インフィニオンが100Mbps以上の伝送速度を実現したVDSLチップセットを発表

2003/03/04 | テクノロジー メディア

独インフィニオンテクノロジーズは、カナダのトロントで開催されたFS-VDSL会議で、次世代の「VDSL5100」チップセットを発表しました。「VDSL5100」は、Ethernet over VDSLやATM over VDSLなど、あらゆるVDSL(超高速デジタル加入者線)アプリケーションに柔軟に対応するQAM方式のVDSLソリューションであり、上 りと下り合計で100Mbps以上のデータ伝送速度を可能にします。

「VDSL5100」にはインフィニオンのこれまで4世代にわたるVDSLチップ開発、内部データ・クロック高速化および0.13μm微細加工技術で培った経験が活かされており、そ のデータ伝送速度は、シングルペア銅線上で、非対称モードでは下りが70Mbps、上りが40Mbps、対称モードではともに50Mbpsに達し、し かも価格は当社のこれまでの4バンドVDSLソリューションと同じ水準です。性能の大幅向上により、サービス・プロバイダは、映画配信サービスや高解像度テレビ向けコンテンツ、オ ンラインゲームなどのより幅広い広帯域コンテンツを提供できるようになります。

「VDSL5100」は、ソフトウェア・プログラミング機能による汎用ラインカード設計をサポートしているので、機器メーカーは、地域ごとのバンドプラン(周波数帯域割り当て)の要件、ス イッチやDSLAMラインカード内の各種伝送プロトコルおよびCPE(加入者宅内装置)をサポートする、シングル・コンフィギュレーションを利用できます。「VDSL5100」チ ップセットはVDSLとしてこれまで最高のデータ伝送速度を実現したことに加え、幾つかのVDSL先端技術が組み込まれています。同一チップ上でIP(インターネット・プロトコル)とATM(非同期転送モード)の 両トラフィックをサポートするため、費用効果の優れたシステム設計が可能です。また、Band 0を含むすべてのVDSL周波数で柔軟な帯域割当とPSDシェーピングが可能です(Band 0は、A DSLで使用されている帯域で、これを利用することによりVDSLサービスの伝送距離を4 km以上に延長します)。さらに、「VDSL5100」は、バ ンドプラン専用の外部フィルタを不要にするフィルタレス設計をサポートしているため、回路ボード実装面積の縮小、低消費電力化、総システムコストの低減を可能にします。システムベンダは、当 社の先進QAM方式VDSLソリューションの採用により、バンドプラン、伝送プロトコル、ネットワーク・アーキテクチャに関係なく、シングル汎用ラインカードもしくはCPE設計を用いて、あ らゆるタイプの展開シナリオのニーズに対応できるようになります。

インフィニオンのクリスティアン・ヴォルフ(有線通信グループ担当副社長兼アクセス事業ユニット・ゼネラルマネージャ)は「 第5世代となるQAM-VDSLチップは上りと下り合計100Mbpsを超える速度を実現しますが、価格は前世代の製品と同じままであり、技術だけが飛躍的に向上しています。V DSL5100チップセットの価格は従来の4バンドチップと同程度です。また、システム面においては、回路設計でフィルタが不要なことから、DSLAM/スイッチ・ラインカードとCPEの総コストが減少します。こ のチップセットによって、VDSLとEthernet アクセス市場におけるインフィニオンのリーダーシップはさらに確固としたものとなりました。今後とも、質の高い、コスト効率に優れたソリューション、最 高のサポート、お客さまの成功に貢献する製品を提供していきます」と、語りました。

VDSL5100について
VDSL5100は、シングルポートの4バンドVDSL回路設計(Ethernet over VDSL/ATM over VDSLアプリケーション)に必要なすべての機能を提供します。有 効性が証明済みのFDM(Frequency Division Multiplexing)とQAM(Quadrature Amplitude Modulation)を採用することにより、低コスト、低 消費電力、シンプルで確実な設計/オペレーションを可能にしました。

広範な温度で確実に動作するVDSL5100は、802.3 Ethernet仕様で定められている業界標準のSMII、SS-SMII、RMIIインターフェースを備えています。さらに、伝 送プロトコルがATMである場合や、チップセットに集積しているSAR機能がATMモードで使用される場合に備え、ATM UTOPIA Level 1およびLevel 2インターフェースが装備されています。 また、T1E1.4、ETSI、ITU-T VDSL仕様および推奨に完全準拠しているため、Plan 998とPlan 997の2バンド、3バンド、4バンドの周波数割当をフルサポートします。V DSL5100は、同一バンドルで音声、ISDN、xDSL技術との共存、同一ペアでPOTSもしくはBA-ISDNとの共存が可能な設計を採用しています。

VDSL5100のデータ伝送速度は、500メートル以内では非対象型で70Mbps/40Mbps、対象型で50Mbps/50Mbpsです。1200メートル以上では10Mbps(対象型)、4 キロメートルで最大4Mbps(対象型、Band 0使用)。実際の速度は各地域の帯域割り当て、ケーブルの種類、運用環境によって異なります。

VDSL5100の評価用サンプルは2003年5月から出荷を開始します。量産開始時の価格は、現行の4バンドおよびPacket over VDSLチップセット・ソ リューションと同じ15ドル前後を予定しています。参考までに、2バンド10BaseSチップセット・ソリューションの価格は約10ドルです。インフィニオンは過去2年間に300万以上のQAM VDSLポートを出荷しています。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFCOM200303.050e