インフィニオンテクノロジーズがTCPA仕様に基づくセキュリティICを発表

マイクロコントローラベースのセキュリティIC製品で世界をリードする独インフィニオンテクノロジーズは本日、「トラステッド･プラットフォーム･モ ジュール（TPM）」を発表しました。このモジュールは、IC（型名：SLF9630C）と付属ソフトウェアで構成される、コンピュータ用のサブシステムです。電子商取引やインターネット通信における認証機能、シ ステム保全、機密保持を実現します。

「TPM」は、トラステッド･コンピューティング･プラットフォーム・アライアンス（TCPA）仕様バージョン1.0のための完結したソリューションです。インフィニオンは、「TPM」を、サ ンフランシスコで開催中のRSAコンファレンス2001で発表しました。TCPAは、1999年に設立された業界団体です。現在会員企業数が160社以上で、今年1月にはバーション1.0仕様を発表しています。セ キュリティ関係の世界的な厳しい要求に応えることのできるICを製造しているインフィニオンは、今回のTPMソリューションの開発により、TCPA新標準の分野で、業 界でのリーダシップをさらに強化することになりました。

インフィニオンテクノロジーズのステファン・マーカールト（セキュリティIC事業部バイスプレシデント兼ゼネラルマネージャ）は、「セキュリティが確保され、信頼できる環境の中で、買 い手と売り手による双方向の情報交換を可能にする標準技術の採用により、商取引のグローバルプラットフォームとしてのインターネットの成長は、今後さらに加速されます。T CPA標準へのインフィニオンのコミットメントは、最初の仕様完成のすぐ後に、完全準拠の製品を発売したことからも、裏付けられると思います。TPMサブシステム技術の発展のために、可 能な限りの貢献ができることを喜ばしく思います」と、語りました。

SLF9630Cの技術的詳細
「SLF9630C」は、インフィニオンの定評のある16ビット・セキュリティコントローラのアーキテクチャを採用しています。コントローラに含まれるのは、16Kバイト不揮発性メモリ、ハ ードウェアベースのRSA暗号ユニット（鍵長2,048ビット）、TCPA標準に必要とされるHashアルゴリズムおよび真性乱数発生器です。こ のアーキテクチャを基礎とするインフィニオンのセキュリティコントローラは、業界で最高のデジタルセキュリティ水準を達成しており、I T分野のセキュリティを管轄しているドイツ政府の関係機関が発行するITSEC E4 High Certificateを獲得しています。

インフィニオンはコンピュータメーカーに対して、信頼性の高いコントローラに加え、サ ブシステム運用面で信頼性の高さで定評のあるオペレーティングシステムとエンベデットアプリケーションも提供しています。インフィニオンが開発したソフトウェアとして、「トラステッド・プラットフォーム･シ ステム･ソフトウェア･スタック」や、「TPM暗号サービス･プロバイダ」があります。

「SLF9630C」は、標準LPC（ローピンカウント）インタフェース･バスを通じて、デスクトップシステムとノート型PCを統合します。パッケージは64ピンTQFPで、さ らに新規パッケージも開発中です。2001年第2四半期にサンプル出荷開始予定です。価格情報は、今年後半の量産開始時点で発表予定です。

TCPA標準について
TCPAは、システムセキュリティ機能を担うサブシステム向けにオープン標準を開発することを目的として、コンパック･コンピュータ、ヒューレット･パッカード、IBM、インテル、マ イクロソフトにより設立されました。TPMは、デスクトップPC、ノートPC、携帯電話など、各種プラットフォームの信頼性を確保する鍵の役目を果たします。TCPA標準は、起 動時にシステムの完全性をチェックするとともに、システムの所有者に対してプライバシーと機密保持機能を提供します。このサブシステムは、プ ラットフォーム中にインストールされたユニークなハードウェアをベースとする公開鍵インフラ確立のための基礎となります。