テレマティクスコントロールユニット
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テレマティクス アプリケーション向けの性能、相互運用性、セキュリティを実現
テレマティクスは、今日の自動車において多数の重要な機能を制御しています。たとえば、車をクラウドに接続し、運転者や同乗者の安全を確保し、交通の流れを最適化し、事故発生の際は自動緊急通報を行います。この車載無線接続の中核にあるのは、テレマティクス コントロール ユニットと呼ばれる組み込みハードウェアおよびソフトウェアです。
このユニットの設計には複数の課題があります。さまざまな無線通信規格のサポートが可能な柔軟性を備えたコントロール ユニットを用意することから、消費電力やシステムの部品点数を最適化しながら求められる安全性およびセキュリティ性能を設計することまで、さまざまな課題があります。
テレマティクス制御ユニットは、現代の自動車に不可欠であり、それらをクラウドに接続し、安全性を高め、交通の流れを最適化し、自動緊急通報を可能にします。 当社の包括的な製品ポートフォリオは、車クラウド間 (V2X )/ 車車間 (V2V) / 車インフラ間 (V2I) 通信、車両の管理とメンテナンス、ロードサイドアシスタンス、緊急通報(eCall)、コンシューマー デバイスの統合などのユースケースをサポートします。
機能ブロックの説明
青、赤、緑のブロックは、車とクラウド間の接続、およびアプリケーションプロセッサと車載ネットワーク(IVN)間の接続を実現するインフィニオンの主要コンポーネントです。32ビットAURIX™マイクロコントローラは、IVNへのゲートウェイとして働き、さらにバックアップバッテリの管理、または緊急通報ボタンの手動操作など、その他の機能統合にも利用できます。内蔵のスタンバイモードコントローラは、クラス最良の消費電力を実現し、また、このデバイスによって、車両起動時にはIVNのテレマティクスECUが迅速に利用可能になります。OPTIGA™ TPMが、OEMのバックエンドサーバを認証することによりセキュアなリモートアクセスを実現し、また、eUICCは、セルラーネットワークの認証またはV2Xに使われます。
ブースト付きD級アンプは、運転者の体験を強化し、優れた音質を提供します。このようなオーディオアンプは、高音質オーディオを実現し、他の追随を許さないオーディオ性能を備えています。
これらのデバイスでは、使いやすいデジタル信号処理が可能であり、ユーザーのオーディオ体験をさらに強化し、システムの複雑度を低減し、サイズやコストを削減できます。
インフィニオンのD級オーディオアンプは、特許取得済みのアーキテクチャ、独自のアルゴリズム、高度な製造技術を利用して、類を見ないオーディオ体験を提供する革新的な製品となっています。
MERUS™ファミリーのD級オーディオアンプは、インフィニオン独自のマルチレベルスイッチングテクノロジーをベースにした、高効率、高集積のデジタルD級オーディオアンプICです。これにより、ユーザーのオーディオ体験をさらに強化し、システムの複雑度を低減し、サイズやコストを削減できます。
インフィニオン独自のマルチレベルスイッチングテクノロジーは、あらゆる動作条件で非常に低い電力損失を実現し、広範囲にわたるオーディオ製品においてフィルタレス構成のD級オーディオアンプを最大定格出力で利用可能にします。きわめて高い電力効率と低発熱動作により、後付けのオーディオ装置など、さまざまなアプリケーションでの利用に適したオーディオアンプになっています。
インフィニオンのHyperRAM™ 2.0は、拡張メモリが必要な高性能組込みシステム向けの高速で少ピンカウントのセルフリフレッシュDRAMです。HyperRAM 2.0はHyperBus™とOctal SPIインターフェイスを提供します。12ピン、HyperBus、Octal SPIインターフェイスはダブルデータレート(DDR)で動作し、スループットは400MB/sまで増やせます。スクラッチパッドメモリとして使った場合、高速読み出し/書き込み処理により、システムブート処理の初期段階で迅速に高精細グラフィクスを伝送することができます。
