インフィニオンがアンテナスイッチ用にPINダイオード新製品を発表

2001/10/02 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、新しい高性能PINダイオードファミリとして、「BAR88-02L」および「BAR89-02L」を発表しました。新ファミリは、低消費電流化により、2 .5Gおよび3G携帯電話、Bluetooth、無線LANなどのアンテナスイッチ設計に新しい基準を確立します。移動通信機器にとって消費電流は、待機および通話時間を向上させる上で不可欠の要素です。低 損失アンテナスイッチ向けに設計された当製品は、将来的な市場ニーズにもマッチし、新しいフロントエンド設計への道を拓くものです。

インフィニオンテクノロジーズのトーマス・ポラコウスキー(ディスクリート事業ユニット担当副社長兼ゼネラルマネージャ)は、「近年、アンテナスイッチの設計は10mA動作が主流でしたが、市 場ニーズは変わりました。インフィニオンは3mAないしそれ以下で動作するPINダイオードを提供します。BAR88-02LとBAR89-02Lは高調波抑圧、挿入損失、絶縁の面ですぐれた性能を備え、低 消費電流が不可欠な無線用途に理想的です」と、語りました。

「BAR89-02L」は、順抵抗が低く抑えられているので、挿入損失の低減に重点を置いたフロントエンドモジュール用に適します。これに対し「BAR88-02L」は、低 電流化に重点を置いた用途に適します。両製品とも、寄生成分を大幅に低減したインフィニオンの新しいTSLP-2パッケージで出荷されます。寄生成分は、2.5Gおよび3G携帯電話や無線インターネットなど、高 い周波数帯域(例えば2.5GHz)で動作するあらゆる装置にとって非常に重要な要素です。TSLP-2パッケージのサイズはわずか10mm×0.6mm×0.4mmで、移 動通信においてますます重要性を増している省スペース化の要求を満たします。

「BAR89-02L」は現在サンプル出荷が開始されています。「BAR88-02L」のサンプル出荷は2001年11月に開始の予定です。量産開始は「BAR89-02L」が2001年12月、「 BAR88-02L」が2002年1月の予定です。

PINダイオードについて

PINダイオードは、高周波信号のスイッチングや減衰に用いられます。ダイオードのP領域とN領域の間に、不純物を含まないI領域(真性半導体領域)が存在します。ダイオードを順方向で直流バイアスすると、 I領域に大量の正孔と電子が発生し、電流が流れます。このバイアスを外すと、電荷同士が再結合し、電流が遮断されます。PINダイオードは大量生産されています。例えば、通常のGSM携帯電話では4~6個( 周波数帯域ごとに2個ずつ)のPINダイオードが使用されています。

インフィニオンについて


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INFWS200110.005e

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  • Infineon Technologies Introduces New PIN Diodes for Antenna Switch Designs in Wireless Applications
    Infineon Technologies Introduces New PIN Diodes for Antenna Switch Designs in Wireless Applications
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