インフィニオンが1310nm VCSELダイオードとiSFPトランシーバ・モジュールを発表

2003/03/24 | テクノロジー メディア

独インフィニオンテクノロジーズは、光ファイバ通信会議(OFC)において、波長1310nmのVCSEL(面発光レーザ)ダイオードを発売すると発表しました。V CSELダイオードが量産体制を持つサプライヤによって生産されるのは初めてです。インフィニオンは、当会議で同時に発表されたiSFP(インテリジェント・スモール・フォーム・ファクタ・プラガブル)ト ランシーバ・モジュールの内部で、この新しいVCSELダイオードを動作させる実演を行いました。この2つの新製品を用いれば、トランシーバやトランスポンダなどの光機器メーカーは、デ ータ通信および電気通信アプリケーション向けの省コストのソリューションを開発できます。

一般に使われている、端面から光を発するDFB(分布帰還型)レーザ・ダイオードやFP(ファブリー・ペロー)レーザ・ダイオードと異なり、VCSELは表面から光を発します。このため、パ ッケージングが非常に簡素化され、大幅なコスト節約につながります。波長850nmの VCSELが最大伝送距離300mの短距離データ通信アプリケーションで主流として使われていますが、イ ンフィニオンの1310nm VCSELは、最大伝送距離10kmまでが可能です。このVCSELダイオードは画期的な技術の市場投入といえるものであり、極力少ない投資でLR(ロングリーチ)ア プリケーションのニーズに対応したいとする光機器メーカーに、技術とコスト面でのメリットをもたらします。VCSELダイオードはまた、今 後も様々なアプリケーションで必要とされる同社のDFB/FPレーザを補完するものとなります。

インフィニオンは、数年前から高品質の850nm VCSELの量産を行っています。その経験と同社の先進パッケージング技術および電気光学設計技術が、1310nm VCSEL生産の実現に寄与しました。この結果、同社は1310nm VCSEL技術のリーダーとしての地位を確立するとともに、同社の光通信製品ラインナップが拡大し、高 速データ通信および電気通信市場への取り組みが一段と強化されます。

インフィニオンのマルチン・シェル(ファイバ・オプティクス・コンポーネンツ事業部門ディレクタ)は、「当社の経験と量産能力に裏打ちされて、当初から1310nm VCSELの信頼性を確保することができました。当社は、品質と数量に関して顧客企業の要望に応えられる、経験や生産能力など対応能力をすべて備えています」と述べました。

インフィニオンのVCSELダイオードは、簡単かつ効率的なアセンブリとシングルモード・カップリングを可能にする、高品質の光ビームを特長としています。そ れはさらに面発光方式によりサポートされて、生産の早期段階で性能試験と選別を行うことが可能です。シングルモード1310nm VCSELのスペクトル幅とサイドモード抑圧性能は、DFBと同等か、そ れを上回ります。しきい値電流と動作電流が非常に低いので、低消費電力のアプリケーションに使え、また、放熱量も従来の端面発光型レーザと比べて大幅に低減されます。

1310nm VCSELのパッケージングには、半導体業界で標準パッケージング技術として広く用いられているTSSOP(Thin Shrink Small Outline Package)を ベースとした革新的アプローチが採用されています。そのタイプのパッケージングがインフィニオンの認定済み量産ラインに適用されて、パッケージングにもVCSELダイオードの省コストのメリットが活かされます。ま た、デバイスと一緒に顧客企業に提供されるものには、LCカップリング・ユニットとフレックス・ボード電気コネクションがあります。

OFC会議では、1310nm VCSELダイオードを2.5GbpsのiSFPトランシーバ・モジュール内部で動作させる実演が行われました。インフィニオンのiSFPトランシーバ・モ ジュールは増強されたデジタル自己診断モニタリングインターフェイスを内蔵しており、これにより、レーザ・バイアス電流、送信側と受信側双方の光パワー、トランシーバ内部温度、供 給電圧などの動作パラメータにリアルタイムでアクセス可能です。また、動作温度全域にわたって計測値を内部較正する機能や、ある数値が動作領域から外れた時、その時点をユーザが特定できるようにする、内蔵型警報・ 警告しきい値センサも備えています。さらに、広い温度範囲、業界最小のEMI(電磁波障害)、クラス最高のジッタ特性を実現しています。

インフィニオンのアヤド・アブル・エラ(光学モジュール事業部門ディレクタ)は、「スマートでインテリジェントなトランシーバ・モジュールへの1310nm VCSEL内蔵を実証した最初のメーカーとなったことを、大変嬉しく思います。過去3年間でトランシーバの価格は著しく低下しました。当社のVCSELダイオードを採用すれば、そ の動きに歩調を合わせることができます」と語りました。

1310nm VCSELダイオードは現在、サンプル出荷中で、量産は今年後半に開始される予定です。価格は、現行のソリューションを大きく下回る見込みです。1310nm VCSELを搭載したファイナル・スタンダード準拠iSFPモジュールの量産は、ダイオードの生産開始に続く形で、2003年後半に予定されています。インフィニオンの光ファイバ製品の詳細情報は、下 記URLをご参照ください:

http://www.infineon.com/fiberoptics

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFCOM200303.058e