インフィニオンテクノロジーズが4種類のBluetoothソリューションを発表

独インフィニオン･テクノロジーズは本日、同社の「BlueMoon」ファミリーの新製品として、「BlueMoon Single」、「 BlueMoon Single Voice」、「BlueMoon Multimedia」、および「BlueMoon BlueStar」を発表しました。これら4種類の新製品が「BlueMoon」フ ァミリーに加わったことで、Bluetooth、DECT（Digital Enhanced Cordless Telecommunications）、WDCT（Worldwide Digital Cordless Telecommunications）をはじめとする短距離ワイヤレス機器向け半導体ソリューションにおけるインフィニオンのリーダーシップはさらに強固なものとなりました。

インフィニオンのクリスティアン・バウムガルト（短距離ワイヤレス部門の担当副社長兼ゼネラル・マネージャ）は、「インフィニオンは、Bluetooth市場が多様化するのに対応し、業 界の各用途に特化したBluetoothソリューションを迅速に提供してきています。急成長中のBluetooth市場において、当社の顧客がリーディング・ポ ジションを確保できるようなソリューションを提供したい、というのが当社の目標です」と、語りました。

BlueMoonファミリーは、主要アプリケーションごとに最適化された4種類の新製品が加わったことによって、世界市場において、最 もアプリケーションの多様性がある半導体ソリューションとなりました。

BlueMoon Singleについて
インフィニオンは、Bluetooth短距離ワイヤレス技術向けに、世界で最も高集積度の半導体ソリューションであるBlueMoon Singleのサンプル出荷を開始しました。こ のソリューションは、ベースバンドDSP、RF機能、メモリ、ソフトウエアのすべてをワンチップ化しています。携帯電話や個人情報端末（PDA）のような、Bluetooth機能を必要とする小型機器に適します。 BlueMoon Singleは、インフィニオンのBlueMoonファミリーのラインアップを拡充するものです。実装スペースが最大課題となるアプリケーションをターゲットとしています。

BlueMoon Singleは、インフィニオンのRF回路設計における卓越した技術力と最先端CMOS技術の組み合わせにより生まれました。この最新のアーキテクチャは、「BlueMoonＩ」チ ップセットで実績のある、Bluetooth V1.1認定のベースバンド技術とソフトウエア、それにCMOS技術の導入により実現したこれまでにない高性能なRF回路の組み合わせにより構築されています。R F回路については、全温度範囲にわたって高性能を保証し、スプリアス放射を最小にするための対策を講じました。BlueMoon Singleは、ROMベースのメモリを搭載しているのが特徴で、同 時に外部フラッシュ･インターフェイスにより、迅速なプロトタイプ供給や予備生産ができます。Bluetooth V1.1認定のリンク･マネージャおよびHCI（Host Controller Interface）は、ICと一緒にファームウエアの形で供給されます。BlueMoon Singleは、データ用の920 kbpsのUART（汎用非同期送受信器）と、音 声用の専用PCMインターフェイスの両方を搭載しています。

BlueMoon Single Voiceについて
BlueMoon Single Voiceは、ヘッドセット専用のワンチップ･ソリューションです。高性能な全二重音声コーデック、パワー･マネージメント、充 電コントローラなどを備え、カスタム化可能なマンマシン･インターフェイスの付いた完全なヘッドセット機能を提供します。

BlueMoon Multimediaについて
BlueMoon Multimediaチップセットは、ノートブックPC、デジタル･カメラ、MP3プレイヤーのような、高性能PCやマルチメディア機器向けに設計されました。A RM７マイクロコントローラを内蔵しているのに加え、ソフトウエアAPI（Application Programmers Interface）を備えているので、ホストおよびアプリケーション・ソ フトウエアの統合が可能です。また各種の高速インターフェイス（USB、パラレル、シリアル）もサポートしています。BlueMoon Multimediaは、標準Bluetooth仕様に準拠していますが、付 加的に、インフィニオンの最高データ速度4 MbpsのRFトランシーバと組み合わせることにより、高速データ伝送モードも提供できます。

BlueMoon BlueStarについて
BlueMoon BlueStarは、完全シンセサイズ可能なVHDL（Very High Description Language）コアです。C 言語ソースコードによるコンパイル可能なリンク･マネージャ･ソフトウエアを併用することにより、Bluetooth機能を、携帯電話のベースバンド部、携帯情報端末（PDA）、プ リンタなどの特定用途向け集積回路（ASIC）に、迅速かつ簡単に組み込むことができます。Bluetooth組込みソリューション向けの製品として、製造プロセス技術、オンチップ･バス･アーキテクチャ、マ イクロコントローラ･サポート（ARM7 、ARM9 、TriCore ）などに関して、きわめて柔軟に対応できます。

価格と供給について
「BlueMoon Single」は、最先端の0.25μm CMOSプロセスで製造され、寸法7mm×7mmという小型のLFBGA-81パッケージで供給されます。一 部の顧客には本日よりサンプルを出荷しており、量産開始は2001年末を予定しています。BlueMoon Singleの単価は百万個受注時で7.50ユーロです。「BlueMoon Single Voice」および「BlueMoon MultiMedia」は、本年第3四半期に主要顧客向けにサンプル出荷を開始する予定です。この2製品の単価は、百万個受注時で10ユーロ以下になる予定です。「 BlueMoon BlueStar」マクロIPは現在、ライセンスに基づく組込み回路向けに出荷中です。

BlueMoonファミリーについて
BlueMoonファミリーの最初のメンバーは、2000年10月に発表された「BlueMoonＩ」チップセットです。このソリューションは、Bluetooth V1.1の認定を取得しました。各 1本のUART（920kbps）とPCMインターフェイス（2 Mbps）を備え、Bluetoothモジュールやアダプタ向けに理想的です。インフィニオンでは、BlueMoon製品ファミリーに加えて、長 距離動作（Class 1）向けに各種のBluetoothアンプも供給しています。

BlueMoon製品はすべて、生産性を最優先に設計されています。その斬新な設計構想によって、外付け部品の点数と費用を最小レベルに押さえています。インフィニオン･テ クノロジーズのBluetoothチップセットは、関連技術をすべて揃えた世界トップレベルの自社半導体工場から供給されており、その供給能力と高い品質レベルはすでに実証されています。

インフィニオンの短距離無線システム分野におけるシステム･オン･チップの技術力は広く認められており、これまでにBluetoothと同じ周波数帯（2.4 GHz）を 用いるコードレスDECT電話およびWDCTシステム向けトランシーバ･チップを4,000万個以上生産しています。