インフィニオン、90nm技術をベースとした新世代のセキュリティIC向け「SOLID FLASH™」技術を提供開始

2010/12/07 | マーケットニュース

ノイビーベルク(ドイツ)/パリ(フランス)

独インフィニオンテクノロジーズは、新世代セキュリティIC向けの90nm「SOLID FLASH™」技術の提供開始を発表しました。「SOLID FLASH」の提供により、イ ンフィニオンは決済、政府系ID、ハイエンドのモバイル通信、交通などのアプリケーションを対象とし、柔 軟性と信頼性に優れたフラッシュの優位性とセキュアで卓越した非接触性能を兼ね備えたセキュリティ製品の世界初のサプライヤとなります。車載用フラッシュにおいて定評のある長きにわたる専門知識と、E EPROM/フラッシュベースの不揮発性メモリを使用したチップカード・デバイスでの30億個を超える販売実績を活用することで、インフィニオンは今後、高い柔軟性とROMのようなセキュリティを兼ね備えた「 SOLID FLASH」製品を幅広く提供していきます。専用のセキュリティ機能によって、セキュリティと信頼性に優れた製品使用が可能となり、これはすでに最初の「SOLID FLASH」製品において、E MVCoやCommon Criteria EAL 5+ (high)認定にて公式に認められています。

インフィニオンのヘルムト・ガッセル(Dr. Helmut Gassel)(チップカード&セキュリティ事業部プレジデント)は次のように述べています。「 スマートカード業界が誕生した約25年前から、インフィニオンは業界のトレンドを作り続けてきました。実績あるフラッシュ技術と専用のセキュリティ機能を融合させた当社の新しい『SOLID FLASH』技術は、 インフィニオンのイノベーターとしての役割をあらためて実証するものです。『SOLID FLASH』ベースの製品で包括的なポートフォリオを実現することで、インフィニオンは引き続き、柔軟性と非接触性能、そ してセキュリティを兼ね備えたチップ・ソリューションに向けた業界のトレンドを牽引していきます」

フラッシュ技術の柔軟性により、バリューチェーン全体で時間を大幅に節約しつつ、複雑さとリスクを同時に軽減できます。「SOLID FLASH」ベースのセキュリティコントローラによって、プ ロトタイプ化、サンプル化、コード変更をサンプルのハードウェアにより、迅速・簡単に行うことができるなど、インフィニオンの「SOLID FLASH」技術はさまざまな形でお客様にメリットをもたらします。さ らに、マスクROMとの比較では、チップ生産時のリードタイムが50%以上削減されると予想されます。異なるマスクROMの在庫管理は非常に複雑ですが、「SOLID FLASH」製 品はシステムインテグレータがオンデマンドで設定を行うことができるため、最小限の種類の非特定用途向けフラッシュ製品の在庫で済みます。これによって、生産計画、在庫コスト、リスクが軽減され、市 場投入期間が短縮されます。

また、90nmや65nmといった微細化技術への移行に伴い、ROM製品のマスクコストは大幅に上昇するほか、ロットサイズの増大にともない、ROM製品の最小注文数量は増加することになります。

開発・物流プロセスでの優位性以外にも、「SOLID FLASH」は高度なセキュリティコンセプトを実現することで、マスクROMと同水準のセキュリティを提供します。こ うした機能面でのセキュリティは、セキュアなダウンロード、特殊なロック機構によって保証されます。これは、インフィニオン独自のフラッシュローダによって実現できるもので、ハ ードウェアとともに認定取得を完了しています。インフィニオンは自社製品のセキュリティを確保し、解析やティアリングからメモリを保護するため設計上の対策をいくつか導入しています。ハードウェア・フ ァイアウォールは、コード、データ、その他のアプリケーションを分離します。さらに、「SOLID FLASH」デバイスのエラー訂正機能では、1ビットのエラーを修復できます。こ うした独自のセキュリティ機能によって、「SOLID FLASH」技術は高セキュリティのチップカード・アプリケーションにも適しています。

車載用とチップカード製品用では、ともに同一の基本的なフラッシュセル・コンセプトが使用されることから、「SOLID FLASH」の開発にあたり、イ ンフィニオンはチップカードICと車載用ICの両技術のリーダーシップを活用しています。フラッシュベースの製品は現在すでに車載用市場で主流となっており、ブレーキ・シ ステムやエアバッグシステムなど安全性を最重視すべきアプリケーションでも、ROM製品の新規採用は、もはや行なわれていません。チップカードとセキュリティ・アプリケーションでは、実績のあるUniform Channel Program(UCP)フラッシュ・セルが使用される予定です。これはデータ保持期間(10年以上)と耐久特性に優れ、220nmや130nmでは数年間にわたり使用されているほか、現 在は90nmのフラッシュ製品にも採用されています。

供給状況
インフィニオンは、「Cartes & Identification」見本市(於:Paris-Nord, Villepinte Exhibition Centre、会期:2 010年12月7日~10日)にて、SDA(静的データ認証)とDDA(動的データ認証)の接触型決済アプリケーションを対象とした、初の90nm「SOLID FLASH」製品である「SLE 77」フ ァミリを披露しました。2011年には、さらなる「SOLID FLASH」ベース製品を予定しています。

詳細情報
「Cartes & Identification」見本市のインフィニオンの展示の詳細については、下記サイトをご参照ください。
www.infineon.com/cartes  

インフィニオンの「SOLID FLASH」技術とチップカードICおよびセキュリティICの包括的な製品ポートフォリオの詳細については、下記サイトをご参照ください。
www.infineon.com/security  

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、モビリティ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2010会計年度(9月決算)の売上高は32億9,500万ユーロ、従 業員は世界全体で約2万6,650人でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com  
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp  

Information Number

INFCCS201012.012