インフィニオンとソニーが共同開発したICカード用コントローラがセサメ賞を受賞

独インフィニオンテクノロジーズとソニー株式会社は、両社が共同開発したデュアル・インターフェイス型ICカード用コントローラと、インフィニオンが開発したデュアル・インターフェイス・コントローラが、セ サメ（Sesames）賞の「ベスト・テクノロジカル・イノベーション2002」に選ばれたと発表しました。パリで開催された展示会「Cartes 2002」（会期：2002年11月5～7日）で、そ の受賞が発表されました。

セサメ賞は、ICカード業界と関連業界における優れた技術革新とアプリケーションの功績に対して与えられるもので、今年で7年目を迎えます。I Cカード業界で活躍する9名の審査員で構成される国際パネルが、120社の候補のなかから9件の受賞対象を選考しました。ITセキュリティ、輸送、銀行と金融、医療、GSM、電子商取引、ロ イヤルティなどの各セグメントで、「ベスト・テクノロジカル・イノベーション」、「ベスト・ソフトウェア」および「ベスト・アプリケーション」のカテゴリ別に賞が授与されます。

インフィニオンとソニーが受賞したのは、デュアル・インターフェイス・セキュリティ・コントローラ「SLE66CLX320PS」で、インフィニオンはまた「my-C」ファミリの「 SLE66CLX320P」も受賞しました。これらの製品は、非接触インターフェイス規格ISO/IEC 14443の タイプAとタイプ B、およびソニーの「FeliCa」をサポートしているため、現 行のすべての主要な非接触方式RF技術に非接触型カードを対応させることができます。ICカード用の非接触型インターフェイスは、低出力の無線周波数を利用して、カ ードに保存されているデータを読み取り装置に転送します。そのためユーザは、公共輸送の電子乗車券を利用したり、あるいは現金支払いの代わりに電子決算をする際に、カードを機械に挿入したり、リ ーダに通したりする必要がありません。このチップは、暗号化機能と解読機能を活用して、セキュアで信頼性のある取引を可能にします。

インフィニオンのインゴ・スーゼミール（非接触システム担当副社長兼ゼネラル・マネージャ）は、「ソニーの非接触ICカード技術FeliCaと、セ キュアなカードICに関するインフィニオンのノウハウを組み合わせることで、ICカードの能力が増強されます。非接触型および接触型インターフェイスを含む、あらゆるタイプの読み取りインフラへのサポートと、イ ンフィニオンの実績あるセキュリティ分野の実力があいまって、多機能ICカードの相互運用性が確保され、あらゆる用途でICカード・システムの採用が加速するでしょう」と語りました。

ソニーのFeliCaビジネスセンターFeliCa開発・技術部門長の日下部進氏は、「インフィニオンテクノロジーズと共同で開発した非接触型ICカードチップがこの名誉ある賞を受賞することができ、 大変光栄に思います。このチップにより、当社のFeliCa技術をさまざまな用途に広げることができます。その結果、数多くの新製品が生み出され、当 社の技術は将来のさまざまな市場で活用されることになるでしょう」と述べました。

2002年度セサメ賞については次のウェブサイトをご覧ください：
http://www.cartes.com

インフィニオンの非接触製品のウェブサイト：
http://www.infineon.com/security_and_chipcard_ics

ソニーについて
ソニー株式会社は、消費者用および業務用市場における、オーディオ、ビデオ、通信、情報技術製品のトップメーカーです。また、総合エンターテイメント企業として、音楽、映画、コンピュータ・エ ンターテイメントの事業にも携わっています。2002年3月31日に終了した年度の連結売上高は約570億ドルでした。

ウェブサイト：
http://www.sony.co.jp

インフィニオンテクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度（9月決算）の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。