インフィニオンが物流・製造向けRFIDチップの新製品を発表

2006/09/13 | マーケットニュース


独インフィニオンテクノロジーズは本日、物流・製造業での商品管理に向けたRFIDトランスポンダチップの新製品2種を発表しました。「my-d® light」と「my-d® vicinity HC」RFIDチップは、グローバルに利用されている13.56MHzの周波数帯域で動作し、特定用途への対応を強化してインフィニオンのRFID製品ラインアップを拡大します。

「my-d light」RFIDチップの用途には、ブランド保護、サプライチェーンにおける商品追跡、資産・在庫管理(ライブラリやメディアの管理)などがあります。一方「my-d vicinity HC」RFIDチップは、衣類のクリーニング管理など、より小サイズのラベルやタグが必要な業務に適しています。

インフィニオンのティロ・パネンベッカー(非接触メモリ&RFID担当ディレクター)は次のように述べています。「RFIDは、物流業や製造業におけるプロセス最適化の鍵となる技術です。イ ンフィニオンはHF帯(13.56MHz)RFIDチップの大手サプライヤで、業界では同市場の規模が2010年までに数量ベースで100億個を超えると予想しています。RFIDタグには、高 速で信頼性の高いアンチコリジョン(衝突防止機能)技術や特殊形状など、明確な特長が求められるようになっています。インフィニオンは半導体分野でのノウハウを生かしたRFIDチップを投入し、こ れを基に弊社インレイパートナー(チップにアンテナを接合した製品)がお客様のニーズに合ったタグを提供しています」

インフィニオンのmy-d lightチップは、アイテムが密接して置かれている場合でも高い識別性能を発揮する「アドバンストクワイエットモード」を備えています。このモードは、複 数デバイスから発信される無線信号の干渉を防ぐアンチコリジョン性能を強化したもので、任意の向きに置かれた最大50個までの密接したアイテムを1秒ほどで識別してデータの読み取り/書 き込みを行うことができます。用途としては、サプライチェーン管理や在庫管理における個々の部品識別などが考えられます。これに対し、従来のRFIDチップの識別性能は最高でも1秒間に30ラベル程度になります。 my-d lightチップは不揮発性ユーザメモリに416ビットのデータ(半角52文字相当)を格納する仕様で、製造コード、タイムスタンプ、検査履歴、ブ ランド保護用の暗号コードなどの情報を保存することができます。このメモリ容量は、サプライチェーン管理や資産・在庫管理など、取扱数量の多いさまざまな業務に必要十分となるよう設定されています。こ れによりチップ自体もより小型化し、チップが受ける物理的ストレスも軽減されます。

同じく新製品のmy-d vicinity HCチップは、RFIDインレイのサイズを現行の標準寸法(4.5 cm x 7.5 cm)よりはるかに縮小することができます。このチップはHC( High Capacitance)という略称が示すとおり、高入力キャパシタンスを特長とする製品で、13.56MHz帯で直径わずか8ミリの超小型アンテナを利用することができます。その結果インレイ全体( チップとアンテナおよびその接合部分)のサイズを10mm程度に縮小することができ、衣料ラベルやボタンタグなどへの応用が可能です。my-d vicinity HCは病院やレストラン、ホ テルその他で業務に利用する布地や洗濯物の物流・在庫管理などに最適です。

これら2種類のチップはデータ保持期間が10年を超え、10万回以上のデータ読み取り/書き込みが可能です。リーダーライターの構成やアンテナのデザインにもよって、最 大120cm離れた場所からチップのプログラミングが可能です。両製品とも ISO/IEC 15693およびISO/IEC 18000-3 mode 1の規格に準拠しています。

提供時期
my-d light(SRF55V01P)とmy-d vicinity HC(SRF55V02P HC)は、アンソーンウェハ(ウェハ切断前の形状)、バンプ付きソーンウェハ( ウェハを切断してバンプ形成した形状)のどちらも提供できます。各種インレイやラベル形式の製品は、インフィニオンのインレイパートナー各社(KSW Microtec、TagStar Systems、UPM Raflatacなど)から提供されます。インフィニオンのRFIDチップの技術詳細については www.infineon.com/rfid をご参照ください。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、子会社「Qimonda (キマンダ)」を通してメモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。2005会計年度(9月決算)の売上高は67億6,000万ユーロ、2 005年9月末の従業員数は約36,400名でした。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com 
日本サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFAIM200609.084