インフィニオンが光通信製品のラインナップを拡大OFC会議で一連の先端技術を発表

2004/02/19 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、2004年2月24~26日にロサンゼルスで開催される光ファイバ通信会議(OFC)において、有線通信グループによる新技術発表と動作実演を行います。3日間の会期中、 OFCのインフィニオンのブース(ホールJ、ブース番号1739)では、下記を含む、高速データコムおよびテレコム市場向けの一連の「Core-to-Door」ソリューションを展示します。

  • 伝送速度10Gbpsをサポートする1310nm VCSEL
  • 伝送速度2.5Gbpsまでに対応する850nm VCSEL
  • マルチモードファイバを介して距離300mの10GbE伝送が可能なX2型トランシーバ
  • 1本の光ファイバを介して音声/データ/ビデオの3サービスを提供する「Triport-BIDI」適用の光ネットワーク端末
  • Ethernet-over-SONET向けのマッパ/フレーマIC「MetroMapper 622」
  • RPR MACチップ「Frea」を適用したRPRラインカード

伝送速度10Gbpsをサポートする1310nm VCSEL

インフィニオンは、伝送速度10Gbpsまでの用途に使用される1310nm VCSEL(面発光レーザ)を動作実演します。こ の1310nm VCSELはインフィニオンのXPAK型、XFP型およびX2型モジュールの将来バージョンに採用されます。これらのモジュールは伝送距離10kmまでの10G FibreChannel、1 0Gigabit Ethernet(GbE)およびSDH/SONET向けをターゲットとしています。一般に使われている、レーザチップの端面から光を発するDFB(分布帰還型)レーザやFP(ファブリ・ペ ロー)レーザと異なり、VCSELは表面から光を発します。このため、パッケージが非常に簡素化され、大幅なコスト節約につながります。デバイスは、LC-TOSAパッケージに収納した形で公開されます。L C-TOSAは、インフィニオンのICパッケージングの量産バックエンドラインに用いられている、革新的な低コスト・パッケージング技術をベースとしています。

伝送速度2.5Gbpsまでに対応する850nm VCSEL

1310nm VCSELは最大伝送距離10kmに使用可能ですが、5 00m以内の短距離データコムでは波長850nmのVCSELが支配的になっています。高い信頼性が実証されているインフィニオンの850nm VCSELは、故障率が20FITをはるかに下回ります。この値は、 精緻な統計手法と先進的なプロセス制御を用いて、ウェハ1枚ごとに測定され、保証されています。当デバイスは現在、標準的なトランシーバ・モジュール向けにLC-TOSAまたはTO46 CANパッケージで提供されています。ターゲットとしているのは、FibreChannelおよびEthernet標準に準拠した短距離データ通信です。この850nm VCSELは、-4 0℃から95℃までの広い温度範囲でスペック性能を発揮します。

マルチモードファイバを介して距離300mの10GbE伝送が可能なX2型トランシーバ

インフィニオンは、FDDIグレードのマルチモードファイバを介して、現在IEEE 802.3aeで仕様化されている伝送距離を300mまで拡張したX2型トランシーバの動作実演を行います。このトランシーバは、EDC(電子分散補償)技術による1310nm レーザを使用し、デ ータ伝送速度10Gbpsで動作します。インフィニオンは昨年すでに、この技術によるXPAK型トランシーバの動作実演に成功しています。EDC技術は、シンボル間干渉(ISD)や 性能低下の原因となる分散やその他の障害を補償します。これによって、業務用ネットワークの伝送速度を、既設ファイバの取り替えを行わずに、10Gbpsへグレードアップできるので、10GbE(Gigabit Ethernet)技術の普及に弾みをつけることが期待されます。EDCを内蔵したインフィニオンのXPAK型およびX2型モジュールは、評価用の試作サンプルが2004年上半期中に提供開始される予定です。

1本の光ファイバを介して音声/データ/ビデオの3サービスを提供する「Triport-BIDI」適用の光ネットワーク端末

インフィニオンの光モジュール「Triport-BIDI」は、1 本の光ファイバを介して双方向デジタル通信を行い、さらに、アナログないしデジタルTVチャネル搬送用の高周波ビデオ信号レシーバを備えています。このため、T Vチャネル用の伝送メディアを追加する必要がありません。この「Triport-BIDI」を適用したオプティカル・ソリューションズ社(Optical Solutions, Inc.)の製品「 FiberPath 500」システムがインフィニオンのブースで展示されます。このシステムは、1本の融合アクセス・ネットワーク上で音声、データ、アナログまたはスイッチド・デジタル・ビデオ・サ ービスのトリプルプレイを行うことにより、コミュニティ全体のブロードバンドのニーズに応えます。当システムは、下りが1.244Gbps、上りが622MbpsのGPON(Gigabit PON)標 準をサポートする光ネットワーク端末として、家庭用にも業務用にも使用できます。

Ethernet-over-SONET向けのマッパ/フレーマIC「MetroMapper 622」

インフィニオンは、最近発表したマッパ/フレーマIC「MetroMapper 622」 の動作実演を行います。在来のSONET/SDHインフラ上でEthernetサービスを行うこのEoS(Ethernet-over-SONET/SDH)チップを使えば、デ ータコム機器と在来テレコム機器のベンダはともに、最新のEthernet伝送の要件を満たす柔軟なシステムを開発できます。チップに搭載したVCAT(Virtual Concatenation)、GFP( Generic Framer Protocol)、LCAS(Link Capacity Adjustment Scheme)の各機能により、比類ない柔軟性が提供されます。

RPR MACチップ「Frea」を適用したRPRラインカード

「Frea 」を用いたOC-192 RPRラインカードの動作実演を行います。「Frea 」は、IEEE 802.17仕様に準拠した業界初のRPR MACチップです。このデバイスはOC-48、OC-192および10GbEのデータ速度をサポートします。また、O C-48およびOC-192回線速度用のPoSフレーマと、メイト・インターフェイス(mate interface)を内蔵しています。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFCOM200402.034