インフィニオンのパラレルNORフラッシュデバイスおよびシリアルNORフラッシュデバイスは、 理想的なソリューションです。これらのデバイスは、車載で実績のあるMirrorBit™テクノロジーを採用することにより、データの信頼性を確保し、また、製品の寿命全体にわたる頻繁な書き込みのための高い耐久性を備えています。さらに、高速なシステムブートを実現し、プラットフォームに合わせて拡大縮小できるさまざまなメモリー容量が用意されています。インフィニオンのNORフラッシュソリューションは、AEC-Q100グレード1~3の認証済みで、広い動作温度範囲に対する車載規格に適合しています。インフィニオンの製品セレクションガイドで適切な製品を選定ください。。
車載市場向けF-RAMは、最高速インターフェイススピードでの高速書き込みが可能です。F-RAMは書き込み遅延が全くなく、データは即座に不揮発になります。従来の不揮発性メモリーは、データが不揮発になるまでに5 ms以上の遅延があります。電源が遮断された場合、データが保存されるまでシステム電源を維持する追加キャパシタまたはバッテリーがなければ、保留中のデータは消失します。
F-RAMは、読み出し/書き込みサイクル100兆回という事実上無限の耐久性があります。従来の一般的な不揮発性メモリーの耐久性は、100万サイクル以下であるため、システム設計者は、複雑なウェアレベリングルーチンおよび4倍もある容量のメモリーを使って、メモリーの寿命を延長させる必要がありました。
AURIX™およびTraveo™マイクロコントローラは、通信帯域幅拡大、消費電力低減、車の安全およびセキュリティ確保を実現するように開発されており、また、設計者に最大限の柔軟性を提供するため、さまざまなデバイスシリーズおよび30以上の派生品種が用意されています。
たとえば、Traveo II CYT2B9シリーズは、より高速な車内通信を実現するように設計されています。このシリーズは、CAN FDインターフェイスに加えて、CXPIインターフェイスを内蔵しており、高速応答、高速通信を実現します。Traveo IIデバイスは、HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)、セキュアな処理のための専用Cortex®-M0+、SOTA/FOTA要件のためのデュアルバンクモードの内蔵フラッシュにより、高度なセキュリティ機能を備えています。この32ビットMCUコアシステムは、160 MHz Arm® Cortex®-M4F Single、2 MBコードフラッシュ、128 KBワークフラッシュ、256 KB SRAM、Arm® Cortex® -M0+で構成されています。このファミリーには、6つのパワーモードがあり、ECUの全消費電力を最小化でき、セキュアな通信を行うための最先端のセキュリティ機能を備えています。また、メモリーサイズおよびピン数について大幅な拡張性があります。
AURIX™第2世代(TC3xx)は、新たな車載アプリケーションのトレンドと課題に取り組めるように、性能、メモリサイズ、コネクティビティ、スケーラビリティを拡張して帰ってきました。このファミリーは、セーフティマイクロコントローラの最もスケーラブルなラインアップを提供するために、20以上の製品を含んでいます。性能に関しては、T37xシリーズは、300MHzで駆動する3つのコア、最大1.1MBの組込みRAM、最大6MBの組込みフラッシュを提供し、消費電力は2W未満です。通信インターフェイスはGbit Ethernet、FlexRay、CAN、CAN-FD、そしてLINを含みます。デバイスの組込みハードウェアセキュリティモジュール(EVITA HSMフルバージョン)は、車両ネットワークを不正アクセスや誤使用から守ります。
インフィニオンのSOLID FLASH™ SLIセキュリティコントローラファミリーでは、車載用ネット接続アプリケーション(eSIM、V2V、V2I、V2X)向けの32ビットおよび16ビットセキュリティコントローラの幅広い選択肢を提供しています。
これらのセキュリティコントローラは、過酷な車載環境下で使われる組込みSIM(eUICC)のバリューチェーン全体に求められる、セキュリティおよび品質のさまざまな要求事項に対応します。AEC-Q100に適合しているため、拡張動作温度範囲(Ta=-40℃~105℃)に対応し、きわめて低い故障率となるよう設計されています。さらに、SLI97は、対応するさまざまな暗号化方式(256ビットまでのAES、512ビットまでのECC、4096ビットまでのRSAなど)をサポートするハードウェアによる暗号コプロセッサを備えており、コモンクライテリア5+ highの認証を受けています。
