インフィニオンが次世代サーバ市場に向けて業界初の完全バッファ型DIMM用テストチップを完成

2004/08/09 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは本日、次世代サーバ用DDR2 DRAMモジュールに使用されるAMB(Advanced Memory Buffer) のテストチップの開発に成功したことを発表しました。AMBは、サーバ用メモリの新たな標準とされるFB-DIMM(完全バッファ型デュアル・インライン・メモリ・モジュール)の中核デバイスです。イ ンフィニオンは、社内で培った高周波チップ設計およびDRAM技術の専門知識を結集し、FB-DIMMの全ての基幹部品をシングルソースで提供する完結したソリューションを実現することにより、A MBおよびFB-DIMMの開発を先導していきます。

DDR2からDDR3へと継続的に進むDRAMの高速化により、バスへの負荷が制限される一方、サーバ内で処理されるデータ量は増大していることから、新しい革新的なサーバ用メモリ・ア ーキテクチャが要求されています。現在使用されているメモリモジュールは、バスへ並列に挿入されので(マルチドロップ・バス・アーキテクチャ)、高速化に伴って挿入できるモジュールの数が制限され、大 容量化が困難となってきています。FB-DIMMのチャネル・アーキテクチャでは、ポイント・ツー・ポイント接続が導入され、DRAMのI/O速度に依存せずに、システムのモジュール搭載数を増やすことができ、高 速DRAMの大容量化を実現することが可能となります。各FB-DIMMに配置されるAMBは、DIMM上でDRAMとの間のデータ受け渡しを行い、AMBチップ上でデータを内部にバッファしながら、後 続のDIMMのAMBまたはメモリ・コントローラとの間でポイント・ツー・ポイントでのデータの送受を行います。従って、AMBは新しいFB-DIMMメモリ・ア ーキテクチャの開発において重要なポイントとなります。

インフィニオンのカルステン・ガツケ(メモリ製品グループの製品マーケティング担当シニア・ディレクタ)は、「当社は業界でFB-DIMMのリーディング・ベンダを目指しており、サ ーバおよびワークステーション市場をターゲットとするこの競争力のある量産製品により、大きな販売シェアを達成できると見込んでいます」と述べました。また、クリスティアン・シェルプ( インフィニオンテクノロジーズ・ノースアメリカ社の有線通信グループ副社長兼ゼネラル・マネージャ)は、「インフィニオンは高周波チップ設計のノウハウと広範なDRAMの専門知識を結集しており、そ れが今回の大きな一里塚達成の原動力となっています。当社はその広範な実力を活かして、AMBのさらなる開発を推し進め、先端ソリューションで台頭してくる市場に取り組んでいきます」と述べました。

インテル社のアドバンスド・チップセット・ディビジョンの副社長兼ゼネラル・マネージャであるトム・マクドナルド氏は、「新しいFB技術は、JEDEC(米国電子デバイス技術合同協議会)で 仕様が標準化され、サーバ・プラットフォームでDIMMの速度とメモリ容量の両方を同時に高めることができます。FB-DIMMはまた、DDR2からDDR3への円滑な世代移行を促します。FB-DIMMは、2 006年ないしそれ以降に新しい重要なサーバ用メモリ技術となる高い可能性を有しています。サーバ機器のサプライヤは、長期的にバッファ型DRAMメモリ・ソリューションの必要性を認識しており、イ ンフィニオンのような企業との業界連携活動により、そうした革新的な高性能メモリ技術の導入を促進し、容易にするでしょう」と述べました。

インフィニオンのAMBテストチップは、データ挿入およびデータ・フォワーディング回路などの他の高速機能と高速I/Oステージとの両立を、業界で初めて当社独自のロジック・プ ロセス技術で成し遂げたものです。FB-DIMM標準では、物理的なメモリ・チャネル幅を縮小し、スループット・レイテンシを最小に抑えるため、データを6倍多重化して、高速化を図ることが想定されています。J EDEC標準では、DDR2-800を搭載したFB-DIMMに対して、I/Oピン1本あたりの所要データレートを最大4.8Gbpsとしています。インフィニオンのAMBテストチップの場合、す でに6.0Gbpsを達成しており、システムとして、かなりの動作マージンが生まれ、低いビット・エラー率が保証されます。インフィニオンは、このAMBテストチップの開発成功により、実測データを用いて、回 路設計のさらなる最適化を推し進めることが可能になりました。

DDR2 SDRAMを搭載したFB-DIMMの評価用サンプルは、2004年第4四半期に供給を開始する予定です。量産開始は2005年下半期を予定しています。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFMP200408.087

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  • Infineon Demonstrates Leadership in Next Generation Server Memory Modules; Complements Industry´s First Test Chip for Fully Buffered DIMMs
    Infineon Demonstrates Leadership in Next Generation Server Memory Modules; Complements Industry´s First Test Chip for Fully Buffered DIMMs
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