インフィニオンがIDカードおよびパスポート向けにICカード用コントローラの新製品を発表

2004/07/07 | テクノロジー メディア

独インフィニオンテクノロジーズは、本年末に開始される電子IDカードおよび電子パスポートの初の国際試験に使用される予定の、2種類のICカード用セキュリティ・コントローラを発表しました。2 種類の新製品うち、「SLE66CLX640P」はICカード型の電子IDカード用、「SLE66CLX641P」は電子パスポートへの組み込み用として開発されました。従 来の2倍の記憶容量と先端的なセキュリティ機能を備えた新チップは、確実なセキュリティが求められるドキュメント用途に理想的です。

インフィニオンのユルゲン・クットルフ(セキュアモバイルソリューション事業グループのセキュリティ担当副社長兼ゼネラルマネージャ)は、「今日の最大の関心事の一つは、いかにしてデータを安全に保護し、I D盗難を防止するかという課題です。インフィニオンのチップを使用した電子IDカードや電子パスポートは、現行のIDカードやパスポートと比較して格段にセキュアになるでしょう」と、述べました。

IDドキュメントに求められる最も重要な条件は、全データが信頼できる形式で可能な限りセキュアに保存されることです。インフィニオンのセキュリティ・コントローラは、個 別に数えると50種以上におよぶセキュリティ機能がチップに組み込まれています。これにより、記憶されたデータは、不正操作や悪用に対して現時点で可能な最高度の保護がなされます。

2種類の新セキュリティ・コントローラはともに、64Kバイトの記憶容量を持ち、国際民間航空機関(ICAO)の国際標準9303-1を満足します。ICAOは、188カ国を対象に、国 際的に通用するパスポートの包括的標準を策定しています。電子パスポートに関するICAOの要求によれば、両チップに記憶される暗号化データには、名前、生年月日、有効期間など、現 行の身分証に印刷されている諸項目だけでなく、個人を特定するためのいくつかの生体認証的特徴も含まれます。生体認証的特徴としては、カード所有者の顔の容貌、単数ないし複数の指の指紋、虹彩イメージ、ま たはこれらの特徴の組み合わせなどがあげられています。将来世代のIDカードの所有者は、現在と違って、カードを紛失しても無断でカードが使われないよう保護されます。

インフィニオンのチップは、市場を支配している2つの非接触インターフェイス方式であるISO/IEC 14443タイプAとタイプBの両方をサポートできる、世界で唯一の製品です(タイプAとタイプBは、 使用されるデータ伝送プロトコルが異なります)。このため、このコントローラを内蔵したカードやパスポートは、読み取り用のインフラがすでに設置されているか、設置中であるかを問わず、全世界で使用できます。& amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; lt; /p>

多機能化する電子IDカード
将来の電子IDカードは、多様な用途に適合します。この種の多機能カードは、個人認証カード、運転免許証、特定の公務に使用されるデジタル署名機能付き電子政府カード、ク レジットカード、都市交通システムの定期乗車券などを兼用できるものになるでしょう。

セキュリティチップ「SLE66CLX640P」は、これらの用途とその関連データ記録を、相互にセキュアに分離します。さらに、アクセス認証を階層化し、特定のグループないし個人のみに、デ ータへのアクセスもしくはその書き換えを許可することができます。従って、IDカードを検査する国境警備員がカード所有者の納税申告情報にアクセスできるのではないかといった心配はなくなります。

IDカード用に開発されたデュアルインターフェイス型の「SLE66CLX640P」は、読み取り装置から約10cmまでの距離で非接触データ転送を行うことも、接 触インターフェイスを介して読み取り装置へ直接接続することもできます。これに対し「SLE66CLX641P」は、純粋な非接触インターフェイス型であり、電 子パスポートの個人情報が記載されたページにラミネート加工することができます。

ICカード用セキュリティ・コントローラの技術説明
「SLE66CLX640P」と「SLE66CLX641P」は、インフィニオンのICカード用16ビット・コントローラ「66Plus」ファミリに属します。こ のファミリのコントローラは、 IDカードの厳格なセキュリティ条件を満足するため、アクティブ・シールドや暗号機能など、多数の物理的保護機能を備えています。また、DPA(Differential Power Analysis)やSPA(Single Power Analysis)などのアタックに対する業界最強のデータ保護機能も内蔵しており、種 々の電圧を印加してチップから情報を盗み出そうとするハッカー行為に対抗できます。

チップのメモリ管理ユニット(MMU)には、ハードウェア・ファイアウォールが装備され、アプリケーションと他のシステム・ソフトウェアとが相互にセキュアかつ高信頼に分離されます。こ のファミリのコントローラは、DES(Data Encryption Standard)やトリプルDESなどの対称アルゴリズムの演算機能を持っています。さらに、RSA(Rivest, Shamir, Adleman)などの非対称アルゴリズムや楕円曲線アルゴリズムの演算を行う、強力な暗号コプロセッサを搭載しています。

「66Plus」ファミリの先行タイプは、すでに数千万個が世界各地のIDプロジェクトに使用されています。その中には、マカオ、香港、オマーン、イタリアおよび米国国防総省の電子IDカードや、台 湾とイタリアの国民保健カードが含まれます。

セキュリティ・コントローラは、オーストリアのグラーツにあるインフィニオンの非接触技術エクセレンスセンターで開発が行われています。このセンターでは、開発、マ ーケティングおよび応用技術の担当者として約30名を新規採用しています。IDカードや電子パスポートの条件を満足するための専用のチップ・パッケージと、アンテナおよびチップ接続部で構成されるインレイは、独 レーゲンスブルクの研究陣が開発しました。インフィニオンの見解によれば、同社はセキュリティ・ドキュメントの厳格な条件を満足する半導体チップと、 IDドキュメント専用のパッケージおよびインレイの設計をともに行っている唯一の半導体メーカーです。

インフィニオンのセキュリティ&チップカードICに関する製品情報は、下記サイトをご参照ください:
http://www.infineon.com/security_and_chipcard_ics

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFSMS200407.069