インフィニオンテクノロジーズが2004年4~6月の四半期業績を発表

2004/07/20 | テクノロジー メディア

梗概

  • 売上高は、対前四半期比14パーセント増の19億ユーロ
  • DRAM独禁調査関連の引当金が1億8,400万ユーロ増加
  • この引当金算入後で、純損益は5,600万ユーロの赤字、EBITは200万ユーロの黒字
  • 同算入前では、純損益は1億700万ユーロの黒字で、前四半期の3,900万ユーロの黒字、前年同期の1億1,600万ユーロの赤字から大幅に改善
  • 同算入前では、EBITは1億8,600万ユーロの黒字で、前四半期の7,100万ユーロの黒字、前年同期の1億1,600万ユーロの赤字から改善
  • 事業活動からのキャッシュフローが5億ユーロ以上に増加、フリーキャッシュフローは1億4,600万ユーロの黒字へ大幅改善

世界をリードする大手半導体メーカーの一社である独インフィニオンテクノロジーズが、2004年6月30日に終了した2004会計年度第3四半期(2004年4~6月)の業績を発表しました。第 3四半期の売上高は19億800万ユーロと、対前四半期比で14パーセント、対前年同期比では30パーセントの伸びをみせました。対前四半期比の伸びは主に、メモリ製品の価格上昇とセキュア・モバイル・ソ リューション製品の需要拡大によるものです。

インフィニオンテクノロジーズのマックス・ディートリッヒ・クライ暫定最高経営責任者(CEO)は、「4~6月に、世界の半導体市場はかなり勢いを増しました。その動きを当社が享受できたことは、独 禁関連の引当金を除いた時の業績の改善に反映されています。当社は第3四半期に多くの主要な研究開発プロジェクトに着手するとともに、世界中にまたがる生産拠点への投資を続行しました。こうした率先行動は、タ ーゲットとする市場で当社の製品ラインナップと地位の大幅な強化をもたらし、全事業グループにわたってさらなる生産性向上につながると見込まれます。こうしてインフィニオンは、収 益性の高い成長を目指す計画を達成する道を着々と切り拓いています」と、語りました。

第3四半期の業績
第3四半期には、米欧で進行中のDRAM独禁調査とそれに伴う民事訴訟の可能性に関連した引当金(後述)が1年前より1億8,400万ユーロ増えて、2 億1,200万ユーロにのぼりました。この引当金のため、第3四半期は5,600万ユーロの純損失(前四半期は3,900万ユーロの純利益、前年同期は1億1,600万ユーロの純損失)となりました。EBIT( 利息・税引き前損益)は200万ユーロの黒字で、前四半期の黒字7,100万ユーロを下回りました(前年同期は1億1,600万ユーロの赤字)。しかし、この引当金の影響を除けば、第 3四半期のEBITは1億8,600万ユーロの黒字になります。この引当金増加を除いて、前四半期および前年同期に比べて増収を達成したのは主に、メモリ製品部門のチップ価格上昇とセキュア・モバイル・ソ リューション部門の販売量拡大と生産性向上によるものです。

1株当たり(基本および希釈)利益は0.08ユーロで、前四半期の0.05ユーロを上回りました。もし前記の引当金増の影響がなければ、同 損益は前年同期の0.16ユーロの赤字から0.14ユーロの黒字へ大幅に好転しました。

研究開発費は3億800万ユーロ(前四半期は3億400万ユーロ)で、売上総額に対する比率は16パーセント(同18パーセント)でした。絶対額の増加は、台湾の上元科技(ADMtek)買収の結果、有 線通信部門の仕掛り研究開発費が900万ユーロにのぼったのが主因です。SG&A(販売管理費)支出は、総売上高の10パーセントに相当する1億9,400万ユーロ(前四半期は1億7,600万ユーロ、同 11パーセント)で、販売量拡大に伴う支出増と一部の臨時支出が反映されています。

フリーキャッシュフロー(事業活動および投資活動で獲得したキュッシュから有価証券の売買差額を加減した現金収支)は1億4,600万ユーロの黒字と、前 四半期の5,300万ユーロの黒字から大きく改善しました。この黒字増大は、事業活動からのキャッシュフローが前四半期の4億6,300万ユーロから5億600万ユーロへと伸びた結果です。グロス・キ ャッシュポジション(現金、現金等価物、有価証券および使途制限付き現金)は28億ユーロと、前四半期の29億ユーロから低下しました。第 3四半期にインフィニオンは2007年満期の転換社債計2億ユーロを償還しており、今後の利払い軽減につながります。

