インフィニオン、高精度3D磁気センサを発表 民生用 産業用アプリケーションで消費電力を削減

2015/05/12 | マーケットニュース

2015年5月12日、ドイツ(ミュンヘン)

独インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG、FSE:IFX/OTCQX:IFNNY)は、高精度な3次元(3D)センシングを超低消費電力で行える、小型6ピンTSOPパッケージ採用の 3D磁気センサ「TLV493D-A1B6」を発表しました。このセンサはX、Y、Z方向の磁界検出によって3次元のリニア及び回転動作の信頼性の高い測定を行えます。また、I 2Cデジタルインターフェイスの搭載により、センサとマイクロコントローラの間の双方向高速通信が可能です。

TLV493D-A1B6は、高精度な3次元測定や角度測定、もしくは低消費電力が要求される民生用産業用アプリケーション(ジョイスティックなど)や、 白物家電や多機能ノブに使われる制御素子、電力メーターの改ざん防止用途などに好適です。非接触位置検出に対応し、磁気しきい値の温度安定性が高いTLV493D-A1B6は、こうしたシステムの小型化、高精度化、堅牢化を可能にします。

インフィニオン テクノロジーズのセンス&コントロール事業担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのラルフ ボーネフェルド(Ralf Bornefeld)は、次のように述べています。「インフィニオンのTLV493D-A1B6は、これまでシステムの小型化、高精度化、堅牢化を考えることのなかった磁気センシングを使うアプリケーションでもそれらを可能にします。当社のTLV493D-A1B6は、新しい3D磁気センサ ファミリ(製品群)の出発点となります。今年はさらに、シフトレバーやステアリングコラムコントロールなどの自動車用途向けの3Dセンサも発売する予定です。」

より小型でエネルギー効率の高いeメーターシステムを可能にする3D磁気センサ「TLV493D-A1B6」
現在、メーター改ざんの試みを検知するためには、最大3個の大型磁石をつかった磁気センサ-外部磁界の各次元に1個ずつ-が必要です。

今後は、1個の3D磁気センサ「TLV493D-A1B6」で3次元分すべてのセンサを代替でき、eメーターの小型化とエネルギー効率の向上が期待できます。

TLV493D-A1B6の技術的詳細
3D磁気センサ「TLV493D-A1B6」は、磁界の3次元すべてを検出できます。このセンサは磁界のZ方向に水平ホールプレートを、X、Y方向に垂直ホールプレートを使用しており、3次元すべてで±150mT(ミリテスラ)という広範囲の磁界で使用できます。そのため、磁石の長い動きを測定し、カバーすることが可能です。また、動作スケールが広いことから、磁石回路の設計も容易で、堅牢かつ柔軟になります。

TLV493D-A1B6は各測定方向のデータ分解能が12ビットです。それにより、0.098mT/ビット(LSB)という高いデータ分解能を実現しており、磁石のどんな微少な動きでも測定できます。

TLV493D-A1B6の主要な開発目標の一つは低消費電力でした。「パワーダウンモード」では、わずか7ナノアンペア(nA)の電源電流しか必要としません。磁気測定を行う際には、パワーモードを5種類のいずれかに設定できます。たとえば「超低電力モード」に設定した場合、磁気測定は100ミリ秒ごとに1回(10Hz)行われ、消費電力は10マイクロアンペア(μA)です。測定サイクル間の時間は自由に設定できますから、システムに応じた設計ができます。連続測定でセンサを使用した場合でも、最大消費電力はわずか3.7ミリアンペア(mA)です。また、パワーモードは動作中でも変更可能です。

TLV493D-A1B6は標準的なI2Cデジタルプロトコルによって外部のマイクロコントローラと通信します。センサをバスモードで動作させて、配線のためのコストと労力を減らすことも可能です。

産業用・民生用アプリケーションを対象とするTLV493D-A1B6は、電源電圧2.7V~3.5Vで動作し、動作温度は-40℃~125℃です。本製品はインダストリー業界標準のJESD47に準拠しています。

開発サポート
短期間でのデザインインを可能にするため、インフィニオンでは評価ボード「3D Magnetic 2Go」を提供しています。無料の3Dセンサソフトウェアとの併用により、最初の磁気測定結果を得るまでに分単位の時間しか要しません。評価ボードには、ARM® Cortex®-M0プロセッサを搭載したインフィニオンの32ビット マイクロコントローラ「XMC1100」が使用されています。

供給状況について
評価ボードの「3D Magnetic 2Go」はすでに提供を開始しています( http://ehitex.com/)。民生用 産業用アプリケーション向けに設計されたTLV493D-A1B6のエンジニアリングサンプルは2015年7月から提供されます。量産開始は2016年1月からの予定です。自動車市場のお客様に製品をご利用いただくために、インフィニオンでは本センサについて車載規格AEC-Q100準拠の信頼性試験を完全実施する方針です。車載品質が認定されたTLE493D-A1B6の量産は2016年半ばに開始される見込みです。

Sensor+Test 2015(於:ドイツ ニュルンベルク、会期:2015年5月19日~21日)に出展
インフィニオンは最新の磁気センサ「TLV493D-A1B6」をはじめ民生用 産業用 自動車アプリケーション向けのホールセンサ、磁気センサ、圧力センサの製品群を、国際見本市「Sensor+Test 2015」で紹介いたしました。

見本市でご紹介した主なポイントについては、 www.infineon.com/sensortest をご覧ください。
インフィニオンの3D磁気センサについての詳細や製品ニュースは、 www.infineon.com/3Dmagnetic でお読みいただけます。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は半導体分野の世界的リーダーです。インフィニオンはエネルギー効率、モビリティ、セキュリティという、現代社会が抱える3つの大きな課題に応えています。2014会計年度(9 月決算)の売上高は43億ユーロ、従業員は世界全体で約2万9,800人です。インフィニオンは2015年1月、パワー半導体技術の有数のプロバイダーであり、11億米ドル(6月29日を期末とする2014会計年度)の売上高と約4,200人の従業員を持つ米国企業のインターナショナル・レクティファイアーを買収しました。

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFATV201505-055

Press Photos

  • Infineon’s 3D magnetic sensor TLV493D-A1B6 features highly accurate three-dimensional sensing with extremely low power consumption. It suits consumer and industrial applications such as joysticks; control elements used for white goods and multi-function knobs; and electric meters where it helps to protect against tampering.
    Infineon’s 3D magnetic sensor TLV493D-A1B6 features highly accurate three-dimensional sensing with extremely low power consumption. It suits consumer and industrial applications such as joysticks; control elements used for white goods and multi-function knobs; and electric meters where it helps to protect against tampering.
    3D Magnetic Sensor TSOP6

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