インフィニオン、2010会計年度の見通しを修正:売上高増加率は30%台後半、事業部合計の利益率は10%強 第2四半期(1~3月)は、事業部合計の利益率が10.6%となり、堅調な業績を達成

2010/04/28 | 四半期レポート

ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは本日、2010年3月31日を末日とする2010年会計年度第2四半期の業績を発表しました。

第2四半期の売上高は前四半期比10%増
第2四半期のインフィニオンの売上高は10億3,500万ユーロで、前四半期比で10%、前年同期比では55%という大幅な伸びを達成しました。イ ンフィニオンの第2四半期の事業部業績合計は1億1,000万ユーロの利益で、前四半期から25%増となりました。第2四半期の純利益は、前四半期の6,600万ユーロに対し、7,900万ユーロでした。

2010年度第3四半期(4月-6月)の見通しと、2010年度通年(9月末)の見通し修正
2010年度第3四半期の売上高は、第2四半期との比較で1桁台後半の増加、第2四半期の事業部合計の利益率は2~4ポイントの増加と予想されます。

2010年度上半期の堅調な業績が年度末まで継続すると予想されることから、インフィニオンは、2010年度の見通しを修正しました。同社は現在、売上高増加率が前年度比で30%台後半となり、事 業部合計の利益率も10%を上回ると予想しています。

インフィニオンテクノロジーズ最高経営責任者(CEO)のピーター・バウアーは次のように述べています。「当社の堅調な業績は、一般的な景気回復の結果であるだけでなく、当 社の継続的かつ強力なコスト管理を反映しており、インフィニオンの戦略的方向性の正しさが確認されています。お客様との持続的な関係を通じ、当社は現在、著しく成長中の市場セグメントでシェアの獲得に力を注ぎ、こ れを実現しています。オートモーティブ、インダストリアル・マルチマーケット、チップカード&セキュリティの3事業部の第2四半期の成長は、当初の予想を上回るものでした。また、ワイヤレス・ソ リューション事業部では、一般的な季節的落ち込みは見られませんでした。現在の環境下のこの業績結果は、下半期に予測される方向性を明確に示していると考えます。そのため、2 010年度通年の見通しについては再び上方修正を行っており、現在のところ、通年の売上高は30%台後半の増加、事業部合計の利益率は10%強を見込んでいます」。インフィニオンは以前、売 上高の増加率を20%以上、事業部合計の利益率を1桁台後半と予想していました。

第2四半期の売上高が前四半期比で10%増加したことの理由としては、すべての事業部で旺盛な需要が見られ、オートモーティブ(ATV)事業部とインダストリアル・マルチマーケット(IMM)事 業部で最高の成長を達成したことが挙げられます。ワイヤレス・ソリューション(WLS)事業部は概ね安定しており、米ドルの対ユーロ高などに支えられる形で、予想された季節的落ち込みは見られませんでした。さ らに、継続的な景気回復により、サプライチェーンとエンドユーザの需要がさらに拡大したことで、再び堅調な増収となりました。

第2四半期の事業部業績合計は1億1,000万ユーロで、前四半期の8,800万ユーロから25%増加しました。米ドル建てコストの増加とヘッジングを原因として、米 ドル高の好影響による事業部合計へのプラスの影響はありませんでした。第2四半期の事業部合計の利益率は、前四半期の9.4%に対し、10.6%でした。事業部業績合計の増加は、前 四半期との比較で販売レベルが上昇したこと、生産施設がフル稼働したことを反映したものです。

第2四半期の継続事業からの利益は8,100万ユーロでした。これに対し、第1四半期は4,600万ユーロの損失でしたが、これにはインフィニオンとIBM合弁会社、ALTIS(フランス)の 非連結化に関連する臨時営業費用8,100万ユーロが含まれていました。

第2四半期の非継続事業からの法人税差引後損失は200万ユーロでした。

第2四半期の純利益は7,900万ユーロで、前四半期の6,600万ユーロから20%増加しました。前四半期の純利益には、ランティク(Lantiq)へ のWLC事業部の売却による税引後利益1億600万ユーロが含まれており、これはALTISの非連結化に関連した臨時営業費用8,100万ユーロを補って余りあるものでした。第 2四半期の基本および希薄化後一株あたり利益は、前四半期の0.06ユーロに対し、0.07ユーロでした。

