インフィニオンが次世代トランスミッション設計用スターターキットを発表、制御精度と燃費を向上させる先進プラットフォーム

2006/10/17 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、デトロイトで開催中のカーエレクトロニクス見本市「コンバージェンス2006」において、業界最高の制御精度を持つスターターキット・プラットフォームを発表しました。ワ イドレンジのギア比を持つ次世代オートマティックトランスミッションに対応したこのプラットフォームは、主要ICコンテンツを完備したトランスミッション制御ユニットで、5~7速に対応するほか、電 流ドライバによる新しいトランスミッションソレノイド制御IC、自動車用の強力な32ビット新マイクロコントローラ、新しいマイクロコントローラ電源IC、パワーIC、通信ICなど、イ ンフィニオンの広範な自動車関連製品から構成されています。

インフィニオンテクノロジーズ ノースアメリカのクリストファー・クック(自動車・産業・マルチ市場ビジネスグループ ゼネラルマネージャー)は次のように述べています。「このスターターキットは、エ ンジン動力を生かしてより円滑な操作と燃費向上を実現する先進的なトランスミッションの基本設計プラットフォームです。インフィニオンは社内のシステムノウハウを通じて半導体設計を最適化し、自 動車産業の最も難しいアプリケーション課題を克服して、弊社のお客様が数年先に市場に出回る自動車の設計するOEMメーカーのニーズに応えることを可能にします。」

ワイドレンジのギア比は操縦性と効率の向上をもたらすため、もはや高級車に限らず乗用車や小型トラックなどにも広く普及し始めており、6 速トランスミッションであれば燃費は車種により3~7%向上します。従来の3~4速トランスミッションよりもワイドレンジのギア比を持つ車を新たに設計する場合は、これまで以上に精度や柔軟性、機 能性の優れた制御エレクトロニクス装置が必要となります。

インフィニオンのスターターキットのデモでは、業界最高精度の制御性能を発揮するコンポーネントを使用しています。例えば、ソレノイド制御ICの精度は2%で、通 常の4速トランスミッションの精度5%を大きく上回っています。スターターキット・デザインの主要コンポーネントには、インフィニオンが「コンバージェンス2006」で発表する次の3製品が含まれます。

・リニアソレイド用TLE7241Eデュアル定電流ドライバとTLE7242Gクアッド固定周波数定電流プリドライバ: 2%の精度(通常は精度5%)を 持ちSPIインターフェースによるプログラミングの柔軟性が特長。
・32ビットTC1764マイクロコントローラ:
インフィニオンの実績ある自動車用MCUアーキテクチャTriCoreと、2ndコアの32ビットペリフェラル・コントロール・プロセッサ(PCP)、お よびトランスミッション用に最適化されたペリフェラル機能を1つのチップに統合。
・TLE7368 (SuperSonic):
標準車載バッテリーの電圧を32ビットMCUの駆動レベルに変換する多機能電源IC。

スターターキット・デザインに含まれるその他のコンポーネントには、CAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)トランシーバと各種パワーデバイス(PROFET、マルチチャネル・ローサイド・ス マートパワースイッチ、ディスクリートデバイス)があります。

また、デモ用のソフトウェアは、基本設計の機能性を証明し、異なるギア比構成を検証するために設計されたものです。特定車種の設計ニーズに合わせてプラットフォームを最適化するためのソフトウェアは、 通常はインフィニオンのお客様の側で開発していただくことになります。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、子会社「Qimonda (キマンダ)」を通してメモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。2005会計年度(9月決算)の売上高は67億6,000万ユーロ、2 005年9月末の従業員数は約36,400名でした。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。< /div>
本社サイト: http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp
 

Information Number

INFAIM200610.007