インフィニオンがチャネル・アグリゲーションとインターフェイス変換が可能な光通信ネットワーク用チップ「Titan 768MD」の出荷を開始

2003/01/17 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、インターフェイス・コンバータとシリアライザ/デシリアライザ(SERDES)の両方の機能を兼ねる、高速通信用の柔軟で多機能なシングルチップソリューション「 Titan 768MD」の出荷を開始したと発表しました。同社は2002年6月に発表した「Titan 768MD」を先進的なデータ通信機器および電気通信機器メーカー向けに出荷を開始しました。これは、現 在の景気低迷下で顧客企業が市場での優位を維持するための投資を支援する、同社の戦略的姿勢を裏付けるものです。

業界調査会社RHK社のアラン・アームストロング通信用半導体担当ディレクタは、「目下の経済環境を踏まえて、データ通信機器および電気通信機器ベンダはエンジニアリング予算を厳しく抑制しています。 それらベンダは、エンジニアリング支出を最小限に抑える一方で、設計面のリスク排除に果敢に取り組まなければならないという事情を抱えています。インフィニオンが投入した、標 準製品向けのスキュー補正機能付き16チャネル4:1シリアライザは、スイッチおよびラインカードの設計者から、重大なリスク要因を排除します。設計者がASICまたはプログラマブル・ロ ジックICのどちらを用いる場合でも、この高速インターフェイス・オフチップに乗り換えれば、より低コストかつ低リスクの技術を利用できます」と、語りました。

また、インフィニオンテクノロジーズ・ノースアメリカのクリスティアン・シェルプ(光ネットワーキング事業ユニット・マーケティング担当副社長)は、「Titan 768MDは、在 来型伝送システム向けの高密度SERDESと、先進的なスイッチングおよびルーティングシステム向けのインターフェイス・コンバータのどちらとしても即座に使える、柔軟なアーキテクチャを備えています。当 社の顧客企業は、その柔軟性を活かして、既存のデータ通信システムを強化できるメリットが得られる一方、10Gbpsと40Gbpsのチャネル・データ伝送速度で将来のSONET(同期光ネットワーク)シ ステムにスケーラブルな性能を提供できるという、このチップの潜在能力を目の当たりにするでしょう」と、述べました。

Titan 768MDについて
「Titan 768MD」は、従来は複数のデバイスを必要とした機能をシングルチップでこなすことにより、総コストと消費電力を低減できます。

「Titan 768MD」は、SFI-4(SERDES Framer Interface Level 4)をSFI-5(同Level 5)にインターフェイス変換するためのデバイスとして、4 0Gbps OC-768ラインカードを含む、SONETおよびデータ通信の各種アプリケーション向けに理想的です。SFI-5からSFI-4へのナローバンド変換を行う時には、10Gbps フレーマへの投資をより活かす形で、ネットワーク上での両方向の変換において40Gbpsのデータ・スループットを達成できます。さらに、柔軟性のある「Titan 768MD」は、ル ータからのOC-768cペイロードをインバース・マルチプレックス(逆多重化)することも可能です。 また、「Titan 768MD」をインフィニオンの「Titan 19244」のような高速フレーマ/ポ インタ・プロセッサと組み合わせれば、40Gbpsのスループットで作動する、ラインカード向けの2チップ構成のOC-768ソリューションが実現されます。

「Titan 768MD」はまた、ルータ/スイッチ用ラインカードやバックプレーンにおいて高密度SERDESの機能も果たし、6 22Mbps_64チャネルのデータ流を2.5Gbps_16チャネルに変換し、逆に、2.5Gbpsチャネルを622Mbps出力に変換することができます。当チップを使えば、OEMメーカーは、コ アロジックをFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)で設計した、622Mbps インターフェイスを備えた在来のシステムを引き続き使用できるので、よ り高速なラインカードへコスト効率よく移行することができます。

「Titan 768MD」は、堅牢なクロック/データ回復メカニズム、スキュー補正機能、クロック合成メカニズムなどを備えています。診断機能には、PRBS(擬似ランダム・バイナリ・シーケンス) の発生と検査、デジタル・ループバック機能、IEEE 1149.1 JTAG試験サポートなどが含まれます。加えて、「Titan 768MD」のレジスタへマイクロプロセッサ・イ ンターフェイスを介してCPUからアクセスし、リセット、セットアップ、読み取り、ロード、組込み試験機能の呼び出しなどが行えます。

「Titan 768MD」は680ピンBGAパッケージに格納されています。現在サンプル出荷中で、量産注文時の予定価格は600米ドル台です。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFCOM200301.036 e