地域別売上高をみると、欧州以外の地域での売上高が総売上高の60パーセント(前四半期は58パーセント)を占めました。北米の比率は22パーセントで前四半期と変わらず、ア ジアの比率が前四半期の35パーセントから37パーセントに上昇しました。2004年6月30日現在の総従業員数は世界全体で3万4,400人、うち約6,900人が研究開発関係に従事しています。

第1~第3四半期の業績
2004会計年度第1~第3四半期(2003年10月~2004年6月)の売上高は52億200万ユーロと、前 年同期の43億9,600万ユーロに比べ18パーセントの増加を示しました。純利益は1,700万ユーロと、前年同期の純損失4億8,400万ユーロから大幅に改善しました。E BITは1億4,300万ユーロの黒字で、前年同期の3億6,600万ユーロの赤字から大きく好転しました。前記の引当金増加の影響を除けば、1 億8,000万ユーロの純利益と3億2,700万ユーロのEBIT黒字を計上したことになります。

DRAM独禁調査
前述したように、米司法省が2002年6月から、DRAM業界の米国連邦独禁法違反容疑の調査を行っています。インフィニオンでは、米子会社がその調査に応じています。米 司法省の調査開始に続いて、米国各地の連邦および州裁判所で、集団訴訟が計25件、インフィニオンなど複数のDRAMサプライヤを相手に起こされています。訴状では連邦および州の独禁法や競争法の違反を申し立て、 原告代理人を介して多額の被害を被ったと訴えています。インフィニオンはまた、幾つかの主要な顧客企業から、当社に嫌疑がかけられている反競争的行為から生じたとされる損害の補償を求められています。イ ンフィニオンはまた、欧州のDRAMメモリ市場での商慣行に関して、2003年4月に欧州委員会から情報提供請求を受けており、それにも対応中です。US-GAAP(米国の会計原則)に従って、インフィニオンは、 法的訴訟に関連した多額の訴訟費用を含む、負債額を計上しています。負債が生じた恐れがあり、その評価額を妥当に見積もることが可能な場合に、その額を計上しています。その結果、進 行中の独禁法調査と民事訴訟やそれに関連した費用に結びつく経費としてインフィニオンが計上した出費は、2004年度第3四半期末時点で2億1,200万ユーロとなり、前 年同期末の2,800万ユーロから拡大しました。これらの継続中の調査やそれに関連した訴訟およびクレームの結末および今後発生しうる経費を予測するには不確実性がつきまとうので、現時点ではインフィニオンは、こ れらの調査や訴訟およびクレームが当社に及ぼす財務上などの影響については、完全な推測はできません。

第3四半期の事業グループ別業績
自動車&産業グループの第3四半期の売上高は4億1,500万ユーロと、対前四半期比で9パーセント増、対前年同期比では16パーセントの伸びをみせました。対 前四半期比の増収は主に、自動車&産業用パワーソリューションの根強い需要とAC/DC電源事業の好調に支えられたものです。EBIT黒字は5,800万ユーロと、前四半期の5,100万ユーロ、前 年同期の5,000万ユーロをともに上回りました。対前四半期比のEBIT改善は特に、販売量増加と生産能力のフル稼働によるものです。

市場調査会社ストラテジー・アナリティクスの調べによると、2003暦年にインフィニオンの自動車事業は引き続き自動車用半導体市場を上回る成績をあげ、北米では2002年の5位から3位に浮上し、世 界第2位の地位をさらに強化しました。世界全体での市場シェアを2002年の8.2パーセントから8.7パーセントに伸ばし、売上高は対前年比21パーセントの成長をみせました。自動車事業では、主 要自動車サプライヤ各社から安全性アプリケーションのデザインウィンを獲得しました。インフィニオンはまた、FlexRayコンソーシアムに参加するとともに、A utoSAR開発連合のプレミアム会員になりました。この業界組織への参加は、当社が将来の自動車トレンドを早期に把握し、将来のシステム・ア ーキテクチャの定義作成で自動車業界の主要プレーヤと協調するのに役立ちます。市場調査会社IMSリサーチによると、イ ンフィニオンのパワー半導体事業は世界ランキングが2003暦年に前年の4位から首位へ躍進しました。加えて、当事業では、新しいパワーマネジメント&サプライ製品ファミリ「CoolSET F3」を 第3四半期に成功裏に立ち上げました。

