インフィニオンのICカード用積層型チップがセサミ賞ハードウェア部門で受賞

2004/11/03 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、同社の最新のICカード用コントローラが、ICカード業界の2004年度ベスト・ハードウェア・イノベーションとして「 セサミ(Sesames)賞」を受賞したと発表しました。今回で9年目となる同賞の発表が、パリで開催の展示会「Cartes & IT Security 2004」(会期:2 004年11月2~4日) で行われました。インフィニオンのセサミ賞受賞は3度目になります。インフィニオンはまた、パートナーのソニー、トラステッド・ロジック、ビザ・インターナショナル・アジア・パ シフィックと共に、「ベスト・ソ フトウェア」にもノミネートされました。

インフィニオンが受賞した「ベスト・ハードウェア」の対象となったのは、新しいICカード用32ビット・コントローラです。このコントローラは、対面配置(Face-to-Face)構造の革新的な「 チップ・サンドイッチ」技術を用いて、現行のICカード用コントローラ(記憶容量128KB)に比べて8倍の記憶容量(1MB)を実現しています。

ICカードに使用されるチップは、面積が約25平方ミリメートルに制限されています。機能拡張の余地は限られ、しかも、新しい製造技術を開発する必要があるので非常に高価になります。イ ンフィニオンが開発したチップ積層技術は、ICカード・アプリケーションにおいて性能面で新しい可能性を拓きます。受賞したチップ「SLE88CFX1M00P」は、携 帯電話用SIMカードに大幅な性能向上をもたらす契機になると期待されます。この分野では現在、メッセージサービス(SMSやMMS)やアドレス帳収録数拡大の要求により、記 憶容量拡張のニーズが非常に高くなっています。インフィニオンは現在、世界のSIMカード用ICのうち3分の1を供給しています。

インフィニオンでは、革新的な対面配置技術とその他の既存技術を適用し、チップ面積を2倍にすることにより、現行のICカードに比べて記憶容量が100倍(20MB)以 上に達するICカード用マイクロコントローラを製造することが可能です。

インフィニオンは、ICカード用チップ分野で技術開発と製品セキュリティをリードし、販売数量と売上高では6年連続で世界第1位となっています。2003年には約11億個のICカード用チップを出荷し、市 場全体(総数20億個以上)で53パーセントのシェアを獲得しました。売上高では、米市場調査会社ガートナーによると、2003年のICカード用チップ市場(総額12億6,000米ドル)の うちインフィニオンのシェアは41パーセントに達しました。

セサミ賞について
セサミ(Sesames)賞は、ICカード業界と関連業界における傑出した功績を表彰します。主催者によるとセサミ賞は、カードメーカーと関連業界にとっての国際基準として、比 類のない権威を持つようになりました。2004年度セサミ賞では、部門ごとにICカード業界で活躍する3~5名の審査員で構成される国際パネルが、合計126社の候補の中から9件の受賞対象を選定しました。「 ベスト・アプリケーション」部門の7件と共に、「ベスト・ハードウェア」部門と「ベスト・ソフトウェア」部門で1件ずつが受賞しています。

2004年度セサミ賞「ベスト・ハードウェア」部門では、カード、トークン、チップ、電子部品、読み取り装置、読み取り装置の生産および印刷材料を対象に選考が行われ、ノミネートされた3件の中から、カ ード業界にブレークスルーと大きなメリットをもたらす最高の製品が選ばれました。

セサミ賞の詳細については、下記サイトをご参照ください:
http://www.cartes.com

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFSMS200411.014