インフィニオンとグローバルロケートが携帯電話用A-GPS受信ICを共同開発 - 日本市場における2007年4月からの義務化にも対応 -

2004/10/12 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズと米グローバルロケートは、携帯電話やPDA向けとして業界最高水準の性能を持つシングルチップ型A-GPS( Assisted Global Positioning System)受信ICを共同で開発していることを発表しました。「Hammerhead」と呼ばれる新チップは、G PSのRFおよびベースバンド機能を集積し、携帯電話向けの緊急支援サービスや位置情報利用サービスを可能にします。新チップはグローバルロケートの「IndoorGPS」技術を搭載し、こ れによって深いビルの谷間、走行中の自動車、さらには屋内でもGPSの動作が確保されます。今回の共同開発で、グローバルロケートはベースバンド設計、信号処理、A -GPSソフトウェアに関する技術やシステムレベルのノウハウを提供し、インフィニオンはRF設計、システム統合、プロセス技術、製造などの専門技術を提供します。両社は「Hammerhead」チ ップを共同で販売します。

インフィニオンとグローバルロケートのA-GPSチップ「Hammerhead」は、通常のオープンスカイ屋外信号より1000分の1も微弱なGPS信号を検知できます。設 計は全面的に携帯電話ハンドセット向けに最適化されています。消費電力が非常に低く抑えられ、極めて優れた性能を持ち、7mm×7mmというサイズは携帯電話ダイヤルパッドの1個のキー並みの小ささです。& amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; lt; /p>

インフィニオンのドミニク・ビロ(セキュアモバイルソリューション事業グループ最高マーケティング責任者)は、「この先端的なシングルチップA-GPSが携帯電話ハンドセットに採用されれば、ユ ーザにとって最寄りの給油所、病院、レストランなどを見つけるのが非常に容易になります。携帯電話ユーザが緊急電話コード(例:米国では911、欧州では112)の呼び出しを行った場合、そ れが屋内からであっても屋外からであっても、非常に正確な位置情報に基づいた緊急サービスを提供することが可能になります」と、述べました。

米国では、米国連邦取引委員会(FCC)の指令E911により、A-GPS対応携帯電話が必要となっています。この指令では、すべての無線サービスプロバイダに対し2005年末までに、携 帯電話から発せられる緊急通報を正確に追跡できるよう、インフラをアップグレードすることが要求されています。日本でも、2007年4月以降に発売される全ての第3世代携帯電話に対し、緊 急サービスをサポートするためのA-GPS機能が必要とされています。

ドミニク・ビロは、「2008年には世界で販売される携帯電話総数が7億3,000万台以上に達すると予測されます。その時までに、4台のうち1台以上がGPS機能を搭載することになるでしょう」と、述 べました。

A-GPS方式について
GPS(全地球測位システム)は、衛星ナビゲーションシステムのひとつです。ユーザは、例えば携帯電話を使用して、地球上の正確な自分の位置をいつでも、どこでも、ど んな天候でも、ピンポイント的に特定できます。地球周回軌道上には28基以上のGPS衛星が配備され、信号を放送しています。この信号はGPS受信機があれば、誰でも検知できます。受 信機を用いて多数の衛星からの距離を同時に測定することにより、三角測量と似た方法で、地球上のどんな場所にいても、自分の位置を正確に特定できます。GPS受信機は世界中で、自動車、トラック、船舶、航 空機などに幅広く利用されています。

従来はGPSを用いた位置情報利用サービスを携帯電話へ導入することは困難でした。携帯電話が通常使用される屋内、走行中の自動車の車内、その他の環境では、微弱な信号を検知するのが困難だからです。屋 外でも、従来の携帯電話用GPS受信機では、衛星ナビゲーションデータを受信して正確な位置を計算するのに数分かかります。A-GPS方式では、セルラー接続を利用し、遠 隔で収集された衛星ナビゲーションデータを基地局から携帯電話に送信します。これによってユーザは、自分の正確な位置をわずか数秒でピンポイント的に特定できます。A-GPS方式と「Hammerhead」チ ップのユニークな信号処理機能によって、かつてない速度と感度が実現されます。

グローバルロケートのドナルド・フクス(ビジネス開発担当エグゼクティブ・バイスプレジテント)は、「A-GPSは、収益源としての位置情報利用サービスにとって卓越した技術です。ユ ーザはそれを緊急サービス、友人や家族の見つけ出し、ゲーム、単純なポイント・ツー・ポイント・ナビゲーションなどに利用できます。位置情報利用サービスは、ユーザに付加価値をもたらし、携 帯電話ネットワーク事業者にとっては新たな収益源となります。

「Hammerhead」チップの技術説明
「Hammerhead」チップ(型名:PMB2520)は、A-GPS受信機に必要とされる全機能を初めてワンチップ化した製品です。MS-A(Mobile Station-Assisted)モード、MS-B(Mobile Station-Based)モード、自律(Autonoumous)モード、エンハンスドトラッキング(Enhanced Tracking)モードの各モードをサポートします。高い感度(-161dBm)によりオープンスカイ屋外信号よりも1000分の1も微弱なGPS信号を検知可能で、クラス最高の屋内性能を提供します。こ のシングルチップ受信ICは、寸法が7mm×7mmで実装面積が非常に小さく、小型電子機器に容易に組み込めます。携帯機器用に最適化されたユニークなアーキテクチャを採用し、追 加のRAMないしROMメモリ容量は不要なので、部品数が少なく抑えられます。「Hammerhead」チップは、インフィニオンの0.13μm RF-CMOSプロセス技術を適用して製造され、標 準VQFN-48グリーン・パッケージ(48ピンVery thin Quad Flatpack Non-leadedパッケージ)に収納されます。インフィニオンとグローバルロケートは、2 005年第1四半期にサンプル出荷を開始する予定です。「Hammerhead」チップの価格は1万購入時に6.50ユーロとなる予定です。

「Hammerhead」製品は、グローバルロケートとインフィニオンの多面的なパートナーシップの継続から生み出されました。インフィニオンは、グローバルロケートが2003年に開発・発 売して好評を得ているRFチューナ「GL-LN-22」のファンドリを引き受けています。また、両社は2004年2月に、インフィニオンのUMTS、EDGE、G PRS標準をサポートするマルチメディア携帯電話リファレンスデザイン「MP-1」に「IndoorGPS」機能を付加することで提携しました。

グローバルロケートについて
グローバルロケート(Global Locate, Inc.)は、無線機器やネットワーク用のA-GPS製品とサービスを供給している個人オーナー会社です。本 社はカリフォルニア州サンノゼにあり、ニューヨーク大都市圏、東京、マドリッドに販売事務所を持っています。同社のA-GPS製品には、「World Wide Reference Network(WWRN)」 、「A-GPS Server」、高集積「Global Locate IndoorGPS」チップセットなどがあります。詳細情報は、下記サイトをご参照ください:
http://www.globallocate.com

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFSMS200410.004

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  • The Hammerhead chip is an extremely sensitive, low power single-chip Assisted GPS receiver specifically developped for use in mobile phones.
    The Hammerhead chip is an extremely sensitive, low power single-chip Assisted GPS receiver specifically developped for use in mobile phones.
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