インフィニオン、診断機能を内蔵したスマートパワースイッチを発表、24V産業用機器の信頼性を向上

2012/11/07 | マーケットニュース

ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオン テクノロジーズは本日、24Vの産業用制御アプリケーションやオートメーション アプリケーションを対象とした、ガルバニック絶縁の8チャネル ハイサイド スイッチ「 ISOFACE™」の第2世代製品を発表しました。新製品の「ISO2H823V」は、広範な診断機能を内蔵しており、機器の状態を可視化することで、高コスト機器のダウンタイムを大幅に削減できます。本 デバイスは、産業用コントローラの低電圧・制御側のコンポーネントと、作業現場への出力チャネルを絶縁します。

産業用機器の制御側とプロセス側のガルバニック絶縁を行うソリューションでは、動作温度範囲の限られるオプトカプラの使用が一般的であり、老朽化や温度ドリフトの影響を受けやすくなっています。「 ISO2H823V」ICは、2.5kVの絶縁(IEC 61131-2の要件に準拠)に対応しており、動作温度範囲に優れ、デジタル出力や制御機能を備えており、そ れぞれ600mAで8つの出力チャネルの駆動が可能です。この結果、堅牢性が向上するだけでなく、最終的なPCB設計の寸法は、オプトカプラ使用の設計と比べると、2分の1になります。

新型ICは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、分散型制御システム、産業用PC、汎用制御機器など、24Vの産業用制御システムの各種アプリケーションに幅広く対応します。大 規模な化学プラント、生産ライン、フィールド アプリケーションの重機など、連続動作が絶対不可欠なシステムの場合、予定外のダウンタイムを最小限に抑え、修理が必要な際にはこれを迅速に行えるという点で、内 蔵診断機能の果たす役割は極めて重要です。

インフィニオンのトーマス シュミット(Thomas Schmidt)(アプリケーション マーケティング担当ディレクター)は、次のように述べています。「産業プロセスで、1 台の機械にダウンタイムが発生した場合、ラインの停止・再開プロセスにより、生産の再開には数時間を要し、生産のロスやムダは甚大なものとなります。しかし、広範なオンチップ診断機能により、パ ワースイッチの状況をリアルタイムで把握できるため、機器サプライヤは、より堅牢で、信頼性が高く、修理しやすい制御電子機器を提供し、産業用機器ユーザのトラブルを最小限に抑えることができます。」

「ISO2H823V」のオンチップ診断機能は、オープン負荷、短絡回路の状況、過熱動作をチャネルレベルで検出できます。ICレベルでは、供給電圧、出力状態、過熱状況、伝送エラーを監視します。そ こで提供されるシステム情報は、詳細かつ多岐にわたるため、予防的な保守が可能であり、過酷な状況時のシステムの急なシャットダウンを防ぐことができます。

ハイサイド スイッチICの出力側は、24VDC動作(11~35Vの範囲)に設定されており、回路保護用の52Vクランプダイオードが採用されています。8つの出力チャネルはそれぞれ、1 50mOhmのオン抵抗(Rds(on))(Typ.値)を持ち、短絡回路保護に対応しています(有効電流は1.0Aに制限)。制御側の動作電圧は、3.3Vです。デバイスの状態の表示は、入 力側と出力側の両方で、LEDマトリックス向けの内蔵ドライバによって行われます。

出荷状況とパッケージ
「ISO2H823V」は現在、12×12mmのVQFNパッケージでサンプル出荷を開始しています。システム評価ボードも提供中です。量 産出荷の開始は2013年第1四半期を予定しています。

ISOFACE™デバイス ファミリについての詳細は、下記URLをご参照ください。
www.infineon.com/isoface

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 011会計年度(9月決算)の売上高は40億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,000人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

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INFPMM201210.012