第2四半期のインフィニオンの継続事業からのフリーキャッシュフローは1億4,100万ユーロでした。これに対し、第1四半期の継続事業からのフリーキャッシュフローは1,400万ユーロで、こ れには、ALTISの非連結化による8,800万ユーロの現金流出分が含まれていました。資産化された無形資産を含む第2四半期のCapExは、生産施設への投資の拡大と無形資産の資本化の両方を反映し、前 四半期の4,800万ユーロから増加し、6,300万ユーロとなりました。減価償却額は前四半期の1億600万ユーロに対し、9,700万ユーロとなりました。

第2四半期末のグロス現金残高は、16億6,700万ユーロでした。継続事業からの堅調なフリーキャッシュフローにも関わらず、第1四半期末の16億7,800万ユーロから微減となったのは、2 010年6月に満期を迎える同社の劣後転換社債の一部を簿価総額1億3,900万ユーロにより任意で買い戻したことが主な要因でした。全体的には、2010年3月31日時点のインフィニオンの純現金残高は、2 009年12月31日時点の8億7,400万ユーロから増加し、9億9,500万ユーロとなりました。

2010年度第3四半期の見通し
売上高は前四半期比で増加、事業部の利益率はさらなる増加を達成
ドルの対ユーロ為替レートが1.40であるとの仮定に基づき、インフィニオンは、2010年度第3四半期の売上高について前四半期比で1桁台後半の増加を予想しています。第 3四半期の事業部合計の利益率は、第2四半期から2~4ポイント増加すると予想されます。

WLS事業部とIMM事業部では、売上高が前四半期から増加すると予想されますが、ATV事業部とチップカード&セキュリティ(CCS)事 業部の売上高は第2四半期と同水準に留まる見込みです。

2010年度の見通しを修正
売上高の増加率は30%台後半、事業部の利益率は、10%強の見込み

2010年度上半期の業績と現在確認できる状況に基づき、インフィニオンは再び、2010年度全体の見通しを上方修正しました。

インフィニオンは現在、通年の売上高が前年度比30%台後半の増加率を達成すると予想しています(2010年度下半期の米ドルの対ユーロ為替レートを1.40と仮定)。同社では、こ うした前年度比での増加の要因として、全事業部の増収を予想していますが、増収の大半はATV、IMM、WLS事業部によるもので、CCS事業部の売上増加率は低いものと予想されます。その他の事業部門( Other Operating Segments)の売上高は主に、ランティクとの製品供給契約によるもので、現在のところ、全体で数億ユーロと予想されています。

インフィニオンでは、2010年度の事業部業績合計が前年度から大幅に向上すると予想しており、事業部合計の利益率は現在、10%強と予想されています。

ダイナミックな増収、生産施設のフル稼働、開発マイルストーン計画を考慮し、資産化された無形資産を含む2010年度のCapExは3億ユーロ以上と予想されています。これは、以 前のガイダンスの上限である2億5,000万ユーロや、2009年度に報告された資産化された無形資産を含むCapExの1億5,400万ユーロを上回ります。以前に発表した通り、2010年度の原価償却額は、2 009年度の5億1,300万ユーロに対し、約4億ユーロとなる見込みです。

すべての事業部で売上高と事業部業績が大幅に向上
第2四半期のATV事業部の売上高は、全地域の継続的な需要増とサプライチェーンの在庫補充により、前四半期比で13%増加しました。 ATV事業部の事業部業績は、増収に牽引される形で、前 四半期比で大幅に上昇しましたが、65ナノメートル・マイクロコントローラと統合パワーロジック製品に対する研究開発費の高騰によって一部相殺されました。

IMM事業部の売上高は、コンシューマ製品、コンピューター製品、産業製品に対しエンドユーザからアジアを中心に旺盛な需要が発生したのを反映し、前四半期比で15%増加しました。I MM事業部の事業部業績は、販売量が増加し、事業部の製品ミックスが若干改善されたことにより、前四半期から大幅に向上しました。

CCS事業部の売上高は、決済事業が大きく、モバイル通信事業が若干貢献した結果、前四半期比で19%増加しました。CCS事業部の事業部業績も、前四半期比で向上しました。

第2四半期のWLS事業部の売上高は、通常の季節的要因に反し、予想を大きく上回りました。大手携帯電話メーカーの顧客からの旺盛な需要の継続、関連する新型携帯電話プラットフォームの立ち上げ、米 ドルの対ユーロ高などに牽引され、売上高は前四半期比でほぼ横ばいでした。売上高の微減、製品ミックスのシフト、立ち上げ時の導入コストの影響を反映し、WLS事業部の事業部業績は、前四半期から減少しました。米 ドル高は売上にプラスの影響を及ぼしたものの、米ドル建てのコストも増加したことと、ヘッジングにより、事業部業績への影響はわずかなものでした。

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INFXX201004.43

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