インフィニオン、サイプレス、マイクロンの3社が携帯電話向け「CellularRAM」のサンプル出荷を開始

2003/05/05 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、米サイプレスセミコンダクタ、マイクロン・テクノロジー両社との「CellularRAM」共同開発チームが、携帯電話向けに32Mビット版「CellularRAM」の サンプル出荷を開始したと発表しました。非同期型とバースト型の両タイプのサンプルが供給可能です。

3社は昨年、低消費電力PSRAM(疑似スタティックRAM)の新しいマルチ世代ファミリである、「CellularRAM」の仕様開発で協力する共同開発契約を発表しました。新デバイスは、現 行ソリューションよりも低いビット単価を可能にし、2.5Gおよび3G携帯電話の設計に向けて高まるメモリ容量と帯域幅の需要に応える設計となっています。「CellularRAM」デ バイスにはいくつかの低消費電力機能が組み込まれ、現在、セルラー携帯電話に使われている非同期型低消費電力SRAMを、同じ電圧レベル、パッケージおよびボール配列で、そのまま置き換えることができます。こ の互換性のあるアーキテクチャにより、設計者はSRAMから「CellularRAM」にスムーズに乗り換えられます。

3社の共同開発の目的は、「CellularRAM」の共同開発仕様を基にして、ピンおよび機能の互換性を持つマルチソース製品を顧客企業に提供することにあります。3社はそれぞれ、自らの設計、プ ロセス技術および製品開発日程に基づいて、製品を設計・製造できるようになります。3社の共同開発ロードマップには、32Mビット版のほか、16 Mビット版と64 Mビット版も含まれています。マ イクロンが現在、32Mビット版と64 Mビット版のサンプル出荷を行っており、2003年第3四半期に本格生産に入る予定です。インフィニオンは現在、32Mビット版と16 Mビット版をサンプル出荷中であり、 2003年第3四半期からの本格生産を予定しています。サイプレスは2004年上半期にサンプル出荷を開始する予定です。

サイプレスのパシュパシー・ゴパラン(メモリ製品事業部マーケティング・ディレクタ)は、「CellularRAMアーキテクチャは、高 性能と低消費電力のユニークな組み合わせをシンプルですっきりした設計にまとめたのが特長で、これにより、携帯電話の設計者は、新製品にエキサイティングな新機能を低コストで付与できます」と、語りました。

インフィニオンのエルンスト・ストラッサ(スペャリティDRAMマーケティング・ディレクタ)は、「先導的なメモリメーカー3社の支援を受けて、CellularRAM製品ファミリは、新 興の高性能携帯電話アプリケーションに好適なソリューションとなっています。当社はまた、KGD(known-good die)ウェハ・フォーマットのCellularRAM製品も提供しますが、これにより、マ ルチチップ・パッケージへ組み込むなど、メモリ・サブシステムを特定のアプリケーションへ向けて最適化できます」と、語りました。

マイクロンのマリオ・ファジオ(ワイヤレス製品戦略マーケティング・ディレクタ)は、「CellularRAMアーキテクチャは、高スループットのメモリ・サブシステムをもっと迅速、効 率的かつシンプルに設計したいとする、携帯電話の設計者からの要望に応えるものです。これはまた、ポピュラーな高速バースト型フラッシュメモリを補完する、理想的な揮発性メモリです。C ellularRAMとフラッシュメモリを組み合わせてマルチチップ・パッケージに収納すれば、新興の携帯電話設計において、ボードの省スペース化をはかると同時に、システム性能を向上させることができます」と、 語りました。

DRAMセルをベースにした「CellularRAM」アーキテクチャは、DRAMセルの技術を活かしつつ、サイズ縮小をもたらすので、伝統的なSRAMや6T(6トランジスタ)型SRAMに対して、 大きな優位性を持っています。現在出荷中の32Mビット版「CellularRAM」のサンプルは、最大クロック速度104MHzで動作し、初期レーテンシが70ns、最大バンド幅208Mバイト/秒( 1.5Gビット/秒)を達成します。これらのデバイスは、「Intel W18」や「Micron Flash Burst」互換プロトコルを含むポピュラーな標準バースト・リード/ライト・モードを、各 種I/O電圧オプションでエミュレートします。

32Mビット版サンプルの構成は2 M_16ビット、16Mビット版は1 M_16ビット、64ビット版は4 M_16ビットとなっています。マ ルチソースを求める顧客企業のために完全互換性を確保できるよう、「CellularRAM」の共同開発メンバは現在、最終バージョン確定に向けて、各社のサンプル製品の解析と検証を行っています。

「CellularRAM」の共同開発メンバはまた、次世代の「CellularRAM」製品ファミリとなる128Mビット版デバイスの定義作りに共同で取り組んでおり、2 004年下半期のサンプル出荷開始を目標としています。「CellularRAM」の詳細は、下記URLをご参照ください:
http://www.cellularram.com

サイプレスについて
サイプレスセミコンダクタ社(Cypress Semiconductor Corporation)は、パーソナル、ネットワークアクセス、エンタープライズ、メトロスイッチ、コ ア通信システムなどのアプリケーションに対する高性能ソリューションによって、「Connecting from Last Mile to First Mile」(地球上のあらゆるものをネットワークで結ぶ) を推進しています。「Cypress Connects」は、USB、Fibre Channel、SONET/SDH、Gigabit Ethernet、DWDHをはじめとする、幅広いワイヤレス、ワ イヤライン、デジタル、光通信の工業規格をサポートしています。サイプレスは、高帯域幅メモリ、タイミング技術ソリューション、プログラマブル・マイクロコントローラの広範な製品ラインに加えて、そ のプロセスレベルおよびシステムレベルの専門知識を活かして業界最先端の物理層デバイス、フレーマ、ネットワーク検索エンジンなどの開発も行っています。

ウェブサイト:
http://www.cypress.com

マイクロンについて
マイクロン・テクノロジーは先進半導体ソリューションの世界有数のプロバイダの1社であり、世界的に展開し、DRAM、フラッシュメモリ、CMOSイメージセンサ、そ の他半導体コンポーネントおよびメモリ・モジュールを、先端コンピューティング、コンシューマ、ネットワークキングおよびモバイル製品向けに製造販売しています。マ イクロンはニューヨークの証券取引所に株式上場しています。

ウェブサイト:
http://www.micron.com

備考:

「CellularRAM」は、米国においてはマイクロン・テクノロジー、米国以外の国ではインフィニオンテクノロジーズの商標です。その他の商標はすべて、それぞれの所有者に属します。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFMP200305.073