有線通信グループの売上高は1億400万ユーロで、対前四半期比で5パーセント減、対前年同期比では13パーセント減でした。インフィニオンの上元科技買収は第3四半期に完了し、その結果、上 元科技の2カ月間の決算の連結算入を通じて、ブロードバンドCPE(顧客構内装置)からの最初の収入が計上されました。ただし、ナローバンド・アクセス製品と光ビジネスの減収分を穴埋めするには至りませんでした。 EBIT赤字は3,500万ユーロで、前四半期の1,900万ユーロから増えましたが、前年同期の9,900万ユーロに比べると縮小しました。なお、前 年同期の数字には営業権の減損損失6,800万ユーロが含まれています。対前四半期比のEBIT後退は特に、上元科技買収に伴う経費と減収が原因です。2004年4月にインフィニオンは、光 通信部品事業を米フィニサー社に売却することで合意しました。この取引は、フィニサー株主の承認と他の契約上の詰めが行われ次第、2004会計年度第4四半期に完了する見込みです。

市場調査会社ガートナーは最近、インフィニオンの有線通信グループが2003暦年に35パーセントの増収を達成したと報告し、有線通信市場全体でのその順位を7位から5位に格上げし、T /Eキャリアおよびアナログ・ラインカード分野ではトップに位置づけました。2004年度第3四半期には、インフィニオンは中国の大手通信機器サプライヤである中興通訊(ZTE Corporation)、イ スラエルのECIテレコムの両社からADSL2/2+ 局用チップセット「GEMINAX MAX」のデザインウィンを追加受注しました。加えて、インフィニオンは、初のシングルチップ型ADSL2/2+ CPE製品「Amazon」を投入し、ADSL CPE市場に参入しました。

セキュア・モバイル・ソリューション・グループは、第3四半期の売上高が5億2,500万ユーロと対前四半期比で14パーセント増、対前年同期比では34パーセント増を達成しました。対 前四半期比の伸びは主に、セキュリティ製品事業の伸張と欧州、アジアを中心としたモバイル・ソリューション製品の需要増によるものです。E BIT黒字は4,700万ユーロと前四半期の2,700万ユーロから増加し、前年同期の1,800万ユーロの赤字から好転しました。対前四半期比のEBIT黒字拡大は、出荷量の増加、生 産性向上による製造コスト低減および全般的な品目構成の改善によるものです。

第3四半期には、インフィニオンは強化型マルチメディア・ベースバンドIC「S-GOLDlite」の量産に着手し、主要顧客企業への出荷を開始しました。無線インフラ事業では、大 電力高周波トランジスタ向け「GOLDMOS」の次世代技術を導入しました。これは、従来よりさらに高信頼性でコスト効率のすぐれたリニアアンプ向けに最適化されており、最適な熱持性をもたらします。ガ ートナー社によると、インフィニオンはASSP(特定用途向け標準製品)無線通信システムで2002暦年の5位から2003年に3位に浮上しました。ガートナーはまた、チ ップカード用IC市場でインフィニオンが売上高ベースで世界シェアを41パーセントに伸ばし、6年連続で首位をキープしたと報告しています。また、インフィニオンは経営コンサルティング会社フロスト&サ リバンから、3年連続でマーケット・エンジニアリング・リーダーシップ・アワード(Market Engineering Leadership Award)を受賞しました。

メモリ製品グループは、第3四半期の売上高が8億1,100万ユーロで、対前四半期比22パーセント、対前年同期比で43パーセントの著増を示しました。対前四半期比の増収は、チ ップ平均価格の上昇が主因です。EBITは5,000万ユーロの赤字となり、前四半期の黒字1,300万ユーロ、前年同期の黒字300万ユーロに比べて後退しました。E BIT後退は独禁問題からの1億8,400ユーロの引当金増大が原因で、チップ価格上昇というプラス効果は帳消しされました。

メモリ製品グループは、第3四半期に生産能力の大半を110nm技術と新たに認定された製品に転換し、さらに将来のメモリ技術の開発で大きな進歩をみせました。新規に認定されたのは、1 10nm技術に基づく512MビットDDR2と256MビットGDDR3グラフィックスRAMおよび140nm技術に基づく32ビットCellularRAMです。DRAMロードマップにおいて到達した、も う一つの一里塚が、インフィニオンの70nmトレンチ技術を実証する最初の試作品の製作にこぎ着けたことです。加えて、インフィニオンは、将来の不揮発性メモリ技術開発で大きなブレークスルーを成し遂げました。例 えば、これまでで業界最高の密度を持つMRAMを開発しました。これは16Mビットの情報記憶容量を持ち、電荷記憶でなく、磁性記憶方式を用いています。インフィニオンは、生 産能力拡大を予定通りに進めています。 例えば、米国バージニア州リッチモンド工場を拡張、300mmウェハ・チップの生産を2005暦年上半期に立ち上げると発表しました。2004年6月には、イ ンフィニオンは台湾の南亜科技(Nanya Technology)とのチップ生産合弁会社イノテラ・メモリーズの開所式を行うとともに、ポルトガルのポルトでメモリチップの組み立て・検 査施設の第2モジュールをオープンしました。

