インフィニオンが高速移動通信向けにフル機能型EDGEソリューションを発表

2002/12/10 | マーケットニュース

半導体ソリューションのリーディングプロバイダである独インフィニオンテクノロジーズは、欧州、米国、アジアの幅広い顧客企業向けに、世 界初のフル機能型EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)ソリューションのサンプル出荷を開始したと発表しました。これを使えば、エンドユーザは、G PRSシステムの3倍の速さのデータ伝送速度を享受できます。この新しいEDGEプラットフォームの導入により、インフィニオンのソリューション・ビジネスは拡大に向けて一段と前進します。

インフィニオンのEDGEソリューションは、フィーチャーフォン分野をターゲットにしています。この分野には、Javaゲーム、位置情報およびナビゲーション、ステレオHiFi MP3、着 信メロディーなどの機能を備えた娯楽指向コンシューマ機器から、ビデオストリーミング、電子メール、SyncML、手書き認識機能付きタッチスクリーン、Bluetooth、電 話会議アプリケーションなどを搭載した高性能マルチメディア・フォンまでが含まれます。新プラットフォームは、世界で初めてアップリンクとダウンリンクの両方向のデータ通信を、最大でClass 12までの伝送速度でサポートします。エンドユーザは、画像や電子メールなどのデータを、GPRSの最大3倍の速さで伝送できるようになります。

インフィニオンのクラウス・ハウ(ワイドエリア無線事業ユニット担当副社長兼ゼネラルマネージャ)は、「現在、特に米国とアジアが先導する形で、E DGEシステムソリューションに対する需要は増していますが、欧州もUMTSの実用化の遅れに対応して、EDGEへの関心を強めています。今回のEDGEソリューションの発表は、21世紀のテクノロジー・ラ イフスタイル・ソリューションに照準を合わせた当社の戦略プログラム「Agenda 5-to-1」が継続的に実行に移されていることを示す新たな事例です」と、語りました。

インフィニオンのEDGEプラットフォーム・ソリューションは、アプリケーション強化版モデムチップ「S-GOLD」をベースに、最新の無線チップ「SMARTi-DC+」、および、最 新パワーマネジメントICで構成されます。「SMARTi-DC+」は、全世界対応を可能にする850/900/1800/1900MHzの4バンドをサポートします。インフィニオンのソリューションはさらに、携 帯電話向けアプリケーション開発を容易にする「APOXI」(Application Programming Object-oriented eXtendable Interface)と、最 大でMultislot Class 12 (MCS 1~9) までのE-GPRSをサポートするプロトコル・スタックを備えた、包括的なマルチメディア・リファレンス設計によって補強されます。

EDGEは、GPRSよりも高速な伝送速度(最大伝送速度384kbps)を可能にするGSM/GPRSの進化版です。最新の基地局装置は一般的に、E DGE機能をサポートできるようアップグレードが可能で、通信事業者がネットワーク容量を簡単に最適化できるようになっています。そのため将来のデータサービスで、GPRSの利用が増えても重荷になりません。

EDGEプラットフォーム・ソリューションは、すでに顧客企業向けのサンプル出荷が開始されました。量産開始は2003年中旬になる予定です。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFSMS200212.025