御することで、エネルギー損失を驚くほど削減できることを証明しています。さらに、モータは常時フルスピードで回転させる必要はありません。今日の家庭用電化製品には、半導体による（インバータ化された）モータ制御機能が搭載されています。これにより、モータ音は静かになってエネルギー効率が高まり、結果的にモータが小型化します。

概要：家庭用電化製品の概略

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インバータ化によって、デバイスが実際に必要な量の電力だけを消費できるようになります。なぜなら、いつ、どれだけ動作すればよいかを的確に判断できるようになるからです。インフィニオンのチップは、センサー、マイクロコントローラ、パワーチップを相互作用させます。これらの半導体の組み合わせが、電流フローの最適な制御を実現。これが周波数インバータ、またはシンプルに「インバータ」と呼ばれる働きです。

インバータの原理はシンプルです。気温、湿度、モータ回転速度などのデータを常時収集することにより、家電製品の効率的な運転をセンサが助けるというものです。こうしたデータに基づいて、ミニコンピュータまたはマイクロコントローラが必要な制御指令を算出します。そうした指令をパワーチップが実行してモータを最適な回転速度にし、冷蔵庫の温度を一定に保ちます。この方法は、終日モータのスイッチを断続的に切ったり入れたりする方法よりはるかに効率的です。

インフィニオンのパワー半導体は、洗濯機、食器洗い機、冷暖房システム内のポンプのモータ制御におけるエネルギー損失を低減。炊飯器などの誘導加熱システムや電子レンジ用高電圧の発生時の電力変換も可能にします。2018年には、世界中の家電製品の中で、インフィニオンの半導体製品を使ってインバータ化されている製品が全体の3分の1を占めていました。これにより、10,752.83 GWh分の節電が実現した計算になり、この節電がもたらした二酸化炭素排出量の削減は620万トン以上に匹敵します。もし世界中の冷蔵庫がインフィニオンの半導体を使ってインバータ化されれば、スウェーデンの年間電力使用量と同じくらいの量の節電が可能になります。

特にこれらの家電製品を対象として、インフィニオンは最高の効率性を実現するための包括的ラインアップを提供しています。例えば、CIPOS™ インテリジェントパワーモジュールは高集積型コンプレッサードライブのための最適なソリューションですが、レイアウトの自由度と放熱性の最適が重要な要素である場合は分離型ソリューションが最善の選択肢になります。これらのソリューションはすべて、専用モータ制御の向けにiMOTION™製品と組み合わせることが可能です。補助電源装置には、電力用ソリューションラインアップの中で、堅牢性と性能の向上を提供するCoolSET™が最適です。誘導加熱アプリケーション向けに設計されたディスクリートIGBTと、システム制御用のPSoC™マイクロコントローラ、AIROC™ Wi-Fi & コンボファミリー製品、XENSIV™センサを組み合わせ、非常にコンパクトで堅牢かつ信頼性が高く、電力消費を抑えた、豊かなユーザーインターフェースを提供するシステムを実現します。