インフィニオンのOPTIGA™ TPM SLI 9670セキュリティコントローラは、最新のTCG(トラステッドコンピューティンググループ)ファミリー2.0仕様に従ってセキュアにコーディングされたファームウェアを書き込んだ状態で提供されます。このハードウェア/ソフトウェア複合ターンキーソリューションは、豊富なセキュリティ機能を備えており、設計および試験の工数を節減できます。これは、コモンクライテリアEAL4+およびFIPS 140-2の認証を受けています。その他には、拡張温度範囲対応、AEC Q100適合という特長があります。OPTIGA™ TPM SLI 9670は、遠隔車両アクセスのために集中型トラストアンカーを備えており、カーシェアリングアプリケーション、ネット経由のソフトウェア更新、フリート管理および保守のためのセキュリティが大幅に強化されています。
音声ユーザーインターフェイス、および音声コマンド機能の音声録音使用は、インフォテインメントシステムの操作またはバーチャルアシスタントで使われていることにより、劇的に増加しています。これによって、運転者の行動が再定義され、運転がより安全でスマートで自然かつハンズフリーになっています。運転者は何らかの質問に答えるというような特別なコマンドを必要としない、自然な音声ユーザーインターフェイスを望んでいます。
しかし、良好な車内ユーザー体験が得られるかどうかは、実装されたマイクの性能に大きく左右されます。
ユーザーデータやブランドデータを管理すると同時に、車内ユーザー体験をカスタマイズして差別化する準備はできていますか。インフィニオンは、ユーザーの利便性向上およびセキュアなネット接続に適したソリューションを提供します。
MEMSマイクの詳細をご覧いただき、音声ユーザーインターフェイスおよびスマートスピーカー設計のためのソリューションをご確認ください。
インフォテインメントは、一般的にWi-Fiの車内アプリケーションで構成されますが、テレマティクスは、大まかに言えば、車外Wi-Fi接続、すなわち車から外部のWi-Fiネットワークへの接続を扱います。そのネットワークは、車庫に駐車しているときは家庭のWi-Fiネットワークであり、あるいは、公共ホットスポット、自動車ディーラーのWi-Fiネットワーク、工場現場のネットワークという場合もあります。
業界をリードするインフィニオンの車載品質のWi-Fi®およびBluetooth®のコンボソリューションは、コネクテッドカーのインフォテインメントとテレマティクスシステムに最適です。車外への高速コネクティビティの提供に加え、モバイルデバイスから車のインフォテインメントシステムへのデータの容易な同期とストリーミングを実現します。コンボソリューションは全ての車載グレードについて、最新のIEEE 802.11acに準拠したWLAN PHYおよびデュアルバンド(2.4 GHz/5 GHz)を提供します。これらの機能は、最大1080pの解像度で複数の車内ディスプレイを楽しむために必要な帯域幅を確保します。
テレマティクスコントロールユニットに推奨される製品は以下の通りです。
車載Wi-Fi+Bluetooth®コンボ:CYW89459およびCYW89373
車載Wi-Fi:CYW89273
Bluetooth® 5.0 SoC:CYW89820
車載無線コントロールレシーバー:TDA5240、TDA5225およびTDA5235
- 車クラウド間(V2X)通信
- 車車間(V2V)および車インフラ間(V2I)通信
- フリート管理および保守
- ロードサービス
- 緊急通報(eCall)
- 民生用デバイスとの統合
- セキュアな車載通信
車載ネットワーク技術は、急速に発展しており、通常はセキュリティ関連ではなかったアプリケーションにまで浸透してきています。ハードルが高くなり、よりきめ細かいセキュリティコンセプトが出現しています。それと同時に、複雑さも増大しています。消費者の期待は大きくなり、ローエンド分野でも新しくて画期的な快適機能やセキュリティ機能が要求されています。その結果、設計者は、ハードウェア/ソフトウェアの互換性によって複雑度を低減しなければならないというプレッシャーを受けています。
インフィニオンの車載セキュリティシステム向け設計資料、ツール、ソフトウェアの詳細をご覧ください。