その他の事業部門の売上高は4,500万ユーロで、対前四半期比で10パーセント減でしたが、前年同期の3,600万ユーロから25パーセント増加しました。EBITは300万ユーロの赤字( 前四半期は1,700万ユーロの赤字、前年同期は1,500万ユーロの赤字)でした。対前四半期比の赤字縮小は、当社のベンチャーキャピタル投資における減損損失低下によるものです。

コーポレート&リコンシリエーションでは、EBITは1,500万ユーロの赤字(前四半期は1,600万ユーロの黒字、前年同期は3,700万ユーロの赤字)でした。なお、前四半期の黒字には、法 手続上の有利な結果で不要になったライセンス関連引当金の戻入額3,200万ユーロが含まれています。対前年同期比の好転には特に、施設稼働率改善が反映されています。

2004会計年度第4四半期の見通し
インフィニオンは、自動車業界では全般的に大きな変化はないとみています。自動車メーカーは市場活性化を狙った購買喚起策として、半 導体利用を増やして機能をより充実化する姿勢をとっているので、自動車メーカーからの価格圧力は続くと思われます。

PC市場の季節的な伸びは、早めの生産能力増強投資と相俟って、産業用分野にプラスに働くので、インフィニオンの自動車&産 業グループは2004年度第4四半期にはさらに緩やかな成長をみせると予想されます。

有線通信グループでは、2004会計年度第4四半期は厳しい市場環境が続くとみられます。ADSL、光ネットワーキングおよびCPE事業の成長は、在来型通信製品の需要減が続くことから、部 分的に相殺されると思われます。

セキュア・モバイル・ソリューション・グループは、2004年度第4四半期には前向きの動きを持続すると予想されます。季節的な需要堅調に支えられて、モバイル・ソ リューションはさらなる増収が期待されます。ガートナーによれば、携帯電話の販売台数は2004暦年には2003年の5億4,000万台を上回って6億台に達すると推測されており、それを反映して、ベ ースバンドICとRFトランシーバの顧客ニーズは相変わらず高水準を保つとみられます。

メモリ製品グループは、2004年度第4四半期には、季節的な需要増と半導体業界の供給増が緩慢にとどまることを踏まえ、良好な需給バランスが期待されます。インフィニオンでは、イノテラ・メ モリーズの持続的な生産立ち上げと110nm技術ベースの生産拡大からの刺激を反映して、生産およびビット・ベース出荷量が全体として堅調な伸びをみせると予想しています。

クライは、「第3四半期には、インフィニオンが順調な軌道に乗っていることが確認されました。あいにく独禁問題絡みの引当金から純損益は赤字になりましたが、そ の支出がなければ非常に上出来だったということを見落としてはなりません。当社は、世界中の顧客企業やビジネスパートナーとの協力を、持続的、安定的かつ信頼性のある方法で続けます。2 004会計年度第4四半期には、売上高、損益とも、全体的に成長を遂げると期待しています」と、コメントしました。

お断り
当リリースには、インフィニオンの今後のビジネスに関する展望的見解が含まれています。そうした展望的見解が該当するものには、世界の半導体市場(特にメモリ製品市場)の動向、イ ンフィニオンの成長性、研究開発提携や研究開発活動によってもたらされる利益、生産能力の拡大と刷新のための当社の今後の投資水準、当社工場での新技術の導入、当社生産プロセスのより微細な構造への転換、そ うした転換や他のイニシアティブ(率先行動)に伴う経費削減、業界標準に基づく当社の技術開発の成功、当社が自社技術に基づいて商業性のある製品を提供できる能力、当 社の経費削減と成長の目標を達成できる能力などがあります。そうした展望的見解は多くの不確実な要因によって左右されますが、そうした要因には、半導体全般の需要および価格動向をはじめ、当 社自身ないし他社との提携による開発努力の成功、当社生産施設における新しい生産プロセス導入の成功、競合他社の動向、拡張計画を遂行するための資金調達、独 禁調査と訴訟問題の結末および当文中で述べられたその他の要因があげられます。したがって、当社における実際の業績は、当文中で記載された内容とは実質的に異なることがありえます。「Infineon」およぴ「 Infineon Technologies AG」の意匠はともにInfineon Technologies AGの登録商標来事や環境、な いしは不測の出来事を反映した結果を後で公表する義務を負わないことをお断りしておきます。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFXX200407.080

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