インフィニオンの光通信部品事業を米フィニサー社が買収

2004/04/29 | ビジネス&フィナンシャルプレス

独インフィニオンテクノロジーズと米フィニサー社(Finisar Corporation)は、ミュンヘンの光通信部品事業ユニットを、フ ィニサーが同社の普通株1億3,500万株で買収する正式契約を締結したと発表しました。取引額は、2004年4月28日の終値で換算すると、2億6,300万ドル相当となります。これによりインフィニオンは、フ ィニサーの株式の38%を獲得します。買収取引には、フィニサーの株主の承認、規制当局の認可およびその他の手続きを必要とします。フィニサーの株式の15%を保有する同社社長兼最高経営責任者のジェリー・ロ ールズと会長兼最高技術責任者のフランク・レビンソンは、この取引に賛成投票するという議決権契約をインフィニオンと締結しました。

買収取引は、インフィニオンの光通信部品事業に関する、開発、生産、マーケティング活動の一部、約1,200人の従業員の譲渡を含みます。インフィニオンの光通信部品事業ユニットは、M SA標準をサポートするデータコムおよびテレコム向け光伝送モジュール、FTTH(Fiber to the Home)アプリケーションで一心双方向通信を可能にするBIDIデバイス、自 動車用アプリケーション、特にメディアおよび安全システムに使用されるプラスティック光ファイバ(POF)デバイスの広範な製品を開発、生産、販売しています。

フィニサーは、買収手続き完了後の最初の一年以内に、主として相補的な技術と顧客基盤によってもたらされる、飛躍的な相乗効果が実現するものと期待しています。

2004年3月31日に終了した第2四半期の、インフィニオンの光通信部品事業ユニットの売上高は約3,200万ドルでした。一方、フィニサーは、2 004年4月30日に終了する第4四半期の売上高を5,500万ドルから6,000万ドルと予想しています。両社を組み合わせることによって、世界最大の光通信部品事業専門会社が誕生します。

インフィニオンの有線通信事業グループの最高経営責任者であるトーマス・ザイフェルトは、「この二社独自の光技術を組み合わせ利用することは、光 ファイバ市場で続いている整理統合の大きなステップとなるでしょう。当社は、光通信部品事業ユニットの将来を確実なものにする上で、フィニサーが相互利益を有する優れた戦略パートナーであると判断しました。最 大規模の光デバイス専業メーカーとして、両社は力を合わせ、より高い柔軟性、広範な製品ラインナップ、コスト効率を提供し、顧客のニーズに応えることを可能にします」と語りました。

また、フィニサーのジェリー・ロールズ社長兼最高経営責任者は、次のように述べました。「この買収取引は、フ ィニサーに重要な新製品と技術プラットフォームをもたらすとともにコアマーケットにおける地位を強化し、さらに、エンドマーケット、顧客、販売チャネルについて、収益基盤の拡大を実現させるものです。イ ンフィニオンのビジネスの40%は、自動車や新興のFTTH(Fiber to the Home)など、当社が現在参入していない市場で行われています。両社の製品ラインナップを組み合わせれば、デ ータコム用アプリケーション向けの製品の範囲と技術について他の追随を許さないでしょう。また一方で、フィニサーのWDMとテレコム・アプリケーションの市場浸透を利用する上で、重要な新しいツールも提供します。 さらに両社は、高い相乗効果がこの組み合わせを成功させ、高い収益をもたらすと考えています。」

規制当局の認可とフィニサーの株主の承認が得られれば、買収手続きは2004暦年の第3四半期に完了する予定です。譲渡される資産には、インフィニオン・ファイバ・オプティクス社(Infineon Fiber Optics GmbH)とベルリン(開発、生産、マーケティング)、ミュンヘン(開発、生産)、レーゲンスブルグ(開発、マーケティング)の各オフィスが含まれます。加えて、トルトノフ(チェコ)の 生産施設、ロングモントおよびサンノゼ(ともに米国)の開発施設とマーケティング活動、台湾のUECとの合弁会社ParoLinkのインフィニオンの持ち株も譲渡されます。また、フ ィニサーは約450件の特許と特許申請からなる、重要な専門的知識と知的財産のポートフォリオを獲得します。

手続き完了後、インフィニオンの有線通信事業グループの最高経営責任者トーマス・ザイフェルトがフィニサーの取締役会に加わります。インフィニオンは、取 引完了後も引き続きICチップの戦略的パートナーとなる予定です。

ドイツ証券銀行(Deutsche Bank Securities)がフィニサーのフィナンシャル・アドバイザーを務めました。

フィニサー社について

フィニサー社は、光サブシステムやネットワークシステムの監視テストツールのリーディング・カンパニーです。これらの製品は、ギガビットのイーサネットローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ギ ガビット・ファイバチャネル・ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)、そしてメトロ・エリア・ネットワーク(MAN)の高速データ通信を可能にします。本社は米国カルフォルニア州のサニーベイルです。& amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; lt; /p>

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFXX200404.060