インフィニオンが自動車用センサ事業強化のためノルウェーのセンソノール社買収を計画

2003/05/20 | マーケットニュース

世界の先導半導体メーカーである独インフィニオンテクノロジーズは、タイヤ空気圧センサや加速度センサの先導プロバイダであるノルウェーのセンソノール社(SensoNor ASA, 本社:ホルテン)の 買収を計画していると発表しました。自動車用半導体センサ市場における地位を大幅に強化するのが狙いです。インフィニオンは20日のセンソノール臨時株主総会終了後にセンソノール株主に対してTOB( 株式公開買付け)を発動し、同時に、センソノールがインフィニオンからの資金注入による増資を行います。買収完了までに要するインフィニオンの支払総額は約4,800万ユーロと見積もられています。

買収条件として、インフィニオンはまず、機関投資家と個人投資家に対してセンソノール株計 1億3,850万株を1株あたり2ノルウェー・クローネで買い付ける方針で、そ の所要投資額は約3,500万ユーロに相当します。また、センソノールは新株1億株を発行し、インフィニオンがそれを1株あたり1ノルウェー・クローネの現金と引き換えで取得しますが、そ の所要投資額は約1,300万ユーロとなります。

センソノールの友好的買収で、インフィニオンはタイヤ圧センサの市場リーダーとなります。今回の取引のメリットは、両社が持つ開発および生産のノウハウを結集できる点にあります。セ ンソノールのタイヤ圧センサはすでに大手自動車メーカー各社から完全認定され、長期納入契約が結ばれています。

インフィニオンのラインハルト・プロス(自動車&産業グループ最高責任者)は、「このたびの買収計画は、イ ンフィニオンが自動車アプリケーション分野ですでに確立している先導的立場を一層強化するとともに、自動車用センサ市場でのシェアを15%に倍増させる目標を追求する姿勢を示すものです。イ ンフィニオンは自動車エレクトロニクス向け半導体ソリューションの欧州最大手メーカーであり、世界でも第2位にランクされています。今回の買収で当社の圧力センサ事業は大幅に強化され、さらに、半 導体センサ製品ラインナップを加速度センサにまで拡大することができます」と、語りました。

自動車用半導体センサ市場は、年率最大20%のペースで成長しています。圧力センサのなかで最も成長率が高いのが、タイヤ圧監視用のセンサです。この分野では、法規制に対処するため、米 国における自動車メーカーによる新規登録車へのタイヤ圧監視システム装備比率は2003年末までに約10%に達する見込みであり、その比率は2004年には約35%、2005年には65%にまで高まる見通しです。

インフィニオンの自動車&産業グループ(本部:オーストリアのフィラッハ)は、2003年1~3月の四半期売上高が3億5,400万ユーロと再び過去最高を記録しました。自 動車用エレクトロニクスに関する同社の実力は革新能力に裏打ちされており、それはセンサ技術、安全性システム、エンジン管理、テレメトリ(遠隔制御)な どの中核技術を手がける500人を超えるエンジニアに支えられています。インフィニオンの自動車エレクトロニクス分野の経験は25年以上に及びます。エンジン制御系では、世界の自動車の3分の1、欧州では半分が、 インフィニオンのチップを使っています。電源系では、白熱電球、スピードメータ、点火システム、フォグランプなど、あらゆる電力負荷を制御するために、世界で生産される自動車の半数に、イ ンフィニオンのチップが使用されています。

センソノール社について
センソノール(SensoNor ASA)は、1985年にノルウェーのホルテンに設立され、現 在はマイクロ電気機械システムをベースとしたセンサ類の開発および量産で世界の先導メーカーのひとつとなっています。同社は、オスロ証券取引所( http://www.oslobors.no)に上場されており、従業員数は170名です。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFXX200305.077