インフィニオン、非対称暗号化技術を使用した、世界初、最新世代の電子パスポートにセキュリティ チップを供給

2013年8月1日、ノイビーベルク（ドイツ）

独インフィニオン テクノロジーズは本日、Supplemental Access Control（SAC）プロトコルを採用した世界初の電子パスポートに同社製セキュリティ チップが採用されていることを発表しました。SACによって、不正アクセスや個人情報の潜在的な悪用に対する保護能力が高まります。コソボ共和国の発給するパスポートには、インフィニオンのセキュリティ チップの「インテグリティ ガード」技術を備えた「SLE 78」製品ファミリーが採用されており、この技術は最高水準のデータ セキュリティを長期的に保証するもので、長 期間使用される政府系ドキュメントに最適といえます。なお、コソボ共和国の電子パスポート ソリューションの製造は、ドイツのGiesecke & Devrient社が担当しています。

インフィニオンのカーステン ロシンスキー（Carsten Loschinsky）（チップカード&セキュリティ事業本部 政府系ID担当責任者）は、次のように述べています。「 当社のセキュリティ チップは、より高いデータ セキュリティを実現する上での、技術的な前提条件を提供し、電子パスポートや電子IDの信頼性を、公共機関と市民の双方の立場から実現します」

非接触通信によるパスポートに保存されたデータアクセスのセキュリティ要件は高まり続けており、これに応えるべく、ICAO（国際民間航空機関）は現在、SACプロトコルの使用を推奨しています。こ れまでのBAC（Basic Access Control）プロトコルとは異なり、SACは、非対称暗号化技術を採用しています。今後、欧州連合（EU）域内では、2 014年12月以降に発給される電子パスポートは、SACの導入が義務づけられます。コソボ共和国は、欧州の中で初めて新要件に準拠した国であり、80万冊の電子パスポートの発給を予定しています。

市場調査会社IHSの現時点での算定によると、欧州で流通している電子パスポートの数は、約1億9,200万冊に上ります。地域内では、年 間3,000万冊以上の電子パスポートが新規発給されています。

デジタル セキュリティ技術「インテグリティ ガード」を採用したセキュリティ チップは、現在入手可能なデータの不正操作技術に対し、最高水準の保護を実現します。パスポート保有者の個人情報は、セ キュリティ チップ上で、暗号化された形で保存されるだけでなく、処理についても暗号化された形で行われます。さらに、「SLE 78」セキュリティ コントローラでは、16ビット アーキテクチャの採用によって、演算能力も向上しており、出入国時の処理をより高速に行うことができます。詳細については、下記URLをご参照ください。
http://www.infineon.com/integrityGuard

世界のネットワーク化に対応したセキュリティソリューション

 インフィニオンは、チップカードやセキュリティのさまざまなアプリケーション向けに、セキュリティ、非接触通信、組 み込み制御向けソリューションの各分野のコア技術を応用したセキュリティ半導体製品の広範なポートフォリオを取り揃えています。この専門性を通じて、モバイル決済、システムセキュリティ、セ キュアな電子IDドキュメントなど、ネットワーク化が進む社会のセキュリティ向上に貢献しています。インフィニオンは、ハ ードウェアベースのセキュリティ分野で25年以上にわたって画期的なソリューションを開発しており、15年にわたって世界市場トップの座を維持しています。インフィニオンのチップカード＆セ キュリティソリューションについての詳細は、下記URLをご参照ください。
www.infineon.com/chip-card-and-security

インフィニオン テクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率、 モビリティ、 セキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 012会計年度（9 月決算）の売上高は39億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト： http://www.infineon.com
日本法人サイト： http://www.infineon.com/jp