インフィニオンテクノロジーズが128 Mビット「モバイルRAM」のサンプルを出荷

2001/07/25 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、128 Mビット「モバイルRAM」(Mobile-RAM)のサンプル出荷の開始を発表しました。「モバイルRAM」 は、電池駆動ハンドヘルド機器向けに設計された、きわめて低消費電力のSDRAM(シンクロナスDRAM)です。JEDEC(米国の電子部品標準化団体)の新標準に準拠した、省スペースのファインピッチ・ボ ール・ グリッド・アレイ(FBGA)パッケージに封入されています。

「モバイルRAM」は、チップサイズがFBGAなので、外形寸法は、標準のSDRAMのTSOPパッケージに比べて3分の1以下になります。実装面積は、8mm×9mmです。消費電力は、動 作条件とシステム設計にもよりますが、標準の128MビットSDRAMに比べて最高80%まで低減できます。この低消費電力化は、動作電圧を2.5Vに、I/O電圧を1.8Vまたは2.5Vに下げ、さ らに特別な電力管理技術を導入することにより達成されました。低電力SDRAMに関する最近のJEDECの標準化は、これらの特徴およびパッケージを対象としています。

インフィニオンのアクセル・ハーン(メモリ製品事業部製品マーケティング上級ディレクター)は、「当社は、DRAM製品ポートフォリオの多様化を目指していますが、このモバイルRAMは、ま さにその戦略を代表するものです。モバイルRAMは、次世代型PDA、スマートフォン、デジタルカメラなどの電池寿命を最大化し、サイズ、重さ、およびトータル・シ ステム費用を最小化するという意味で画期的な製品です。このような最先端のメモリ・ソリューションをハンドヘルド市場に提供できることは喜ばしい限りです」と、語りました。

新標準は、JEDECが標準化に乗り出した段階から業界の支持を得ており、インフィニオンも積極的に支援してきました。多くのチップセットおよびオペレーティング・システム(OS)ベンダー、さ らにASIC/SoC(特定用途向けIC/システムオンチップ)設計用IP(知的財産)コア回路ベンダーも、「モバイルRAM」の省電力化のメリットを活用すべく、新標準への支援の方向に動き出しています。

インテル社のディック・ローレンス氏(無線通信およびコンピューティング事業部戦略マーケティング・プラットフォーム・アーキテクト)は、「当社は、顧客製品の消費電力を低減するために、ま さしくインフィニオンのモバイルRAMのような、業界標準の低電力DRAMに大きな期待を寄せています。JEDEC標準はオープン・スタンダードですので、顧 客は複数のサプライヤから供給されるコンパチブルな部品を選択できるでしょう」と、述べました。

低電力SDRAMは、スマートフォンやPDAのような多様なハンドヘルド電池駆動機器に、広く用いられるようなると期待されます。インターナショナル・データ社(IDC)のケビン・バーデン氏( スマート・ハンドヘルド機器プログラム・マネージャ)は、「PDAおよびハンドヘルド機器の世界市場は、今後も成長を続けるでしょう。世界のPDAおよび関連ハンドヘルド機器の本年度の出荷量は、1 ,960万台になる見込みです。今後、年間39%の成長率で伸び、2005年には年間7,080万台に達すると予測されます」と、述べました。

さらに、インターネットの無線接続の普及にともなって、携帯システムが必要とするメモリ容量は大幅に増大すると考えられます。インクエスト・マーケット・リサーチ社のバート・マッコマス氏は、「 無線インターネット・アクセスは、ハンドヘルド・コンピューティング機器向けメモリの要求仕様を根本から変化させています。モバイル機器は、PCデータ、ニュース・ストリーミング、メディア・ス トリーミングなどにアクセスするために、さらに複雑なオペレーティング・システムと、より大きなメモリ容量を必要とします。安価で低消費電力の高密度メモリ・ソリューションが、こ れらの新しいプラットフォームにとって不可欠なものとなるでしょう」と、語りました。

インフィニオンは、128Mビット「モバイルRAM」として、構成8M×16および16M×8の製品を用意しています。2002年には、次世代PDA向けを主眼に、「モバイルRAM」の256 Mビット版を市場投入する予定です。ほとんどのPDAにおいて、今後もDRAMの容量は依然32 Mバイト、場合によってはそれ以下と予想され、128 Mビット「モバイルRAM」で十分対応できます。しかし、ま すます多くのハイエンド・システムが、来年からDRAM容量64 Mバイトを使用するものと予想されます。次世代「モバイルRAM」では、2個のFBGAデバイスだけで、このメモリ容量を提供できます。

インフィニオンの128 Mビット「モバイルRAM」(構成8M×16および16M×8)はサンプル出荷中で、量産開始は今年末を予定しています。「モバイルRAM」の最初のサンプルは、J EDECの新標準である54ピンFBGAパッケージの製品と、従来の標準TSOP(薄型スモール・アウトライン・パッケージ)の製品が用意されています。後者は、従 来パッケージ用にレイアウトされた開発ハードウェアでのシステム評価を容易にするためのものです。「モバイルRAM」は、量産段階ではすべて、省スペースのFBGA型パッケージに封入されます。

「モバイルRAM」の詳細については、次のURLをご覧ください:
http://www.infineon.com/mobile-ram

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INFMP200107.094e

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  • Designed specifically for use in battery-powered, handheld electronic products, the Mobile-RAM is a very low-power SDRAM (Synchronous Dynamic Random Access Memory), mounted in a space-saving Fine-pitch Ball Grid Array (FBGA) package that is fully compliant with the new JEDEC (Joint Electron Device Engineering Council) standard.
    Designed specifically for use in battery-powered, handheld electronic products, the Mobile-RAM is a very low-power SDRAM (Synchronous Dynamic Random Access Memory), mounted in a space-saving Fine-pitch Ball Grid Array (FBGA) package that is fully compliant with the new JEDEC (Joint Electron Device Engineering Council) standard.
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